契約書の究極の目的は、企業の未来を「デザイン(設計)」する事

契約書

こんにちは。甲斐です。

企業間の取引において契約書を作成する目的は、当ブログやTwitter、メルマガでも何度もお伝えしていますが、

・法的トラブルを未然に防ぐ事。
・万が一、法的トラブルになっても裁判で確実に勝てるようにする事。

です。

では、この先にある、契約書を作成する「究極の目的」って何だか分かりますか?

この答えを出す為には、BtoBにおける「契約」の目的を考える必要があります。

契約「書」ではなく、「契約」です。

契約の目的は、企業間の取り引きの内容を明確にする事ですが、では、なぜ企業はそもそも他の企業と取り引きをするのでしょうか?

ここに「契約書を作成する究極の目的」のヒントがあるのです。

1.企業理念と他の企業と取り引きをする目的

企業には必ず「企業理念」が存在します。

企業理念とは、その会社が最も大切にする基本的な考え方で、企業の存在意義そのものです。

  • 「なぜ、この会社が存在するのか?」
  • 「何のために経営をするのか?」

と言った根本の考え方のことで、従業員の行動規範や社風の質を高めるための言葉が含まれていることが多くなっています。

会社が事業を行う際、様々な判断を迫られる事があり、企業理念はそれらの判断を行う際の最後の決め手、判断基準となるものです。

その為、従業員がいない「ひとり会社」であっても必ず必要になってきます。

このように企業には企業理念があり、それにそって様々な事業活動を行い、発展していく事が求められています。

そして、各企業は事業活動を通じて、達成したい目標・未来があるはずです。ただ、どんなに優れた企業であっても1社だけでは事業活動に限界が出てきます。

その時に優秀な他の企業と手を組む事で相乗効果を生み、1社だけの時と比較してより企業として発展する事が出来ます。

つまり、各企業は達成したい目標・未来により近づく事を目的に、他の企業と取り引き・契約を行うのです。

2.各企業の未来をデザインしたものが「契約書」

企業は他の企業と取り引きを行う上で、様々な思惑があります。例えば新商品を通じて販路を拡大し、業界内のシェアを奪いたいのかもしれません。

また、アウトソーシングを進めて、経営を効率化したいのかもしれません。

もしかしたら、生き残りをかけた一発逆転の秘策なのかもしれません。

このように取り引きにおいて様々な思惑がありますが、その先には「企業理念に基づいて達成したい目標・未来」があるはずです。

その目標を達成する為の具体的な戦略、戦術が「取り引き」であり「契約」なのです。

であれば、契約書の究極の目的もおのずと見えてくるでしょう。

そう、契約書を作成する究極的な目的とは、「契約当事者が契約を通じて達成したい未来」を具現化した、ビジネスのデザイン(設計)を行う事なのです。

デザイナーはヒアリングを通じて、クライアントの問題を解決する為のデザインをします。

チラシをデザインしたり、看板をデザインしたり、Webサイトをデザインしたり・・・。

その手法は様々ですが、その本質はクライアントの課題を分析し、「あるべき理想の姿の為のデザインを行う事」です。

企業間の取り引きも上述した通り、取り引きを通じて達成したい目標や未来があります。そうであれば、契約書とは「企業間の取り引きをデザイン(設計)したもの」であると言えるでしょう。

契約書はとにかく自社に有利な条項を・・・と言う視点で作成する事が多くなりがちです。

しかし、契約書は契約当事者が叶えたい未来の為のビジネスのデザインである事を意識すれば、単にひな型を修正するだけの契約書でない、契約当事者にとってクリエイティブな契約書が出来上がるはずです。

このような契約書こそ、

  • 法的トラブルを未然に防ぐ。
  • 万が一、法的トラブルになっても裁判で確実に勝てる。

ことは勿論、契約当事者の更なる発展の為に寄与する契約書となるでしょう。

3.まとめ

今までの契約書はもっぱらリスクマネジメント(合法性、妥当性)に注目されたものでした。

いわゆる

  • 「〇〇をすべき」
  • 「〇〇はやってはいけない」

と言った、義務や制約に関する事がメインになっており、場合によっては取り引きの中で毛嫌いされています。

(これが契約書を作らない会社がある原因の一つかも知れませんが・・・。)

しかし、取り引きは各企業が叶えたい理想、未来の為に行うものです。その理想、未来をデザインする為には契約書を積極的に活用すべきでしょう。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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