「その技術、本当に欲しい人はいるの?」技術の押売りがNGな理由

マーケティング・集客

こんにちは。司法書士の甲斐です。

僕はたまに異業種交流会に参加するのですが、名刺交換した相手から良く商品やサービスの説明をされる事があります。

まぁ、交流会と言う場ですし自分の商品・サービスの宣伝を行うのは当然であり全然良いのですが、結構な頻度で違和感を感じる事があるんですね。

特にIT系の人で多いのですが、自分が開発したサービスについて「これ、凄い技術でしょ?」と言ってアピールをガンガンしてくるんです。

いや、確かに実際に目の当たりにすると凄い技術である事は間違いありません。でも、それを誰が欲しがるの?と客観的に考えると、非常に微妙な感じになるんですね。

この技術、マーケティングの視点が抜け落ちていないか?と。

1.日本のメーカーがなぜ衰退していったのか?

技術とマーケティングを語るには避けては通れない、日本のメーカーがなぜ衰退していったかのお話をします。

日本のメーカーって、とにかく技術を発展させる事に全力を注いでいたんですね。「俺たちの技術は凄いだろう!世界一だ!!」と言う感じで。

確かに、昔のように物がない時代はそれでも良かったんです。高度経済成長期は物を作ればバンバン売れた時代ですから。

でも世の中に物が溢れるようになれば話しは変わってきます。どんなに高い技術力があったとしても、消費者の方向を向かない、マーケティングの視点を欠いた独りよがりの技術であれば、消費者から見向きもされないのは当然です。

分かりやすい例がシャープです。

シャープは2000年代前半、液晶テレビ「AQUOS」の人気から液晶を製造する亀山工場を稼働させ、高い技術力を持つ「亀山ブランド」を確立させようとしました。

その後、リーマンショック等が重なり状況が一転し、シャープは経営危機に陥り、台湾の鴻海精密工業に買収されたと言う経緯があります。

これだけだと、シャープの経営危機はリーマンショック等の世界的不況が原因かと思われますが、実はこのときすでに亀山モデルはブランドではなくなっていたんですね。

確かに亀山モデルの液晶技術は素晴らしく、解像度も他メーカーより高性能で高画質です。

しかし、人間の目はある程度の解像度を超えた場合、その差を認識する事ができないんです。つまり、どんなに優れた技術であっても、人が感じる事ができない(気が付かない)技術になってしまうんです。

認識できない価値は価値では当然ありませんから、ユーザーの判断基準としては解像度より価格を優先するのは当たり前です。

そのことを理解しないまま、技術者が「この技術は凄いだろう」と技術の押し売りをしても、人々がその技術に価値を見出せないのであれば、その商品は売れなくて当然なのです。

2.イノベーションはプロダクトから生まれる。でも・・・

今までの話しはマーケティングの視点、いわゆる「マーケットイン」のお話ですが、多分反論が出てくると思うんです。

「確かにマーケットインは重要だが、イノベーションを生むのはプロダクトアウトだ。技術者であればイノベーションを生む画期的な商品を作りたいと思うのは当然!」

確かにその通りですね。事実、iPhoneはプロダクトアウトから生まれましたから。

とは言え、「であれば技術力を高めプロダクトアウトで商品開発をすべき!」と言うのは、また短絡的な思考なんですね。

その理由は単純明快、プロダクトアウトで作られた革新的な商品であっても、人が必要がない技術は必要ないからです。

マーケットインであれプロダクトアウトであれ、「凄い技術ですね!」と言って貰える事と、「その商品、欲しいです!」と言って貰える事は、全く別の次元の話しなのです。

3.BtoBはお客さんのお客さんを意識すべし

特にBtoBの事業をされている方は、「お客さんのお客さん」にも意識をしてほしいんです。

BtoBであれば、あなたのお客さんには当然お客さんいますし、お客さんのお客さんの利益になる価値を提供する事ができれば、お客さんから喜ばれるのは当然です。

マーケテイングでは当然のお話ですが、技術者の方も当然この視点は必要でしょう。

4.まとめ

中途半端に人脈がある人であれば、技術の押し売り的な商品であっても一定程度は売上を確保する事ができると思います。

ただそれはあくまで人脈があるだけで、マーケテイング思考で作られた商品であるかどうかは別の問題です。

あなたの提供している商品・サービスについて「本当にお客さんの利益に繋がっているのか?」と言う疑問は、常に持ち続けた方が良いでしょう。

意識すべきなのは技術者としての技術ではなく「人」なのですから。

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熱き志を持つ起業家を法律とマーケティングで支援する司法書士。趣味はキックボクシングと朗読。

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