こんにちは、甲斐です。
僕は出会う人に「起業家や営業マンに演技レッスンをしているんです。」と話をしているのですが、ほとんどの方が「分かります!営業の場面って上手く喋る事が重要ですからね!」と言う反応が返ってきます。
これ、正しいと言えば正しいのですが、間違っていると言えば間違っているんです。
つまり、演技のレッスン、セリフを喋るレッスンと言うのは、「ただセリフを上手く喋るため」のレッスンじゃないんですよね。
一体どう言うことなのか?これが分かればビジネスでも活用できるのです。
1.演劇のセリフを喋るレッスンの本質
俳優は普段から様々なレッスンを行っているのですが、TVドラマや舞台に直結するレッスンは「セリフ」のレッスンでしょう。まさに俳優の仕事のひとつですから。
ではこのセリフのレッスン、俳優はどのような事に注意しながら行っているか?と言う点ですが、まずあなたはTVや舞台を見て、「この俳優、セリフ(演技)が上手いなぁ」と感じた事はありませんか?
まぁ、「セリフが上手い」と言うのは人それぞれ感覚が違いますが、ここでは「見ている人の心を動かす」と定義しましょう。
ではセリフが上手い俳優は何をやっているのか?ですが、実はセリフを上手くしゃべる事を練習しているのではなく、相手のセリフを聞いてどう感じるか?を徹底的に練習しているのです。
もちろん、セリフを魅力的に喋る表現力のレッスンも行っています。が、それよりも重要なのはあくまで「感じ取る力」なんです。表現力は感じ取る力の上に成り立っているので。
日常生活では当たり前ですが、自分のセリフ(言葉)って相手のセリフ(や態度等)に反応して出てきますよね?
何かしらを感じて、感情を抱いて、それが言葉になって出てくる。
それが結果として自分のセリフとして表現され、見ている人の心を動かす、と言う流れになるのです。
2.営業の場面でお客さんの話しを聞けない理由
では話しをビジネスの視点に変えましょう。
ビジネス、特に営業の場面ではお客さんの感情を動かす事が契約に繋がるのは誰でも理解できると思います。
と言う事は、上記の「セリフを喋るレッスン」は営業の場面で有効である事、これも誰だって理解できるでしょう。
でも多くのビジネスパーソンはセリフを喋るレッスンの基本である「お客さんの話しを聞けてない」んですよね。だから見当違いな話しをしてしまう。
「いやいや、そんな事はない、自分はちゃんとお客様の話しを聞いているし、しっかりと反論処理(応酬話法)も行っている!」
と言う意見が出てきそうですが、その反論処理(応酬話法)が大間違いなのです。
分かりやすくまだ演劇の話しに戻しますね。
例えば台本の中に相手のセリフで、あなたの役に対して「嫌い」とあった場合、本当にあなたの役を嫌っているのでしょうか?
もちろん、本当に嫌いな場合もあるでしょう。でも、「好き」と言うニュアンスが隠されている事も良くあるでしょう。
と、こんな感じで人は自分が言った言葉について、自分自身でも気が付いていない本音が隠されている事が往々にしてあるんです。
つまり、字面だけを追っている反論処理(応酬話法)は全く意味がなく、言葉に騙されることなく相手の本音を感じ取る事こそがビジネスにとって重要になってくるんです。
3.まとめ -字面ではなく、相手の本音・真意を感じ取る-
売れない営業マンほど、お客さんの「言葉」に振り回されている事が多いんですよね。
- 料金が高い(予算がない)
- 今はそのタイミングではない
- 検討したい、等々
これらに対する反論処理(応酬話法)を単純に作成するのではなく、その文字面に騙される事なく、相手の本音・真意は何なのか?と言った事を感じる能力を身につけるようにしましょう。
そう、「聞く」とは相手の話しを聞くだけではなく、相手の本音・真意を身体で感じ取る事なのですから。