秘密保持契約の真の目的は顧客のスクリーニング

ビジネスマインド・ビジネス一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

以前、秘密保持契約(NDA)に関する記事を書いた事があるのですが、今回はその補足的な内容です。

秘密保持契約(NDA)とは?その注意点を解説します
企業間の取り引きを行う時に、秘密保持契約を締結する事があります。秘密保持契約は「NDA」とも呼ばれ、その中の通り「取引上における秘密保持に関する契約」で、M&Aや業務委託契約等、企業間の取り引きのありとあらゆる場面で登場しま...

あなたが個人事業主や会社の社長だった場合、その営業上保有している情報やノウハウ等は重要な財産になります。

そして、他の企業と取り引きを行う場合、その重要な財産である営業上の秘密やノウハウを提供する場合があります。

でも、その情報が万が一外部に漏れてしまえば、当然ながらあなたは大損害を被ってしまいますよね。

その為、取引先にあなたの営業における秘密情報の保持を義務づける「秘密保持契約(NDA)」を締結する事があります。

秘密保持契約は単体で契約書を作成したり、業務委託契約の中で盛り込んだり、形式は様々ですが、趣旨は全て同じで

「ビジネス上で知り得た情報は外部に漏らさないようにしましょう。」

と言う内容です

このように、取引当事者に法的拘束力を課して取引における責任を明確にするのが秘密保持契約(NDA)であり、ビジネス上は必要不可欠となっています。

そして、じつはこのNDA、別の視点から見るとまた違った目的が見えてくるんですね。

それが今回のテーマである「顧客のスクリーニング」です。

1.秘密保持契約(NDA)は顧客のスクリーニングに役立つ

秘密保持契約は別の角度から見ると、顧客や取引相手を「スクリーニング」機能を持っているんです。

ほら、良くいるじゃないですか?

具体的な取り引き先の名前を出してTwitterで悪口言う人。

「こいつ、本当に日本語が読めえねぇな」とメールのやりとりを貼り付けたり。

「〇〇さんに依頼したのに、仕上がりが悪すぎ!これ見て!!」と依頼した仕事の完成品の写真をアップしたり。

このような、取引相手として潜在的に危険な人との取り引きを未然に防ぐのが秘密保持契約の真の目的です。

秘密保持契約の条項はだいたい「~してはならない」と堅い文言で義務を規定しています。

そしてその義務違反があった場合損害賠償請求が出来る事を定めています。さらに損害賠償の額を予め決めていれば契約書の「本気度」が相手に伝わるでしょう。

あなたが個人事業主として、または会社社長としてテキトーに仕事をしていない事。

契約ごとはしっかりと行う事。

このようなスタンスを見せる事によって「招かざる人」を排除し、自分が好きな顧客、自分の全エネルギーを注いでも構わないと思う人だけを相手にする事ができるのです。

2.スモールビジネスは顧客のスクリーニングが最優先

特に規模が小さい、スモールビジネスを行っている場合、顧客のスクリーニングは絶対不可欠です。

もしスクリーニングを行わず質の悪い顧客を相手にしてしまったらクレーム(本当はクレームではないのですが)対応に時間を大幅に取られますし、精神的負担度も増します。

そして、本来時間をかけるべき大切な顧客との対応が雑になったりと、良い事は一つもありません。

Twitter等で情報発信し、顧客をスクリーニングする方法もありますが、ガッチリとした秘密保持契約書を用意する事もスクリーニングに繋がります。

あまり質の良くない人ほど、ガッチリとしたNDAの条項を見せる事で「うぁ、メンドクセ」となり、勝手にあなたから去ってくれます。

万が一秘密情報が漏洩されたとしても秘密保持契約を根拠に、速やかに損害賠償請求を行う事が出来ます。

だからこそ、通常の契約と同様、NDAもしっかりと文言を考え、締結すべきなのです。

3.まとめ

起業当初や売上に困っている時期は「取りあえず誰でも良いから!」と言うスタンスで集客しがちです。

しかし、そのようなスタンスでは本来相手にしてはいけない人が大量に紛れ込む可能性がありますし、あなたの貴重な時間やお金が奪われる危険性があります。

是非、スクリーニングと言う観点からも秘密保持契約を活用してみて下さい。