営業のスキルを身につけたいのであれば、営業マンが書いた本は読んではダメ

起業・副業

こんにちは。甲斐です。

独立を考えている場合、必ず避けて通れないのが「営業」です。

既に人脈が沢山あり、何もアクションをしなくても仕事がバンバン入ってくる状態であれば良いのですが、そうでは無ければ営業を行う必要があります。

実際に企業で営業を行っていた人であればこの辺りは大丈夫だと思うのですが、問題は今まで一度も営業をやった事がない人。

このような人は、いきなり自分の商品やサービスを売れと言われても、中々難しいと思うんです。

なので、「書店で売っている営業本を読んで営業のことを勉強しよう!」と思い立つかも知れませんが、それはちょっと待って下さい。

ハッキリ言います。営業マンが書いた営業本は1ミリも役に立ちません。

その理由はただ一つ。営業マン側の身勝手な視点からしか本が書かれていないからです。

1.営業マンが書いた本は、「営業マンの視点」でしか書かれていない

書店に並んでいる営業本って、だいたい「契約率●%の伝説の営業マンが書いた、実践的営業ノウハウ」的な本なんですね。

で、読んでみるとだいたい同じような事が書かれています。

  • まずは元気に情熱を持ってお客様に接しましょう。
  • 営業は断られてからが本番です。お役様は契約をしたいけれど悩まれているだけです。営業マンはお客様の背中を押してあげる必要があるのです。
  • お客様に誠心誠意つくせば、必ず契約に結び付きます。

まぁ、まさに義理人情の浪花節的な営業スタイルを物語形式で「これでもか!」とばかり書かれています。

なので、読んだ直後はテンションが上がって高揚感に満たされるけど、結局のところ「その人」だからできた=属人性が強く再現性が低いので、それをそのまま真似をしても上手くいかないのがほとんどなんです。

その人独自のノウハウと言いますか。

さらに言ってしまえば、これらの営業本って営業マン側の視点からしか書かれていないんです。

例えば、某営業本にはこんな記載があります。

『営業とは、自分がよいと信じた物を相手のために断りきれない状態にして売ってあげる誘導の芸術である』

営業マンは「お願い」するな!(著者:加賀田 晃)

【相手のために】
→余計なお世話ですよね(笑)。自分が良いと思った物は自分の意思で買いますので。

【断り切れない状態にして売ってあげる】
→こんな事をしたら、場合によっては犯罪になります。

当の本人はいたって真面目に書いていると思うのですが、ハッキリ言ってこれは営業マン側の勝手な論理であり、お客さんを完全無視した独りよがりの何物でもないんです。

これじゃ、営業と言う仕事は「お客さんが必要ではない物を心理テクニックを使って買わせる」と言っているようなものです。

「お客様は悩んでいるのだから、決断を促すために背中を押してあげるべき」とかは多くの営業マンがそう教えられていると思いますが、実際にお客さんが考えているのは

「この営業マン面倒くさい。断るの面倒だなぁ。どうやって断ろうか?」

と言うことに悩んでいるんです。

営業マンとお客さんの認識がズレまくっている事は良くあり、そのような営業マンが書いた本がどこまで参考になるか、大いに疑問だと思いませんか?

2.営業にもマーケテイング感覚が必要

このような「押し売り的な営業」をやると、お客さんも幸せにならないですし、あなたも幸せになれません。いずれ精神を壊してしまいますので。

実際、僕は司法書士試験に合格する前は様々な商材の営業を行っていたのですが、会社の基本的な営業スタンスは

「お客さんが元々欲しいと思っていない物をトークテクニックで欲しくさせるように誘導して、無理やり買わせる。」

と言う感じでしたので、精神を良く病みました。

では商品やサービスを売る為の営業が全く必要ないかと言うとそうでは無く、「営業を行う目的を考えましょう」と言う事なんです。

では、営業を行う目的は何なのか?ずばり「リサーチ」です。ようはお客さんが

  • どのような事を考え、
  • どのような事に悩んでいて、
  • どのような理想な未来を思い描いているのか?

これをお客さんに深くインタビューし、お客さんのニーズを徹底的に理解する事に努めるのです。

その上で、あなたの商品やサービスが

  • お客さんの悩みをあなたがどのように解決して
  • お客さんが思う理想の未来に、あなたがどのように連れて行くのか?

これを明確にする(ときにはあなたの商品・サービスを変化させる)、マーケテイング感覚が必要になってくるのです。

即決ゴリゴリ押しの営業マンから見れば「何と生温いことを」と思うかも知れませんが、一つだけ言わせて下さい。

あなたは、いつまで押し売りをするつもりですか?

あなたが商品を売った相手は、本当に幸せになっていますか?

この質問に自身を持って回答できないのであれば、あなたのやっている事は所詮は独りよがりの仕事なんです。

3.まとめ

営業とマーケティングの関係性については話しをしだすと止まらなくなるのですが、一つだけ言えるのは、今までのような営業テクニックはもう通用しないと言う事です。

そもそも昔と比べて今は物や情報が溢れかえっており、自分自身で何を買うか?を十分に吟味する事ができる時代です。

それなのに何の信頼関係がないアカの他人から積極的に物やサービスを買う人はそうそういないでしょう。

昔の営業テクニックが通用しないのであれば変化をしていく必要があり、その変化の為に必要なのが、自分を知り相手を知る=「相互理解」のマーケテイング感覚なのです。

このマーケテイング感覚を十分理解し相手から信頼をされない限りは、どんな商品やサービスだって売れません。

これから起業をするときに考えるべきは、営業ではなく「マーケテイング」なのです。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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