営業で即決契約してくれるお客さんは、実は質が良いとは限らない

心理学・コミュニケーション

こんにちは。司法書士の甲斐です。

今回は営業に関するお話で、「契約を即決してくれるお客さん」の問題点についてお話したいと思います。

もう20年以上前の事ですが、当時私は飛び込み営業を行っていて、その時に社長から良く言われてたのが、

「仕事ができる営業マンは、相手に即決させて契約を取る事ができる人物」

で、多分これは今でも「出来る営業マン」の条件だと思います。

実際に私の事務所にも、たまに営業マンの方がいらっしゃるのですが、100%その場での契約を求めてきますので。

「今契約をすると割引が出来るので、大変お得ですよ」等、限定感を出して、私に対して即決を促してくるんですね。

これで契約ができれば営業マンとしては非常に嬉しいと思います。

だって、営業マンであれば、契約にかかる時間は短ければ短い程、良いに決まっていますから。

でも、この「即決するお客さん」実はお客さんとしては質が良いと限らず、逆に悪質なクレーマーへと豹変する可能性があるのです。

1.そもそも脳の仕組みとして、人間は契約に関する事は即決しないように出来ている

上述したとおり、私の事務所にも様々な営業の方がいらして、私に契約の即決を求めてきます。

その様な時は、私は営業マンに対して、必ずこのような質問をするようにしています。

「人間関係が全く構築されていない段階で、なぜ契約の即決が出来るとお考えなのですか?」

この質問をして、明確な回答をしてきた営業マンはまだいません。

私、メンドクサイ客でしょ?

ただ、人間の脳の構造から考えて即決しないと言うのは、実は当たり前なんですね。

人間の脳は、自動的で処理が速い「システム1」と、意識的で処理の遅い「システム2」の2つのモードがある事をご存知ですか?

心理学者、行動経済学者であるダニエル・カーネマンがその著書「ファスト&スロー」で紹介し、有名になった理論です。

例えば「1+1は?

この計算の答え「2」について、瞬間的に答える事が可能でしょう。これが「システム1」です。

では「17×49は?

これは暗算が得意な人ではない限り、瞬間的には答える事は出来ませんね。

しっかりと考えて計算しているはずです。

これが「システム2」です。

このように、脳の働きとしてシステム1とシステム2の二つのモードが存在しているのです。

2.契約を即決する人は、「システム2」の機能が低下している

このように「システム1」は無意識に瞬間的、直感的に答えを出す事にすぐれ、「システム2」は難しい問題について、しっかりと注意を持って解決する、このような働きがあります。

日常生活では基本的にシステム1のみしか働いておらず、状況にあわせてシステム2に思考が流れていく感じになります。

最初からシステム2が全開の場合、脳にストレスがかかりまくって大変な事になりますので。

で、契約のような複雑な処理は当然「システム2」を働かせる事になるのですが、このシステム2は上記の通り、処理に時間がかかるんですね。

つまり、契約を締結するか否かを考えるのには時間が掛かるのは当然であり、それに対して即決を求めるのは脳について逆にストレスを与える事になるのです。

と言う事は、契約を即決する人の大多数は、基本的にシステム2の機能をきちんと使えていない可能性があるんです。

なお、「優秀なビジネスマンは判断が早い」と言われていますが、これは単にシステム1からシステム2への受け渡しや、システム2の機能が高いだけで、「考えていない」と言うわけではありません。

つまり、このような「即決してしまう」人と契約を行った場合、契約と言う「結果」は出るかもしれませんが、その後、ふとしたきっかけでクレーマー化し、その対応に余計なコストがかかる可能性が出てきます。

この事はしっかりと理解した上で、契約の即決を求めるか否かを慎重に判断する必要があると思います。

(もちろん、営業マンに会う前に既に即決する事を決めている人もいますが。)

結果だけを求めるのか、結果+αを求めるのか、そもそも結果とは何なのか?

そこはちゃんと整理した方が良いと思います。

3.まとめ

営業の現場ではとにかく「即決してくれるお客さん」を血眼になって探す傾向が強いですが、それは目の前の契約しか見ておらず、長期的な利益を考えていない事になります。

また、

短い時間で決断した事も、時間をかけて決断した事も大して変わらない

と言われる事がありますが、脳の構造を考えるとそのような事はけっしてない事が分かってくるでしょう。

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