考えている「つもり」にならない為に。フレームワークの重要性

コンサルティング・問題解決思考

こんにちは。甲斐です。

現代社会、特にビジネスの場面では「考える事」の重要性が叫ばれています。

前例を踏襲する従来型の経営が通用しなくなり、正解が無い問題について答えを導き出さなくてはいけない時代に突入していますので、それは当然な事でしょう。

ただし、考える事が重要と言っても、具体的にどのようにすれば良いのか、疑問に思った事はありませんか?

もしくは、「考える」とはそもそも何なのか?と言う疑問。

今回はその疑問を解消する為のお話し、「フレームワーク」の重要性を語っていきたいと思います。

  • 「考える」と言う事がそもそも良く分からない。
  • 「考えて」いるんだけど、いまいち結論が出てこない。

このような方には、特に参考になると思います。

特に、「雰囲気だけのビジネスはやりたくい!ちゃんと中身があるビジネスをしたい!」と言う方は必見です。

1.フレームワークとは?

フレームワークとは、経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組みの事です。

ビジネスに必要とされるロジカル・シンキングや発想法などを体系的にまとめたもの、つまり、ビジネスで大活躍された先人の知恵と言っても良いでしょう。

フレームワークは一定レベルのビジネスパーソンであれば共通言語なのですが、初めて聞く人にとっては「何だか難しそう」と言う印象を持つかも知れません。

やたらと横文字が多いですので・・・。

でも、あくまで思考する為のツールなので、コツさえ理解すれば難しいモノではありませんので、そこはご安心下さい。

例を挙げると、こんな感じです。

新型コロナウィルスの緊急事態宣言が出る前に私がツイートした、食料品の無駄な買い占めは止めましょうね!と言う願いを込めたフレームワークです。

こんな感じで実際は結構単純なので、全然難しく考えなくても大丈夫です。

2.「考える」為にフレームワークが重要な理由

では、なぜ考える為のツールとしてフレームワークが必要なのでしょうか?

それは、「考えているようで、実際は何も考えていない」状態を防ぐためです。

皆さんにも経験ありませんか?

ある事について考えようとしたけど、考えが堂々巡りして、結局考えがまとまらなかった事が。

これこそが、「考えているようで、実際は何も考えていない」状態なんです。

こんな事をやっていればいつまで経っても結論は出ませんし、時間の無駄になります。

このような事を防ぐ目的として、自分なりの結論を体系的・論理的に導き出し、他の人から「あなたの話しは説得力がある」と言って貰える為のツールとして、フレームワークが必要になってくるのです。

「雰囲気だけの起業家」にならない為には、このフレームワークを使いこなす事が必須です。

それでは、代表的なフレームワークである、「ピラミッドストラクチャー」を見て行きましょう。

3.ピラミッドストラクチャー

ピラミッドストラクチャーとは、あなた自身が伝えたい「結論」と「その根拠」をピラミッド状に図式化したフレームワークです。

画像1

  • 「で?結局のところ何が言いたいの?」
  • 「話が長いし論点が飛びまくっている。もう少しポイントを絞って説明してくれないか?」
  • 「その根拠は何?単なる思い付きじゃないの?」

あなたは今までにこのような事を言われた事はありませんか?

このように言われる原因はあなたの話しが論理的ではなく、頭に浮かんだ事を思い浮かんだまま話している可能性が高いのです。

しかし、ピラミッドストラクチャーを使いこなす事ができれば、伝えたい結論とその根拠がピラミッド型に図式化されており、結論に至るまでの論理構成が分かりやすく、あなたの主張が説得力のあるモノになるのです。

4.ピラミッドストラクチャーの使い方(具体例)

それでは、ピラミッドストラクチャーの具体的な使い方をお話しします。

例えば、あなたが中学生であると仮定して、今流行っているインターネットを活用した副業をしたいと思っています。

でも、両親は絶対に反対する事が事前に分かっています。

こんな時に、ピラミッドストラクチャーを使って両親を論理的に説得する方法を考えてみましょう。

まず、結論は「中学生がビジネスをやるべき理由」となります。

この結論を導き出す為の根拠の枠組みとして、どのような事が考えられるでしょうか?

ここで言う「枠組み」とは、「結論を導き出す為に判断・考慮すべき事項」の事です。

この枠組みを考える事が、論理展開を行う為に非常に重要になってきます。

これはご自分で考えない限り身に付く事はありません。

まずは練習として、ご自分で考えてみて下さい。

いかがでしょうか?考え付きましたでしょうか?

どのような枠組みにするのか、絶対的な答えはありませんので、ひたすらトレーニングを繰り返して慣れるしかありません。

それでは話しを進めましょう。

私が考えた枠組みは、「人」「会社」「お金」に関する事です。

「人」についてはビジネスの場面における「人」について、現状を把握し、どのような事実があるのかを分析します。

例えばこのような感じです。

  • 海外では子供の時からビジネス教育が充実。
  • 一方、日本の教育で教わる内容は、ビジネスの場面で使えるものが少ない。
  • 今後、グローバル化はますます加速する。

そして、ここからが重要なのですが、これらの事実から何が言えるのかを導き出します。

これは、ロジカルシンキングにおける「So What?(だから何?)」と言う作業で、 「だから何?」と問いただすことによって、現在の事実から結論を導き出す技法です。

上記の例で言えば、

  • 今後、ライバルとなる人材は、子供の頃からビジネス教育がされた外国人となる。
  • 日本人のビジネス教育は遅れており、子供の時点で既にライバルとの差が開いている。

というメッセージが導き出されます。

続いては、「会社」について考えてみましょう。

  • 終身雇用制度の崩壊。
  • 非正規雇用の割合は37.3%と高水準(2017年)。
  • 日本企業の国際競争力低下。

このような現状がある場合、So What?(だから何?)で結論を導き出すと、

  • 今後会社に正社員として就職しとしても安泰ではなく、会社の都合で解雇される可能性もある。
  • 仮にそうなっても他の会社に直ぐに就職出来たり、自分でビジネスを立ち上げる事ができるスキルが必要になってくる。

このようになります。

最後の「お金」について考えてみましょう。

  • 平均年収の低下。
  • 年金額の減少予測。
  • 災害による収入のストップ

これを、So What?(だから何?)で結論を導き出すと、

  • 日本人の平均年収は20年前と比べ減少している。
  • また、日本は自然災害が多く、災害によって収入がストップする事もある。
  • さらに、日本人の人口は減少傾向にあり、将来もらえる年金額も減少する可能性がある為、いつどんな状況でも稼ぐ力を身に付ける事は必須。

このようになります。

これをピラミッドストラクチャーに当てはめるとこうなります。

無題3

このように、ピラミッドの下側にあるメッセージが「So What?(だから何?」」でピラミッドの上側と繋がっている必要があります。

下から上を見渡し、もし違和感を感じるようであれば論理展開がおかしい可能性がありますので、「So What?」でつながるように調整しましょう。

さらに、右側に注目して下さい。

「Why?(なぜ?)」とありますよね。

ピラミッドの上から下へは「なぜそうなるのか?」と言う「理由」で繋がる必要があります。

その為、「Why?(なぜ?)」にも着目し、正しい論理構成になっているかチェックを行いましょう。

5.ピラミッドストラクチャーを意識した文章例

では、ピラミッドストラクチャーを意識した文章を書いてみます。

副業をしたい中学生が、両親に向けて書いたプレゼンの文章だと思って読んで下さい。

ビジネスを取り巻く環境は昔とは異なっており、子供の頃からビジネスリテラシーを学ぶ必要、つまり、中学生でもビジネスをやるべき必要があります。

その理由は3つです。

■ 優秀な外国人ビジネスパーソンの存在
外国のビジネスパーソンは子供の頃からビジネス教育を受けています。学校でビジネスに必要な教育を受けたり、実際に物販ビジネスを行ったり。

このように外国では子供の時からビジネスリテラシーを鍛える環境があるのですが、日本の教育にはその場がありません。

今後グローバル化がますます進めば、ライバルとなるのは彼らのような存在ですが、現時点で日本人は彼らに大きく差を付けられているのです。

■ 会社を取り巻く環境の変化
経団連会長の「今後も終身雇用制を維持するのは難しい」と言う発言もあり、さらに非正規雇用の割合も増えています。

また、日本企業の国際競争力も低下しており、日本企業であってもM&A等で、外国企業の傘下になる事も十分考えられます。

つまり、どんなに仕事で結果を残したとしても、会社の方針の変更で解雇される可能性も十分にあります。

そのような状況になったとしても、直ぐに別の会社に就職できる等のスキルを早い内から身に付ける必要があります。

■ 生涯に渡り「お金を稼ぐ力」が必要になってくる。
「日本人の平均年収は20年前と比べ減少し、今後も大幅な増加は見込めないでしょう。

また、日本は自然災害が多く、災害によって収入がストップする事もあります。

さらに、日本人の人口は減少傾向にあり、将来もらえる年金額も減少する可能性もあります。

一方、日本人の平均寿命が長くなっている事を考慮すると、いつどんな状況でも稼ぐ力を身に付ける事は必須と言えます。

このように根拠における「枠組み」と「So What?」「Why?」のつながりがしっかりとしているピラミッドストラクチャーを意識していれば、論理的で相手も納得できる文章が書けたり話しを行う事が出来るのです。

6.でも、論理だけでは感情は動かせない

実は、「論理的に正しい主張すれば全てOK」と言う訳ではありません。

上記のプレゼンを受けた両親は、きっとこう思うでしょう。

「お前の言っている事は正しい。しかし、学生の本文はあくまで勉強だ。学校の成績が悪くなったらどうするんだ?」

このように、人はどんなに論理が正しくても心(感情)が動かない事があります。

本当に人に動いて欲しいのであれば、その「感情」の問題も考える必要があるのです。

上記の例で言えば、両親の一番の心配事は「勉強」の事ですので、事前に下記のようなルールを提示してあげれば良いのです。

  • ビジネス活動は1日2時間までとする。
  • 中間テストや期末テストの成績が、前回のテストより〇%低下したら1ヶ月間ビジネス活動を停止する。

このように、しっかりとした論理展開を行い、かつ感情の問題にも配慮すれば、両親も「No」とは言えないでしょう。

むしろ「ウチの子はこんなにしっかりしているのか・・・。」と感心されるかも知れませんね。

7.まとめ

ピラミッドストラクチャーは簡単そうに見えますが、実は使いこなすにはコツが必要になりますので、普段の仕事から積極的に活用し、使いこなせるようにしましょう。

そうすれば、「雰囲気だけの起業家」ではなく、「しっかりと中身のある起業家」になる事ができます。

【お気軽にお問い合わせ下さい】
起業やパーソナルブランディングに関する提供中サービスはこちら。

甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

関連記事

特集記事

甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

「表現力」で営業力アップ

パーソナル・ブランディング

人気の記事

  1. 1

    一人会社の場合はどうなる?取締役と会社の「利益相反取引」とは?

  2. 2

    違法じゃなければOKでしょ?が通用しない理由

  3. 3

    水を1万円で売る?商品・サービスの価値の作り方とは?

  4. 4

    トラブル防止!コンサルティング契約書の作成のポイント・ひな形

  5. 5

    コンサル契約で「いかなる理由でも返金しない」条項があったら要注意!

最近の記事

  1. 今こそ営業マンは「脱」営業マン化すべき

  2. 演劇のセリフを喋るレッスンはビジネスの営業面でも活用できる

  3. AI時代を生き抜く営業力は「コミュニケーション力」と「共感力」です

  4. 演劇・演技レッスンがビジネスで注目されている理由とは?

  5. 異業種交流会で仕事を取るマル秘テクニック、教えます。

TOP