こんにちは、甲斐です。
コンサルタントはお客さんの問題解決を行う為に存在していますが、その手法は様々あります。
有名なのは論理的思考(ロジカル・シンキング)ですね。コンサルタント=論理的思考と言っても良いほど両者は切っても切れない関係性にあります。
ただ、最近は論理的思考だけでは問題解決の限界を生じて、様々な「〇〇思考」が提唱されています。
その代表格が今回お話する「デザイン思考」「アート思考」です。
例え「デザイン思考」「アート思考」を使わなくても、お客さんの問題解決を行うコンサルティングを行うのであれば知っておいて損はありません。
問題解決の視点の幅が広がりますので。
今回は「論理的思考」「デザイン思考」「アート思考」のそれぞれの特徴や違いを簡単にお話したいと思います。
1.論理的思考(ロジカル・シンキング)
これはもう説明不要ですね。
物事を筋道立てて考え結論を出すのが論理的思考であり、他人に対して何かを説明するのに非常に有益な手法です。
特徴としては「分解」が挙げられます。
例えば「売上が上がらない」と言う事象に対して、そのまま考えても大きすぎるので「売上」を構成している要素に分解してどこに問題があるのかを考えます。
「売上=新規顧客数×客単価×購買頻度」と分解すれば、どこを改善すれば良いかが分かりやすくなるでしょう。
論理的思考は問題解決の基本中の基本ですが、今までの成功体験が通用しない複雑系の現代社会において、その限界が指摘されるようになりました。
その為、注目されるようになったのが次の「デザイン思考」です。
2.デザイン思考
デザイン思考はデザイナーがクライアントの問題解決を行う為のデザインを作成する際の思考プロセスを問題解決に応用したものです。
論理的思考が顕在化している問題を分解して分かるようにするのに対し、デザイン思考はまだはっきりと分からない潜在化した問題を見える化する、見て分からないものを見つける手法です。
代表的なツールとして「エスノグラフィ」と言うのがあります。
簡単に言うと観察対象者の生活に密着して隠れたニーズを発見しようとするものでときにはベッドルームまで押しかける事があるとかないとか・・・。
論理的思考が頭の中で考えるのに対し、デザイン思考は実際に手や足を動かすとイメージすれば分かりやすいかも知れませんね。
ただデザイン思考にも限界があり、それは「観察する対象」が必要になってくると言う点です。
つまり、「誰に」どんな価値を提供するのかがまったく分からない状態では、デザイン思考は上手く機能しないのです。
3.アート思考
論理的思考、アート思考にはそれぞれ限界があり、その為、昨今注目されているのが「アート思考」です。
ただ、このアート思考は新しい概念であり未成熟な為、しっかりとした定義がまだない状態です。
一応の考え方としては、アーティストが作品を創作する上での思考プロセスを問題解決に応用しようとする取り組みです。
具体的には
・「自分だけのモノの見方」で世界をみつめ
・「自分だけの感覚」で世界を感じて
・「自分なりの答え」を生み出し
・それによって「新たな問い」を生み出す
と言う思考方法です。
このアート思考が注目されるようになった理由がまさに「自分なりの答え」と言う部分です。
物やサービスが行き届いた現代社会では人のニーズは同じではなく多様性があります。その中で競合他社と同じような商品・サービスを提供しても、消費者からは見向きもされません。
その点を踏まえ、「他人と違う事にこそ価値がある」と言う視点に立ち、「自分なりの答え」を導き出す働きかけがアート思考です。
アート思考は未成熟であり、限界も当然ありますが、絶対的な答えがない現代社会において求められる「自分なりの答え」を導き出す為には最適な思考法でしょう。
4.まとめ
このように現代社会では様々な「◯◯思考」がありますが、大切なのは実践する事。
何でもそうですが、どんなに素晴らしい手法でも、本を読んだりセミナーを受けたりして勉強しただけでは意味はありません。
学んだ事をしっかりとアウトプットする事で、自分の血となり肉となるのです。その事は忘れないようにしましょう。