こんにちは。甲斐です。
フリーランス・個人事業主が独立してからすぐに直面する問題が「集客」です。
すでに多くの人脈があり、バンバン仕事を取れる状態になった上で独立した人であれば、特に集客に困る事はないでしょう。
しかし、人脈も少なく、営業・マーケティングに関するスキルが無いまま独立してしまえば、多かれ少なかれ集客に困る事があります。
そんな時に、「クラウドソーシング」に注目するフリーランスの方もいらっしゃるでしょう。
「ランサーズ」や「クラウドワークス」等。
実は私自身も色々とリサーチをしたく、クラウドソーシングを利用した事があるのですが、その上で様々なデメリットを感じる事ができました。
今回は、フリーランスがクラウドソーシングを利用する場合のデメリットのお話です。
1.単価がとにかく安い
クラウドソーシングには、ブログやオウンドメディアに掲載する為の記事を発注している個人・企業が沢山います。
アフィリエイト系のサイト運営者も、良く記事の執筆の仕事を発注している人がいますね。
このようなライターの仕事はクラウドソーシングで非常に多いのですが、単価が非常に安いんです。
多くは1文字1円以下です。
3000文字の記事を書いてようやく3000円です。
独立したフリーランスとして考えた場合、時給3000円は最低ラインであり、これを下回ると日々の生活が成り立たなくなる可能性があります。
では専門性が問われる仕事の単価はどうなのでしょうか?
実はこれも相当単価が低く設定されています。
契約書の英訳が1万円とか、弁護士への法律相談が1時間2000円とか。
専門的なスキルを持っている人でさえ買いたたかれている、これがクラウドソーシングの現状なのです。
2.発注者側のレベルが低い
全員がそうではないのですが、発注者側のレベルが低い事がデメリットの一つとして挙げられます。
これはクラウドソーシングだけの話しではなく、いわゆる「相見積もり」を取る事が出来るサービス全般で言える事です。
クラウドソーシングや相見積もりサイトを利用する発注者側の意図は、「とにかく安く仕事をしてほしい」のです。
逆に言えば、フリーランスを選ぶための基準が「価格」しかないんですね。
なので、あなたがどんなに競合他社と差別化された、素晴らしい自己紹介ページを作ったとしても、その内容は発注者側に届かない可能性があります。
「価格」しか見えていないのですから。
その為、クラウドソーシングでは、自己紹介ページも超テキトーはフリーランスに、ただ価格の違いだけで負ける事が良くあるのです。
3.安い価格、コンペで疲弊する
クラウドソーシングに登録しているフリーランスは何万人といます。
その中で低い価格で戦っていく必要がありますので、精神的にも金銭的にも疲弊していくのは理解をしやすいと思います。
また、コンペで頑張って良い提案をしたとしても、受注に繋がらなければタダ働きになります。
この「コンペで疲弊する事」もデメリットに挙げる事ができるでしょう。
4.相手がどこの誰だか分からない事がある
司法書士としての視点で考えた場合、この「取引相手がどこの誰だか分からない」事がクラウドソーシングの最大のデメリットと言えます。
クラウドソーシングのサイト運営側には、本人確認資料を提出している場合がありますが、基本的に発注者、受注者間では、お互いがどこの誰だか分からない事が良くあります。
クラウドソーシングには「エスクロー」制度があり、いざ仕事が始まれば報酬がエスクローされますので、通常は報酬未払いの問題は発生しないのですが、問題は何らかのトラブルで仕事が途中なのに契約終了になった時です。
法律の一般論で言えば、途中まで仕事が進んでいるのであれば、その分の報酬を請求する事が出来ます。
しかし、どこの誰だか分からない相手に、どうやって途中までの仕事の報酬を請求しますか?
エスクローされているお金から報酬を貰おうとしても、クラウドソーシングの運営者側は、基本的に当事者間のトラブルには関与しません。
「契約の相手を特定する」事は、契約の実務では当たり前の事であり、その相手方が特定されていないと言う事は、法的トラブルと言う名の時限爆弾を抱えていると思って下さい。
5.まとめ 付加価値をつけ、自分で集客する努力を
副業等でそこまで稼がなくても良い、と言う状況であればクラウドソーシングを利用するのはアリだと思います。
しかし、フリーランス・個人事業主として独立し、将来の事を考えるのであれば、クラウドソーシングを利用する事は避けた方が無難かも知れません。
クラウドソーシングはどうしても単価が低くなり、同業者と激しい競争を行う必要があり、フリーランスにとってみてメリットはあまり有りません。
同じ努力をするのであれば自分の仕事に付加価値を付けて、「選ばれる」存在になった方が非常に前向きですし、合理的であると言えます。
フリーランスとして生き続けていく為には、競合他社と比較されない努力が必要となってくるでしょう。