実務が出来てもコンサルティングが出来るとは限りません

コンサルティング・問題解決思考

こんにちは。甲斐です。

最近、「コンサルタントになりたいんです」と言うご相談が増えてきているのですが、ちょっと思うところがあってこの記事を書いています。

僕のところにご相談される方は、基本的にそれぞれの分野で実務経験を積み、専門的知識やスキルを身に着けた上で、次のステップとして「コンサルティングが出来るようになりたい」と言う方々なんですね。

業界は幅広く、物販やリラクゼーションサロンの経営者、遺品整理・便利屋等のサービス業、etc。

皆さんそれぞれの分野の専門的知識・スキルがずば抜けており、だからこそコンサルタントになりたい!と言う気持ちが強いのですが、ここでちょっと冷静になって欲しいんです。

「実務がバッチリできるから、当然コンサルティングも出来るよね」と思われている方がいらっしゃるんですが、実務ができる=コンサルティングができる、と言う訳ではないんですね。

この理由は単純明快で、実務で求められる能力と、コンサルティングにおいて求められる能力は全く別ものだからです。

1.実務とコンサルティングで求められる能力が違う理由

そもそも、お客さんがわざわざ高いお金を支払ってコンサルティングを依頼する趣旨は、自分達では解決できない、気が付いていない問題に関する根本的な原因を突き詰めたい為です。

そのような中、誰でも思いつくような事を「問題はこれです!」なんてドヤ顔でコンサルタントが語ってしまったら、コンサルティングの意味がないですよね?

実務とコンサルティングで求められる能力が違う理由はまさにこの部分であり、論理的かつ独自でユーニクな視点からの提案を行うからこそ、お客さんから「その手があったか!」と前のめりで共感してもらえるのです。

「お客さんが行きたい場所ではなく、行くべき場所に連れていくのがコンサルタントの仕事」

なんて言われる事がありますが、お客さん自身が気が付いていない、問題の根本的な解決の為に頭をフル回転させるのがコンサルティングなのです。

その為に必要な能力は様々ありますが、やはり重要なのは、このブログで何度もお話している「現状を正確に把握する能力=疑う能力」でしょう。

2.クライアントも気が付いていない問題を気づく必要がある

コンサルティングでは様々な能力が求められますが、最重要なのが「現状を正確に把握する能力」です。

思い込みを捨てて、広い視野で考える。「そもそも問題は何なのか?」と言う問題の定義を行い、それらに対する有効な施策を考える、と言うのがコンサルティングの流れですが、その一番最初の部分が「現状を正確に把握する能力」なんですね。

そのためには、当たり前のことさえ疑う必要があるんです。

これはそのままズバリ「疑う能力」ですね。「本当にこれで良いの?何か見落としている事はない?」と自問自答する事により現状を正確に把握する事ができるのですが、これが日本人は大不得意なんです。

なぜかと言うと、僕らって子供の頃からこんな風に言われて育ってきませんでしたか?

「親や先生、大人の言うことはちゃんと聞きなさい。口答えしてはダメ!」

そして大人になって社会に出れば、上司の言う事を素直に聞く事が優秀な社員の条件になる。

疑問に思ったり反論したら「悪い子」のレッテルを張られてしまいますから。

こんな感じで何も疑うことを知らない「良い子」として育てられたら、コンサルタントではない限り、疑う能力なんて身に付かないのは当たり前なんです。

しかし、コンサルタントとして活躍したいのであれば、この疑う能力は絶対必須であり、疑うことを意識的にトレーニングする必要があるんですね。

当たり前のことですら疑い、現状を正確に把握する必要がある理由は、先程お話した通り、お客さん(クライアント)すら気が付いていない問題を気づく必要があるからです。

3.まとめ

実務は文字通り実務に関する能力(スキル)を身に付ければ良いのですが、お客さん(他人)に対するコンサルティングの場合、スキルは「思考」であり「マインド」です。

コンサルタントはまさにこの「思考=考える力」が商売道具なので、今まで以上に考える事を徹底的に行う必要があるのです。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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