取締役になれない人とは?(取締役の欠格事由)

法律知識一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

株式会社を設立する際、取締役の設置は絶対必要になってきます。

取締役会を設置しなければ1名以上、取締役会を設置する場合は3名以上必要になってくるのですが、実は法律上、「取締役になれない人」と言うのが規定されています。

仮に取締役になれないのに取締役に選定していまい会社設立が完了した場合、その会社設立は最悪「無効」になる事もあります。

でも「取締役になれない人」とは具体的にどんな人なのか?

このページで分かりやすく解説していきたいと思います。

1.取締役になれない人(欠格事由)

取締役になれない人については、会社法331条に規定されていて、下記の通りです。

① 成年被後見人、被保佐人

意思能力を欠いて家庭裁判所により成年被後見人、被保佐人の審判が開始された人です。

取締役は経営について高度な判断能力が必要になってきます。

その為、「成年被後見人、被保佐人では取締役の仕事は難しい」と法律が判断しているのです。

「被補助人」は取締役の欠格事由になっていません。しかし、経営判断と言う視点から、被保佐人を取締役にするのは避けた方が良いでしょう。

② 法人

法人は発起人(会社を作る人)にはなれますが、取締役になる事はできません。

取締役は実際に意思決定や何らかの行動を行う必要があります。

その為、法律上存在はするけどその実体は見えない法人より、実際に目で見て確認できる人間(自然人)が取締役として適切である、と言う事です。

③ 会社法・一般社団法人法等に定められている一定の罪を犯して、刑の執行等が終わってから、又はその執行を受けることがなくなった日から2年経過していない人

会社法、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律、金融商品取引法、民事再生法、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律、会社更生法、破産法に規定された一定の罪を犯し、一定の期間を経過していない者は、取締役になる事は出来ません。

取締役は会社に対する忠実義務や善管注意義務等、様々な義務を負っています。

上記のような罪を犯した者は、すぐに取締役の職に就くのは不適切と言う事でしょう。

④ 上記③の法律以外の罪を犯して、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者

上記③と同じ趣旨です。

2.許認可にも取締役の欠格事由はある

設立しようとする会社が許認可が必要な事業を行う場合、その許認可にも取締役の欠格事由がある場合があります。

例えば、建設業であれば、

『禁固以上の刑に処せられた場合で、刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から、5年を経過しない者』

と言う取締役の欠格事由があります。

取得されたい許認可について、取締役の欠格事由がないかも必ず確認するようにして下さい。

3.社外取締役を選ぶ場合には慎重に

最近「社外取締役」と言う言葉が話題になっています。

最近では女優の酒井美紀さんが、「ミルキー」でお馴染み、不二家の社外取締役に就任することが発表されました。

このように、最近の企業は社外取締役の活用を積極的に行っています。

なお、取締役会を置いて特別取締役を置く場合や、委員会設置会社という特殊な形態の会社にする場合、社外取締役を置く必要があります。

社外取締役も取締役である為、当然上記の欠格事由に該当しない事が求められるのですが、さらに会社法2条15号に定められた要件をクリアーする必要があります。

その為、社外取締役の活用を検討する場、その経歴や親族関係について慎重に調査する必要があります。

4.まとめ

会社設立時や役員変更時は「取締役の欠格事由に該当しない事」に関する書面の添付は求められていません。

法務局側もその都度、就任する取締役が欠格事由に該当しないか?と言うチェックを行わない為、役員の変更登記がそのまま完了する可能性が高いでしょう。

しかし、何かのタイミングで実は欠格事由に該当した事が分かった場合、それまでの取引先等との法的関係性が根底から覆る可能性もありますし、そもそも信用問題にも発展します。

就任する取締役について、欠格事由に該当しないかは出来る限り調査した方が良いでしょう。

この記事の執筆者(文責)
司法書士 甲斐智也

起業支援と商品・サービスのコンサル化のお手伝いもする司法書士|マーケティング思考でコンセプトをしっかりと考えた会社設立します|2級FP技能士|たまに心理カウンセラー|某球団マスコットの中の人の経験あり

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