こんにちは。甲斐です。
TwitterやYouTubeを利用して副業・起業する人が増えています。
会社の給料以外で収入を得る事は、混沌とする現代社会を生き抜く為には必須と言って良いのですが、その一方でトラブルになる事もあります。
良く有るのが、
- 「仕事をしたのに、クライアントから報酬を支払ってもらえません」
- 「仕事を行ったのに、報酬を支払ってもらえません」
と言うケース。
私の元にもこの未払い報酬の相談は少なからずあるのですが、「契約書はあるのですか?」と聞くと、ほぼ100%「ない」と言う回答が返ってきます。
誰もが気軽に起業が出来るようになった反面、「ビジネスに関する認識が非常に甘い人がいる」と感じる事が多くなりました。
そこで今回は、起業して仕事を受注する上で契約書がなぜ必要なのか?その理由をお話ししていきます。
1.契約書の存在意義とは?
どうして契約書は必要なのでしょうか?
普通の経営者であれば当然に理解している事なのですが、なぜかSNS等をきっかけに副業をしている人は、契約書の重要性を理解している人が少ないのです。
契約書を作成する目的、それはズバリ、
- 契約の内容を明確にする事
- 万が一法的紛争が発生した場合、裁判で確実に勝てるようにする事
この2点にあります。
この2点は仕事を依頼する側、受注する側にとって基本中の基本事項であり、ビジネスの常識です。
その為、「契約書なんて面倒くさい」と思われる方はビジネスの常識が無いので、そもそも起業をしない方が良いでしょう。
銃弾が飛び交う戦場に、竹やりで突っ込んでいくようなモノですから。
2.契約書に盛り込むべき内容
① 当事者の事
契約の当事者を住所、氏名等で特定します。
また、個人として契約するのか、それとも法人として契約するのかもハッキリとさせます。
匿名等、契約の相手方がどこの誰だか分からない場合の契約は、トラブルの原因になるので絶対に避けましょう。
② 仕事の内容(範囲)と納期(完成時期)
どのような仕事を行うのかその範囲及び納期を明確にしましょう。
例えば、YouTube用のサムネイル画像の作成であれば、どのような画像を何枚作成するのか、その納期はいつなのかを具体的に契約書に記載します。
③ 仕事の報酬とその支払い時期
報酬額は一番もめやすいポイントですので、これは絶対に契約書の中に盛り込みましょう。
「〇〇さんを信頼しているから大丈夫!」と、この部分をナアナアにすると、後から大変痛い目にあいます。
また、報酬の支払時期も明確にしましょう。
前払いなのか後払いなのか、前払いと後払いを織り交ぜるのか、これも不明確にすると揉める原因になります。
とにかくお金の事はハッキリとさせましょう。
3.メール等ではダメなのか?
「契約書なんていちいち交わすの面倒くさい。契約の内容が明記されていたらメールでも良いでしょ?」
と言う声もチラホラと耳にします。
確かに、メールも証拠になり得るのですが、それはあくまで「契約があった事の証拠」として認められる場合のみです。
契約はお互いの意思表示が合致して事で成立し、契約書はその合致した意思表示を証拠として残すものですが、メールの場合、「本当にお互いの意思表示が合致しているの?」と不明な事が多々あります。
それに、契約書の目的を思い出して下さい。
契約書の目的は、契約の内容を明確にする事と、万が一法的紛争が発生した場合の証拠にする事です。
法的紛争が発生した場合、最終的に判断を下すのは裁判所です。
その裁判所は何より証拠を重要視し、契約であれば「契約書(電子契約含む)」を重要視するんです。
上記のとおり、メールの場合は内容によって、契約が成立したのかどうかの判断が微妙な場合があります。
その為、必ず契約書を作成するようにして下さい。
4.法的トラブルになった場合は、必ず弁護士・(認定)司法書士に相談する事
万が一、法的トラブルが発生した場合どうするか?
例えば、仕事が終了したにも関わらず、その報酬が支払われない場合です。
このような時は、必ず弁護士か(認定)司法書士に相談するようにして下さい。
間違ってもSNSで知らない人に拡散したり、自称法律に詳しいに相談しないようにして下さい。
誤った法的解釈を行った結果、取り返しのつかない事に発展する可能性があります。
法的トラブルの相談は、必ず法律家に相談するようにしましょう。
※簡裁訴訟代理等関係業務の認定を受けている司法書士は、140万円までの請求であれば弁護士と同じ代理活動を行う事が出来ます。
5.まとめ
契約書は仕事の内容を明確にし、万が一法的トラブルが発生した場合に迅速に問題を解決する為の重要なツールです。
例え副業であっても起業すると言う事は、起業家として全ての責任を自分で負うと言う事です。
「契約書って難しそう。面倒」
かもしれませんが、最低限決める事は
- 契約の当事者
- 仕事の内容(範囲)と納期(完成時期)
- 仕事の報酬とその支払い時期
これだけで良いんです(勿論、プロから見ればまだまだ足りませんが、最低でもこの条項だけ明確になっていれば、トラブルになっても何とかなる可能性があります。)
起業家は全て自己責任、つまりサラリーマンとは異なり自分の事は自分で守る必要があります。
だからこそ、契約書についても真面目に考えていきましょう。