こんにちは。甲斐です。
今回はご自分の商品・サービスに関して値段の付け方を悩まれている方向けのプライシング(値付け)の考え方をお話したいと思います。
私は色々な会社から営業を受ける機会が良くあります。
Webやseoに関するIT系コンサルから電柱の広告、法律相談の企画・運営・・・etc。
商材は様々で、良い商品なのかも知れないけど、「それ、高すぎない?」と言うモノが結構ありました。
この間、某異業種交流会で初めて会った方がその場で「誰でもM&A仲介業務が出来る講座」と言う6ヶ月の講座を500万円でどうか?と私に営業してきました。
出会って30分で500万円の商品の営業をされました(笑)1ヶ月で約84万円です。
ぶっちゃけ、高いですよね?
この金額は売る側としては妥当だと考えていると思うのですが、ビジネスを行う上で果たしてこのような金額設定をドンドンすべきなのでしょうか?
この点を考えていきましょう。
1.唯一無二の商品でも高すぎてはダメ
商品・サービスの値段をどうやって付ければ良いのか?と言う点は様々な議論があります。
同業他社が同じような物を売っていれば、その相場を調べて参考にする方法もあるでしょう。
薄利多売でガンガンと数をこなすのも一つの方法です(あまりお勧めしませんが)
ただ、最近の(スモール)ビジネスは「いかにして高額商品を作って販売するか?」と言う流れになっています。
その為、高額商品であっても顧客に価値をもたらすのであれば問題ないと思います(ただの石ころをダイヤモンドのごとく売るのは当然問題があります)。
実際、上記で出てきたM&A仲介は非常に高度な仕事であり、その報酬は数千万円と言う高額になります。
さらにこの講座は唯一無二の商品で誰も取り扱っていない。だから競合他社との比較が出来ない(比較する事が無意味だ)。だから500万円なんて安いでしょ?
と言うのが彼の理屈です。
確かに、彼の話しは非常に論理的ですよね。では、もしあなたがこの講座を営業されたら購入しますか?
潤沢な資金があれば別ですが、多分、買わないと思います。
なぜなら、唯一無二の商品であっても高すぎるからです。
2.適切なプライシングとは?
先程お話した通り、最近の起業・ビジネス系コンサルの動きを見ていますと、とにかく「高額商材を作る事」に拘っているように思えます。
フロントエンド50万円、バックエンド数百万円なんて商材が結構ありますので。
無形商材のプライシングは様々な論点がありますが、良く言われているのが、
「その商材を購入する事によって、顧客がどの程度利益を得る事ができるのか?」
ですね。
この考え方で言えば上記の500万円は妥当に思えるかも知れませんが、もう一つ別の視点も必要でしょう。
それは、同業他社のサービスとの比較し、プライシング能力を身に着ける事です。
どんなに唯一無二のサービスであっても、似たようなサービスを展開し、実績をきちんと出している同業他社は存在します。
例えば、起業・ビジネス系の講座であれば、世界的に有名な経営コンサル・大前研一氏が設立したアタッカーズ・ビジネス・スクール(ABS)と言うのがあります。

ABSは設立20周年で数々の起業家を輩出している実績があります。
クラウドワークスの社長とか弁護士ドットコムの社長は実はABSの出身です。ちなみに、13名の卒業生が上場を果たしています。
この数多くの実績があるビジネススクールの、起業のための実践講座が実は6ヶ月で30万円なんですよね(1ヶ月だと5万円)
起業・ビジネス系の商材を取り扱っている方はこのABSを参考にすると良いと思います。
もし、あなたが起業・ビジネス系コンサルをしていて、毎月のコンサルティング料がABSより高い場合、
「私はABS(競合他社)以上の価値を本当に顧客にもたらしているのか?」
と自問自答する事が、適切なプライシングとより有益な商品を開発する事に繋がると思います。
「自分の取り扱っている商品は唯一無二の商品なのだから、高い金額設定をしても何も問題はない!」
と思うのは自由ですが、その商品に価値が無ければ単なるボッタクリです。「唯一無二だから」と言い訳せず、競合他社の動きもしっかりと抑える必要があるでしょう。
3.まとめ
適切なプライシング能力を身に着ける事は、自分が商品・サービスを買う側に立った場合にも役に立ちます。
見た目や耳障りの良い言葉に騙される事なく、本物を見抜く目を養う事に繋がりますし、それは適切なマーケティング能力を身に着ける事にもなります。
高額商品を売る為の商品・サービスの魅力を伝えるテクニックを身に着けるのも良いですが、適切なプライシング能力も身に着けるようにしましょう。
それが結局、顧客との信頼関係に繋がるわけですから。