「〇〇社長」とアピールする前に、あなたは社長の責任を知ってますか?

ビジネスマインド・ビジネス一般

こんにちは。甲斐です。

Twitterのアカウント名に「〇〇社長」って入れている人をチラホラと見かけるのですが、今流行っているのでしょうか?

まぁ、会社の社長であれば別に「社長」って名乗って別に良いのですが、それでも「〇〇社長」を必要以上にアピールするのは違和感を感じてしまいます。

あ、ちなみに実際には株式会社を作っていないにも関わらず「株式会社」を名乗った場合、刑事罰があります。

話を元に戻します。

この「違和感」の正体、分かる人には分かるのですが、良くあるキャラクター先行型で、実際のスキルやノウハウは空っぽだからアピールする事は「〇〇社長」しかないんですね。

そもそも、社長の責任について真面目に考えているのでしょうか?

そこで今回は、「社長」の(法律上の)責任についてお話ししたいと思います。

1.社長、(代表)取締役の責任とは? 会社法編

会社の社長、つまり(代表)取締役と言うのは会社法と言う法律にその根拠があります。

「会社」の定義は会社法で規定されており、株式会社の事を指します(それ以外に合名会社、合資会社、合同会社も会社に該当します)。

そして「社長」ですが、実は会社法には社長と言う言葉は出てこず、会社を代表して業務執行を行うのは「(代表)取締役」とされています。

つまり、社長=(代表)取締役と理解していれば取り敢えずOKです。

では、その取締役の責任ですが、大きく分けて株主に対する責任と、会社債権者に対する責任があります。

これがあくまで法律所の建前ですが、何か抜け落ちている点があると思いませんか?

そう、会社法では従業員に対する責任に関する規定が無いんですね。

じゃあ、社長は従業員に対して一切責任を負わないのか?

当然、そんな事はありません。

他の法律では、しっかりと従業員に対する責任が定められています。

2.従業員に対する責任 民法・労働基準法

民法は法律の中では基本中の基本の法律で、私人や法人どうしのルールを定めた法律です。

民法では社長と従業員のルールについては、主に第8節の「雇用」(第623条~第631条)に定められています。

ただし、民法はあくまで使用者(社長)と従業員は同等と言う前提で作られているのですが、実際は従業員は弱い立場にあります。

その為、民法の原則を修正する為に「労働基準法」があります。

労働基準法は条文が100条以上ありますが、かなりの割合で使用者(社長)が従業員に負うべき義務が規定されています。

(賃金をちゃんと払えとか、信条や社会的身分を理由として労働条件を差別するなとか、従業員の意思に反して労働を強制させるな等)

このように社長と言うのは、株主にも債権者にも従業員にも、全方向で様々な責任を負う立場にあるのです。

3.Twitterで良くいる「〇〇社長」はどうか?

さて、Twitterで良くいる「〇〇社長」を名乗っている人達に注目してみましょう。

もう一度言いますが、本当に社長であれば「社長」と名乗っても全然良いのです。

ただ、キャラクター先行型の人を良く見てみると、、株主は社長一人のようだし、従業員もいなさそう。

取引規模も少なく会社債権者と呼ばれる人達もほとんどいない。

ようするに、責任のレベルが低いんですよね。

さらに事業内容が良く分からなかったり、商品やサービスが低品質な事もある。

そこまでして「〇〇社長」と言う肩書を得たいですか?

そもそも「社長」って、他人から呼ばれる肩書きであって、自分から積極的にアピールするものではないんです。

法律上、社長には様々な責任があるにも関わらず、そこには目を向けずに肩書きだけを手に入れる。

「〇〇社長」と名乗るのは、ポジショニングではなく、単なるアピールに過ぎないのです。

4.まとめ

今回の内容は単なる私の意見ですし、「社長が社長が社長と名乗って何が悪い!」と言う反論もあるでしょう。

でも、考えてほしいのが、従業員を何人も雇用して、株主にも会社債権者にも従業員にも責任を持った接し方をしている人が「社長アピール」をしてイキっているでしょうか?

これらの本当の社長から見れば、実態が良く分からない、何をやっているのかサッパリ分からない「〇〇社長」は滑稽な存在に見えるハズです。

不必要に「社長」である事をアピールしてキャラを立てなくても、しっかりと中身がある商品やサービスを提供できれば、自然に人は集まってきます。

キャラクターで「社長」を作るのではなく、まずはそこを目指すべきでしょう。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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