リストラは簡単にできない。従業員を雇うときは「人の人生を背負う」覚悟を

ビジネス法務一般

こんにちは。甲斐です。

今回はちょっと前に話題になった、ビジネス系インフルエンサー、マコなり社長の整理解雇(リストラ)のお話です。

元々はニュースになっていたネタなのですが、簡単に言うとマコなり社長と言うビジネス系インフルエンサーが経営している会社の状況が非常によろしくなく、いつ倒産するか分からない状況となってる、と言うお話です。

その為、何百人も希望退職者を募ったり、整理解雇を行っているのですが、マコナリ社長が喋っているとある動画の中で従業員に対する謝罪もなく、逆に

・「会社を選んだのは従業員自身」
・「経営陣を責めても意味はない」

と言った、「逆に自分は悪くない」的な発言をしていて大炎上している、と言う状況です。

会社と言うのは良いときも悪いときもあり、経営が悪化した場合リストラと言う選択肢も取らざるをえない状況になる事もあるでしょう。

それでも、社長として最低限やるべき事がありますので、

「従業員を雇って会社を大きくしたい!」

と夢見る若手起業家に向けて、その辺りのお話をしたいと思います。

1.リストラ(整理解雇)は簡単にはできない

従業員側に非がある通常の解雇とは異なり、リストラは基本的に従業員側に非はなく、社長や経営陣側の判断ミスにより経営が悪化して行われるものです。

簡単に言うと、社長や経営陣が悪いのです。

その為、リストラができる要件は法律上(判例上)厳しく定められています。

・リストラで人員削減の必要性がある。
・リストラ回避の努力を行った。
・リストラする人員の選び方が合理的である。
・リストラの手続きが社会的に相当である。

ざっくり言うと以上の4つの要件が全て満たされる必要があります。

詳しくは色々な判例があるのですが、上記の4つの要件を全てクリアーする必要がありますので、

「リストラはそう簡単には出来ない」

と思って頂ければ良いと思います。

なお法律上、リストラ含む他の解雇もやりにくのですが、この点「法律が悪い」「雇用の流動性が・・・」と主張する社長がいます。

ただ、通常の解雇がしやすくなってしまえば当然整理解雇であるリストラもバンバンできるようになるでしょう。

「経営陣は責任を取らないのに、そのツケは従業員が支払う事になる」と言う状況はやはりおかしいと思います。

2.人の人生を背負う覚悟がなければ、人を雇ってはいけない。

リストラを行わなければいけなくなった原因は基本的に経営陣にあります。

起業したい人の中には自分の会社を大きくして従業員を沢山増やしたいと言う人もいると思います。

ただ、判断ミスで会社経営が傾いた場合、実際にその責任を負わされるのは従業員です。

従業員側に非がある通常の解雇とは異なり、リストラであれば従業員側の精神的なダメージも大きいかも知れません。

場合によっては従業員の人生をメチャクチャにしてしまう可能性もあるでしょう。

それなのに今回のマコなり社長のように

・「会社を選んだのは従業員自身」
・「経営陣を責めても意味はない」

と言うのは筋が通らないでしょう。

元々社長や経営陣(取締役)と言うのは、法律上様々な義務があります。

権利ばかり目を向けて、社長としての責任・義務に目を向けないのは社長失格ですし、普通は株主から解任請求されてもおかしくは無いんです。

また、そんな自分勝手な経営者であればまともな取引先は去っていきますし、「怪しい人達」に食い物にされる可能性もあるでしょう。

良く、従業員の事を下に見る、従業員の事を自分のおもちゃと思っている社長がいますが、そのような「社長の責任の本質」を理解していない人間は、社長になるべきでは無いと思います。

3.まとめ

最近は起業が簡単になりましたが、従業員を雇うのであれば「人の人生を背負う」覚悟が必要です。

経営が悪化してリストラをするのであれば、まずはその原因を作った経営陣が責任をとるべきです。

これ、当たり前なんですが、そう当たり前の事について認識が甘い人が、若い起業家の人で多いのが非常に気がかりです。

あなたは、成功者の「キラキラ」した部分にしか目がいかない人間ですか?

それとも従業員の人生を背負う覚悟がある人間ですか?

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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