伝えるための思考。コミュニケーションの本質とは?

心理学・コミュニケーション

こんにちは。甲斐です。

今年は社会的な事情から入社式を行わなかったり、Webでの入社式を取り入れている企業もありますね。

そして、各企業が新入社員に求めるスキルとして必ず挙がってくるのが、「コミュニケーション能力」。

仕事はチームで行うものですし、コミュニケーション能力が無ければ仕事を円滑に行う事が難しいでしょう。

このように、コミュニケーション能力が求められるのは当たり前なのですが、そもそも「コミュニケーション能力」の定義って何でしょう?

コミュニケーション能力を求めながら、その一方で「コミュニケーション能力」の言葉の定義をしっかりとしている企業、少ないと思いませんか?

  • 協調性?受け入れる能力?
  • 空気を読む事なのでしょうか??
  • もしかして忖度のこと???

考えれば考えるほど色々な定義が出てきますが、企業が求めている能力であれば、しっかりと定義づけした方が良いですね。

そこで今回は、この「コミュニケーション能力」を私なりに定義・深掘りしていきたいと思います。

1.コミュニケーションとは言葉(意思)のキャッチボール

良く言われますね。

コミュニケーションとは言葉の(意思)のキャッチボールであると。

つまり、そのキャッチボールが上手く出来る能力=コミュニケーション能力の事なんです。

うんうん。確かにその通りです。

でもこれだとまだ抽象的ですので、もっと具体的に定義してみます。

コミュニケーション能力とは、自分の伝えたい事を誤解される事なく100%伝える事が出来る能力。そして、相手が伝えたい事を自分が誤解する事なく100%理解する事が出来る能力の事である。

実はこの定義は、私がサラリーマンをやっていた10年位前に、自分でコミュニケーション能力の事を定義した時の言葉です。

今でも自分の中では、コミュニケーション能力は上記の事だと思っています。

こんな感じで具体的に言葉を定義すると何が良いかと言いますと、次に自分がやるべき事が明確になるんです。

このように、コミュニケーション能力は伝える力と受け取る力の双方が必要になってくるのですが、今回は伝える力に必要な「伝える為の思考」をいかにして身に付けるかを取り上げていきます。

2.脳は勘違いしやすい事が前提

まずは大前提のお話しです。

人間の脳は非常に素晴らしく、また現代の科学ではまだまだ解明できていない未知の領域があります。

しかし、そんな優秀な脳も、脳科学的に言えば非常に騙されやすく、勘違いしやすいんです。

いわゆる「認知バイアス」と呼ばれているものです。

認知バイアス(にんちバイアス、英: cognitive bias)とは、認知心理学や社会心理学での様々な観察者効果の一種であり、非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など人間が犯しやすい問題である。転じて認知バイアスは、事例証拠や法的証拠の信頼性を大きく歪める。

ーWikipediaよりー

これはコミュニケーションでも同様で、

「そもそも相手は自分の伝えたい事を誤解してしまうかもしれないが、それは仕方がない。」

と言う前提に立ち、ではどのように伝えるべきか?と言う思考を持つのが重要になってくるのです。

3.正しい日本語の文法で伝える

文章を書くときは、ほとんどの人が文法を大切にすると思います。

日本語の文法の基本形は、「主語」「目的語」「述語」ですが、これが会話だと順番がグチャグチャになる人が多いのです。

さらに、一つの文の中に複数の主語や複数の述語が出現し、それぞれの主語がどの述語に対応するのかが良く分からなくなる事もあります。

文章を作成する時と同様、会話の場合でも正しい日本語の文法が必要になってくるのです。

4.言葉の語尾(述語)をハッキリ、明確にする

上記でご紹介した日本語の文法を見ると分かりますが、日本語では述語が一番最後にきます。

つまり、日本語は一番最後まで聞き取らないと、その人が言いたい事が分からないんです。

例えば、同僚をとある会合に誘った時に、その同僚から

「昨日誘われた会合だけど、参加(ゴニョゴニョ)」

とあなたが言われた場合、参加するのかしないのかがハッキリしませんよね?

さらに「脳は勘違いする」事を前提とした場合、このように語尾が不明確な場合、コミュニケーションエラーが発生する可能性大です。

言葉の語尾はハッキリと言い切る事を心掛けましょう。

5.主語を省略しない、主語と述語がねじれない

日本語は主語を省略する事が出来ますし、実際に主語を省略して話す人がいますが、これもコミュニケーションではNGです。

「〇〇の資料を欲しがっていたから、明日までに提出して」

こんな指示を上司から出されたら、正直言って困りますよね?

だって、「誰」がその資料を欲しがっているのか分からないのですから。

もちろん、主語を省略しても問題がない場合もありますが、ビジネス上(特に指示)は主語を明確にする必要があります。

また、主語と述語の「ねじれ」にも注意を払うべきです。

主語と述語のねじれって何なのか?参考文を挙げてみます。

「昔の経営者に言わせると、今の若い起業家の意識は、悪い方向にだいぶ変わってしまったと話しているよ。」

私は美術館で、ナビ派の画家の作品を見るのが趣味です。

一見意味は通じますが、良く見ると主語と述語の対応関係がおかしく、主語と述語がねじれているのが分かると思います。

文章だとおかしな点が分かりやすいのですが、これが会話になるとより誤解が生みやすい表現になりますので注意が必要です。

6.まとめ

結局、「自分の伝えたい事を誤解される事なく100%伝える事が出来る能力」とは、日本語の文法を適切に使う事だと言えます。

「こんな事、丁寧に言わなくても伝わるはずだ。誤解する方が悪い」と言うのは簡単ですが、相手のコミュニケーション能力をコントロールする事なんて出来ません。

であれば、ご自身の伝え方を見つめ直し、「伝える為の思考」を深めていく方が建設的でしょう。

思考を深める事で、結果的にあなたの他の能力も向上するのですから。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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