日本語が読めない人は、「解釈する力」が足りない

心理学・コミュニケーション

こんにちは。甲斐です。

「日本人の3分の1は日本語が読めない!?」なんてニュースが何年か前に話題になりました。

要するに、文章が言わんとしている意図が分からない人がいると言う内容で、詳細は下記の本に載っていますので、ご興味ある方はご覧になってみて下さい。

現実問題として、文章の内容や相手の言っている事の意味を理解出来ない人は沢山います。

あなたの周りにもいませんか?

つい先ほど、Twitterである司法書士がツイートをしていたのですが、そのツイートの趣旨とは大幅にずれたリプライ(いわゆるクソリプ)がついて、「いや、そう趣旨じゃないのですが」と、その司法書士は困っていました。

まぁ、ここまで酷くはなくても、ちょっとした油断であなたも私も「日本語が読めない人」になってしまう可能性があるんですね。

日本語が読めなくなる理由は色々あるのですが、今回は「解釈」にスポットを当ててお話したいと思います。

1.日本語が読めない人は、解釈が下手

日本語、つまり文章はそのまま読む事が出来るだけでは意味はありません。

その文章(つまり、文章の書き手ですね)がどのような背景事情があって、何を言いたいのかを探る「解釈」が出来て、初めて「文章が読める」と言える状態になります。

と、言葉で書くと簡単ですし、学校の国語の授業で筆者の意図を考えさせる問題は良くあります。

しかし、社会人になると何故か綺麗さっぱり忘れてしまう人が多いんですね。

もっと酷いのは「そもそも、勘違いさせるような文章を書く方が悪い!」と逆ギレしてくるパターンがあります。

まぁそれはさておき、解釈について具体例を挙げてみましょう。

とある映画監督がこんな事を言っていたと仮定して下さい。

芝居ってのは、人の歴史を見せる事です。その人がどのような家庭でどのような幼少時代を暮らしていたか?その結果、今どのような価値観を大切にしているのか?それらを芝居を通して色々な人に見てもらうのです。

内容自体は全然難しくないので、この監督の言いたい趣旨は分かると思います。

でも、この文章を「言葉そのもの」として捉え、反論してくる人がいるんですね。

例えばこんな感じです。

演じる役は何も人間だけではない。作品によってはロボットや昆虫や地底人・宇宙人だって演じる事があるじゃないか!!

確かに監督が言った言葉の中には『「人」の歴史を見せる~』と言うのがあります。

彼はこの人を文字通り「人」と捉えて反論しました。

しかし、監督の言いたい事は何なのか?趣旨は何なのか?を考えると、「人」=「演じる役」と解釈する事ができ、人以外でもロボットや虫、演じる全てのモノが当てはまる事になります。

これは極端な例かも知れませんが、程度の差はあれ誰でも間違った解釈をしてしまう危険性があるのです。

ではその危険性を排除して正しく解釈する方法とは何があるのでしょうか?

色々ありますが、上記で少し触れた、法律家が法律の条文を読む時に良く使っている「文理解釈」と「拡張解釈」をご紹介します。

2.文章の解釈の方法

① 文理解釈

文理解釈とは、条文の語句について、忠実に解釈する方法です。

上記の映画監督の話しで文理解釈の考え方を応用するとすれば、ここで出てくる「人」とは、あくまで「人」であり、人以外の事ではない、と解釈する事です。

文字にはそれぞれ国語辞典に載っている正確な意味がありますので、文字を読む出発点はこの文理解釈となります。

ただし、文章の全体の趣旨から考え、文理解釈だけでは妥当な結論を導き出す事が難しい事があります。

その場合に、次の「拡張解釈」を試してみましょう。

② 拡張解釈

拡張解釈とは、文章の趣旨から考え、言葉の意味をある程度広げて読もうとする解釈方法です。

上記の映画監督の話しで拡張解釈の考え方を応用するとすれば、「人」を「演じる役柄」と捉え、「人は勿論、人以外のロボットや虫等、役者が演じる役の全て」と解釈し、妥当な結論を導き出す方法です。

ただし、拡張解釈も限界があり、その言葉からまったくかけ離れた拡張解釈を行う事は妥当ではありません。

また、文理解釈も拡張解釈も、あくまでその文章の趣旨がベースにある事に十分注意しましょう。

3.まとめ -簡単に脊髄反射しない-

文章を読んだり、人の話しを聞く上で重要なのは「この文章(話)の言わんとしている事はなんだろう?」と常に考える事です。

逆を言えば、どんなに強い言葉があったとしても、何も考えず脊髄反射してはダメと言う事です。

脊髄反射的な対応は、客観的に見れば「未成熟な大人が深く考えずに発言している」風に見え、非常に見苦しく映ります。

脊髄反射する事なく、まずは他人の文章について、様々な解釈方法を活用し、その趣旨を正確に捉えて「日本語が読めない大人」と言われないようにしましょう。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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