報酬未払いは必ず起こる!フリーランスが報酬トラブルを解決する方法とは?

法律知識一般

こんにちは。司法書士の甲斐(@tomoya_kai)です。

ネット検索で簡単に出てくる、フリーランスの2大悩みは「集客と法律」です。

法律と言うのはクライアントとの報酬トラブルがメインなのですが、実際に報酬未払いの経験がある方はどれくらいると思いますか?

とある調査によりますと、約7割の方が何らかの報酬トラブルを経験され、4割の方が泣き寝入りをされたようです。

フリーランスの報酬トラブル「未払いを回収できずに泣き寝入り」を回避する3つの自衛策(マネーの達人) - Yahoo!ニュース
内閣府が2019年7月に公表したデータによると、フリーランスの人口は341万人程度にのぼっているとのことです。 もはやひとつの働き方として一般化しつつあるフリーランスですが、働き方の自由度が高い分

7割と言う数字は衝撃的であり、「フリーランスは報酬トラブルが必ず起こる!」と考えた方が良いでしょう。

その理由は様々あるのですが、大きいのが「フリーランスは舐められている」と言う点でしょう。

「どうせ、法的対処なんてしてこないでしょ?」

と言った感じです。

報酬のトラブルは何よりも精神をゴリゴリとすり減らし、他の仕事にも支障をきたします。

高確率で発生するのであれば事前対策を行うのが必須、つまり「舐められないフリーランス」になる事を目的とすべきです。

今回は実際に報酬トラブルを未然に防ぐ方法と、実際に報酬トラブルになった場合の解決方法をお話します。

是非下記の内容を活用して頂き、「クライアントから舐められないフリーランス」を目指しましょう。

1.フリーランスが報酬トラブルに巻き込まれない為の防衛

① まずは相手の事を徹底調査

取引相手が個人事業主であれ企業であれ、必ず行うべきなのが相手の調査です。

実はこれをおろそかにしている方が非常に多く、「そりゃトラブルになるのは当たり前だよね」と言うのが私の感想です。

性格や職業、年収等をまったく知らない相手と結婚する人は、まずいませんよね?

ビジネスもそれと同じです。

可能な限り、相手に関する情報を入手する事が取り引きの第一歩となります。

情報の入手方法ですが、昨今はビジネスを行っているのあれば、何らかの情報発信を行っているのが当たり前です。

ホームページやブログ、SNS等で相手の基本的な情報は簡単に入手する事が出来ますし、場合よっては取引先に関する情報も手に入れる事が出来ます。

取引先に関する情報は後々重要になってきますので、是非おさえましょう。

Googleストリートビューで周りの環境や建物の外観を見るだけでも「資金に問題がないか?」と言った内容が把握できる可能性があります。

(相手の所在地がボロボロのアパートだった場合、とても儲かっているとは思いませんよね?)

また100%正しいとは限りませんが、相手の名前でインターネット検索すると評判も出てきます。

これらのツールを徹底的に駆使して、「相手がどう言った存在なのか?」を丸裸にするのです。

② 契約や取引に関する証拠は必ず残す

これも当たり前ですね。

契約は口頭で成立しますが、後からトラブルになった場合に証拠がなければ裁判で勝つ事はほぼ無理でしょう。

証拠の代表格が「契約書」ですが、クライアントとの力関係から契約書が作れない事もあるはずです。

では証拠を作るのを諦めるしかないのか?と言えば、けっしてそのような事はありません。

契約書以外のモノでも、十分証拠となる場合があるからです。

例えばメールのやり取りも契約が成立した証拠となりえます。

ただし、注意点があります。

それは、「契約の内容について、双方の意思表示が合致している事」がメール上で表現されている必要がある、と言う点です。

例えば、あなたが依頼された仕事の内容について「報酬は〇〇万円です。よろしいですか?」と言う内容のメールを送り、相手から「その金額で大丈夫です。」と言う返答があって、初めて報酬の金額について合意があった証拠となるのです。

契約書が無い場合、この「意思表示の合致」は常に意識するようにしましょう。

具体的には下記のページで解説していますのでご確認下さい。

証拠が無くても諦めない!契約書が無くても報酬未払いトラブルを防ぐ方法
事業者間で取り引きを行う場合、契約書の作成が重要になってくるのですが、とは言え、当事者間の力関係等によっては「契約書なんて作れないよ!」と言うケースもあるでしょう。特にフリーランスは立場が非常に弱いケースがあり、契約書を作れない事もある...

2.もしも報酬未払いになってしまったら

上記のような対策を行っても、報酬トラブルを完全にゼロにする事は出来ません。

不幸にも報酬トラブルになった場合、迅速に対応を行うようにしましょう。

① 内容証明郵便を出す

電話やメール等で催促しても一向に応じてくれない場合、最終的には訴訟を行う事を検討する必要があります。

その前の段階で、内容証明郵便を配達証明付きで送付します。

内容証明郵便は「いつ・誰に・どんな内容の」郵便物を送付したのかを郵便局が証明してくれる制度です。

配達証明は、郵便物について、あいてが「いつ」受領したのかについて、郵便局が同様に証明してくれる制度です。

内容証明郵便も配達証明も法的に言えばただの「証拠」ですが、受け取った相手にある程度のプレッシャーを与える事ができ、場合によっては任意に支払われる事があります。

サイトによっては「配達証明は必要ない」と解説しているケースがありますが、「いつ相手に届いたか」を証拠として残す必要がある為、必ず配達証明を付けるようにして下さい。

【内容証明郵便の文例】

通  知  書

横浜市西区横浜町12345番地
株式会社デフォルトカンパニー
代表取締役 鈴 木 一 郎 殿

東京都町田市町田北南一丁目2番3号
山 田 太 郎 
TEL  042-123-45〇〇
FAX  042-123-45〇〇

令和2年8月3日

冠省

貴殿と私は令和2年4月12日,貴殿が行うセミナーのイメージポスター制作に関する請負契約を締結し、私は同年5月10日,本請負契約におけるイメージポスターのデータを完成させ,電子メールを利用する方法にて,貴殿に引き渡しました。しかし、貴殿は私に対して、上記請負契約の報酬の一部である金10万円を支払っていません。

つきましては貴殿に対して,未払いになっている報酬金10万円を,本書面到着後10日以内に下記の振込先にお振り込み頂きますよう請求致します。

なお,指定期限までに入金の確認ができない場合,法的手続きをとらさせていただく事を、念の為申し添えます。

振込先
東京中央銀行 丸の内支店
普通預金口座 1234567
口座名義  山田太郎(ヤマダタロウ)

                 以上

② 裁判手続きの選択

内容証明郵便を送付しても相手が任意に支払わない場合、裁判手続きを行います。

一口に裁判手続きと言っても通常訴訟以外にも少額訴訟や支払督促と言った方法がありますので、それぞれのメリット・デメリットを検討し、どの手続きを行うのかを決めましょう。

少額訴訟・支払督促については下記のページをご覧下さい。

未払報酬を回収!フリーランスが知っておくべき支払督促と少額訴訟
フリーランスを悩ます大きな問題、それは報酬に関する事ですね。この記事を読まれているあなたも、報酬に関するトラブルに巻き込まれた事があるかも知れませんね。クライアントが報酬を支払ってくれない場合、最終的には裁判を行う必要があります...

③ 訴状を作成し、訴えを提起する

少額訴訟や通常訴訟を行う場合、訴状を作成する必要があります。

訴状やその他必要書類を用意し、管轄の裁判所に提出する事で裁判手続きがスタートします。

具体的な訴状の書き方は、下記のページをご覧下さい。

報酬未払いについて、自分で裁判を行う時の訴状の書き方とは?
フリーランスが報酬未払い等のトラブルに巻き込まれた場合、最終的には裁判を行う事を検討するでしょう。しかしこの裁判、初めてやる人にとってみれば「本人訴訟」に関する書籍で勉強する必要があり、手間と時間がかかってしまいます。そして、最大の難...

3.「口うるさい」フリーランスになれ!

クライアントと報酬トラブルになった場合、クライアント、つまり債務者の心理状態として、「うるさい債権者から支払う」と言うのがあります。

何度も何度も連絡したり、催促がきびしい債権者ですね。

その為、あなたもこの「うるさい債権者」になれば良いのです。

とは言え、「とにかく支払え!」と言うだけの債権者は、実はうるさくとも何とも無いんですね。

そこで、上記の「相手の調査」と「契約内容の証拠を残す」事が生きてくるのです。

この状態でどんなに相手が「裁判やっても手間と時間とお金がかかるだけだからムダだよ」と言ってきても、こんな感じで切り替えす事ができます。

・そもそも、証拠は完全に揃っているので、裁判の期日は1回で済む事が予想される。手間も時間も費用もかからない。
・クライアントの取引先は把握しているので、いざとなれば取引先に対する債権を差押える事ができる。
このように、債務者であるクライアントから見れば「逃げたらデメリットだらけ」と言う事を何度も伝える事で、初めてあなたはクライアントにとって「うるさい債権者」となる事が出来るのです。

4.まとめ

  • 相手の調査は徹底的に。特に取引先企業は最優先で把握する事。
  • 契約書が作れなくても諦めない。意思表示が合致した事を記録に残す。
  • いざとなったら、明確な根拠がある「うるさい債権者」になる。

以上の3つ押さえ、泣き寝入りをしない、舐められないフリーランスになりましょう!

でも具体的にどうすれば良いのか?

自分の調査のやり方や証拠の残し方は本当にあっているのか?

そのようにお悩みの方はお気軽にご連絡下さい(TwitterのDMでも大丈夫です)。

裁判になった場合に確実に勝てるような考え方を、バシバシ伝授します。

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