こんにちは。甲斐です。
「これからはサラリーマンでも言われた事だけをやるのではなく、問題解決能力が必要だ!」
なんて言われるようになってはや数十年、当時と比較して時代はより複雑に、よりスピードが早くなり、「問題解決能力」はビジネスパーソンであれば当たり前に持つべきスキルとなったと言えます。
なお、「問題解決能力より問題『発見』能力の方が重要だ!」と言う意見がありますが、僕はこれについては疑問に思えます。
なぜなら、問題発見は問題解決の中のスキルの一つであり、適切な問題を発見する事が出来なければ、その後の問題解決もあり得ず、この二つを別々に論じる必要性が全くないからです
・・・話しが逸れました。
このように問題解決能力が必要である事は誰も否定しないと思いますが、その一方で問題解決能力における「問題」の定義が曖昧な人(特に自称コンサル)が非常に多いのかなと感じます。
問題の定義が分かっていなければ、問題解決の方向性があさってどころから異次元の彼方へぶっ飛んでいってしまいます。
そこで今回は、コンサルティングの基本中の基本である、問題解決における「問題」の基本中の基本についてお話をしていきましょう。
1.問題とは、理想と現実とのギャップである
教科書的な定義ですが、まだまだ支持されているのがこれです。
「問題とは、理想と現実のギャップである」
例えば、あなたがとある町のパン屋さんの店長だとします。
経費や人件費等、その他もろもろ考えて、1ヶ月の売上が300万円は欲しいと考えています。しかし現実は200万円しかない。
このギャップ(300万円-200万円=100万円)が問題なのです。
でこの問題を引き起こしている根本的な原因を見つけ出し、その解決策を考える、と言うのが問題解決の大きな流れなのです。
ここまでの話しで気づいている人がいるかも知れませんが、問題は一つではなく人の数だけ沢山存在します。
あなたが「これが問題である」と言ったときに、理想と現実にギャップがあれば、それは確かに問題です。しかし、これはあくまで「あなたが行きたい場所」であり、真に解決すべき問題であるとは限らないのです。
真に解決すべき問題とは、「あなたが行くべき場所」なのです。
もしあなたがコンサルタントになりたいのであれば、
・問題とは、理想と現実のギャップ。
・問題には、「クライアントが行きたい場所」と「クライアントが行くべき場所」がある。
と言うことを十分に理解しましょう。
2.「偏在」も解決すべき問題となり得る
ギャップと良く似ている状況で「偏在」(偏って存在している事)と言うのがあるのですが、これも実は問題になり得ます。
この問題を解決しビジネスとして成長しているのが「シェアリングエコノミー」ですね。
例えば、エアビーアンドビー(Aribnb)。
空き家や空き部屋、平日しか使っていない状態の家等、「家の利用状況」についての偏在に着目(現実)、家(部屋)と言うのは本来使われている事が理想と捉え、成功したビジネスです。
また、乗り物の代表例がウーバー(Uber)です。
このように、物の偏在も解決すべき問題になり得ますし、その問題を解決する事が大きなビジネスチャンスにも繋がるのです。
3.問題は「根本的に」解決すべし
問題を見つけたとしても、そのまま解決しなくては意味はありませんので、その解決策を考える必要があります。
その解決策を考える上のでポイントは、表面上に現れている事象は根本的な原因ではない、と言うことです。
例えば、先程のパン屋の例で考えると、良く原因として
・アルバイト店員の元気がない
・店舗が汚い
・近くにチェーン店が出店し、売上が落ちている
・魅力的な商品がない
・広告をしていない
等々が考えらえますが、これらはあくまで表面上の事象であり、根本的な原因は他にあり、それを様々な角度から見つけ出す必要があるのです。
一番最悪なのが、解決策として、これらの事象の単純に反対のことを行う事です。
アルバイトが元気ないから飲み会を企画し、店舗をピカピカになるまで掃除し、魅力的な商品の開発をして、広告をバンバン打ったとしても、問題(100万円と言うギャップ)を引き出している根本的な原因が
「他店舗と比較して商品単価が高く、かつ単価が高い事について顧客に対する価値がなく、その結果客数が伸び悩んでいる」
であれば、これらの施策は全く意味がないモノになります。
だからこそ、表面的な事象ではなく、根本的な原因を見つける必要があるのです。
4.まとめ
- 問題とは、理想と現実のギャップ。
- 問題には、「クライアントが行きたい場所」と「クライアントが行くべき場所」がある。
- 表面上の事象は根本的な原因でない。
これらはコンサルティングの基本中の基本です。
ですが、体系的に問題解決について学んでいない「自称コンサル」はこの事を意識していない為、コンサルと言いつつその提案は出たとこ勝負、行き当たりばったりになりがちです。
コンサルタントになりたい人は、この「行き当たりばったりコンサル」にならないよう、上記の基本中の基本原則は常に意識しましょうね。