コンサル契約で「いかなる理由でも返金しない」条項があったら要注意!

契約書

こんにちは。司法書士の甲斐です。

仕事柄、契約書のチェック(リーガルチェック)を行う事があります。

特に最近は起業・副業コンサルや集客・ブランディングコンサルが増えている事もあり、コンサルティング契約書のリーガルチェックを行う事が増えています。

そこで最近気が付いた契約書の注意点がありまして、いかなる理由があっても返金に応じない」と言う趣旨の文言が、どのコンサル契約書にもほぼ必ず入っているんですね。

これはコンサルタントにとって非常に有利な条項なのですが、この条項の意味をしっかりと理解せずに契約して、後から後悔する起業家が続発しています。

そこで今回はコンサルティング契約を締結する際に注意すべき「返金しない」旨の条項についての注意点をお話ししたいと思います。

1.「いかなる事由でも返金しない」条項の問題点

コンサルティングは必ず成果や結果が出るものではありません。その為、コンサルタント側としては後々のトラブル防止策として、「いかなる事由があっても返金しない」趣旨の条項を契約書に入れる事があります。

コンサルタントとしては「成果が出ないじゃないか!」と言ったクレーマー気質のクライアントとのトラブルを未然に防止する為の目的があり、いわゆる「BtoB」のコンサルティング契約書には良く入っている条項です。

事業者として契約するのであれば十分検討して契約を締結するはずですし、このような条項の存在を知って契約するのであれば、そもそも自己責任ですので、クライアントの都合で後から契約を解除する事も返金を求める事が出来ないのが原則です。

その為、BtoBの契約の場合、特に問題にならないと思われがちですが、実はとある問題があります。それば、「コンサルタント側に問題があり契約が解除されたとしても、返金を求める事ができないのか?」と言う点です。

2.コンサルタントの問題で契約が解除されても、返金を請求できないのか?

例えば、コンサルタント側が契約に定めた内容のコンサルティングを行わなかったり、あまりにも低品質だった場合です。このような事があれば当然契約違反ですので、債務不履行としてコンサルティング契約を解除する事が出来る可能性があります。

では、このようなBtoBの契約で、コンサルタント側の問題により契約が解除されたとしても、「いかなる事由があっても返金しない」条項があれば、返金を請求する事が出来ないのでしょうか?

正解は・・・「分かりません!

「なんじゃそりゃ??」と思われるかも知れませんが、ハッキリした事が言えないのです。

一応、民法第1条や民法第90条と言った一般条項を根拠として、返金を請求できる余地はあるかも知れません。

(基本原則)
第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3 権利の濫用は、これを許さない。

(公序良俗)
第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

民法 | e-Gov法令検索

ただし、これらは裁判になった場合、認められる確率が非常に低いんです。

例えるならば、相手がミサイルや近代兵器で戦っているのに対し、こちら徒手空拳で戦っているような感じです。つまり「非常に不利」なんですね。

「一切返金に応じない」と言う条項の趣旨は、クライアント側の一方的な都合により契約が解除された場合の、コンサルタント側の防御策の意味合いがあり、コンサルタント側に問題がある場合でもこの条項を認めるのは不合理な気がしますが、現実は非常に厳しいのです。

3.「一切、返金に応じない」条項への対応策

これは事前のリーガルチェックで対策するしかないです。例えば、条項を下記のように変更してもらうようにします。

支払い済みの報酬は原則、一切返金しない。但し、甲(注:コンサルタント側)の債務不履行その他甲の帰責事由により本契約が解除された場合は、この限りではない。

このような但し書きを入れている事で、コンサルタント側の問題による契約解除の場合、返金を求める根拠とする事ができます。

4.まとめ

最近、事業者間の契約を非常に「舐めている」方が多すぎるように思えます。

「契約書の文言は難しいし、何とかなるでしょ。相手は悪い人じゃないし」と言う甘い考えでテキトーに契約した結果、大トラブルになって初めて事の重大性を知る。

厳しい言い方をしますが、そのような姿勢は起業家失格です。

会社員とは異なり、自分を守るのはあくまで自分です。甘い考えは捨てて、契約について真剣に向き合うようにしましょう。

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