有限会社は作れないけど、有限会社を所有する事はできます

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

「法人を作りたい!」と考えた場合に真っ先に頭に浮かぶのが株式会社や合同会社だと思います。

ただ、もう一つの法人の形を聞いた事はありませんか?そう「有限会社」です。

現在でもこの有限会社は存在し、街を歩いていると看板を見つける事ができます。その為、「作るの、有限会社でも良くない?」と思われるかも知れませんが、残念ながら、現在では法律が変わり有限会社を作る事はできません。

では絶対に有限会社を所有する事はできないのか?と言われれば、その答えは「No」となります。

今回はその有限会社の基本的知識と有限会社を取得する方法のお話です。

1.有限会社とは?

有限会社とは「社員」と呼ばれる会社の構成員(株式会社で言う株主のような存在。一般用語で言う「従業員」とは違います。)が出資することで設立される法人です。

(昭和15年に制定された「有限会社法」が根拠法となります。)

「有限」と名前が付くように社員は出資した限度でのみ責任を負う形態の法人です。

【有限責任】
例えば有限会社が債務を支払う事が出来なくなっても、出資した社員は自分の財産で債務を支払う必要がないと言うことです。

旧商法上では株式会社は資本金が1,000万円以上、取締役が3人以上と言ったある程度の規模感がある法人なのに対して、有限会社は小規模で持分(株式会社でいう株式)の譲渡を予定しない閉鎖的な企業を法人化するのに適していました。

なのですが、実は有限会社はあまり利用されなかった経緯があり、また株式会社でも最低資本金や役員の人数の規定が原則撤廃され、会社法が制定されのと同時に有限会社の制度は廃止される事になりました。

※ただし、既に存在している有限会社については「特例有限会社」と言う株式会社として、今後も(廃業等するまで)存続することになります。

2.株式会社との違い

現在、有限会社は法律上「株式会社」として取り扱われていますが、元々は別形態の法人であった為、細かい部分で違いがあります。

その1つが役員の任期です。

株式会社の取締役の場合、最長でも任期は10年ですが、有限会社の場合、任期の上限がありません。その為「死ぬまでずーと」取締役である事も可能です(当然、任期を定める事もできます。)。

もう1つの違いは決算の公告義務です。

株式会社であれば毎事業年度の決算公告を行う必要がありますが、有限会社には公告義務はありません(とは言え、計算書類は作成しないとダメですよ)。

このように、特に一人で会社を経営したい人から見れば、有限会社は魅力的な特徴があるかも知れないですね。

3.有限会社を取得する方法

このように有限会社は昭和の初期からの歴史がある為、「有限会社を作りたい」と言う人もゼロではないのですが、先程お話した通り有限会社の制度は廃止されていますので、新規で設立する事はできません。

でも、新しく作ることはできなくても、既にある有限会社を取得する事は可能です。

そう「M&A」ですね。

有限会社は会社法上「株式会社」として規定されています。その為、株式が存在しますので、その株式を取得すれば、有限会社を所有する事は可能です。

ただし、有限会社と本来の株式会社では会社運営等のルールが少し異なりますので、状況によっては定款の変更等が必要になってきます。

その点は注意しましょう。

4.まとめ

有限会社を取得(経営)した場合「御社は有限会社なので歴史ある企業なのですね」と老舗企業のようなブランディングを行う事ができる可能性がありますし、役員の任期がないと言うのもメリットの1つです。

ただ、有限会社を実際に取得しようとした場合、手続き的には通常のM&Aと何も変わりませんので、正直簡単ではありません。

その部分についてはしっかりと専門家を活用するようにしましょう。

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