テレビ電話による公証人の定款認証制度について

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

株式会社を設立する場合、公証人から定款の認証を行ってもらう必要があります。

通常は発起人や司法書士のような代理人が公証役場に行き、公証人の面前で定款を認証してもらう方法が取られます。

なお、定款を認証してもらう公証役場は管轄があり、設立する株式会社の本店所在地を管轄する公証役場で行う必要があります。

その為、例えば東京に在住の人が本店所在地を大阪とする株式会社を設立する場合、東京から大阪の管轄の公証役場に向かうか、大阪にいる人にお願いして公証役場に行ってもらう必要がありました。

この不便さを解消するためにテレビ電話方式による認証制度が2019年にスタートしたのですが、2020年にこの制度がさらに使いやすくなったのです。

今回は、テレビ電話方式による定款の認証制度について、司法書士が行った場合の手順をお話します。

1.テレビ電話方式による定款の認証制度の概要

テレビ電話方式による定款の認証制度は、2019年3月29日より導入されていました。

今まで直接の面談で定款の認証を行っていたところ、文字通り、公証人とテレビ電話を利用して認証を行う制度です。

しかし、発起人の電子署名が必要になる点がネックになっていたのか、あまり利用されていなかったようです。

個人で電子署名を保有している人は中々いませんので・・・。

この不便さをカバーする為、「定款作成委任状・印鑑証明書が役場に郵送されており、テレビ電話等を利用する時点で原本確認が可能な場合にも」テレビ電話方式による定款認証制度の利用が2020年に可能になりました。

2.テレビ電話方式による定款の認証制度の流れ

(司法書士が行う場合です。一般の方が行う場合、事前に公証役場と打ち合わせをして下さい。)

① 定款の作成

通常通り定款を作成し、発起人の資料と併せて公証役場に事前にメール等でチェックして貰います。

この時に電話方式による認証の日時を予約します。

② 電子定款、実質的支配者の申告書を準備する

電子定款を電子署名した上でオンライン申請を行い、、実質的支配者の申告書(電子署名済み)をメールで送ります。

③ 印鑑証明書等を郵送する

委任状や原本確認が必要な書類(印鑑証明書等)を事前に公証役場に郵送します。

その際、レターパック等の返信用封筒を一緒に入れておきます。

④ 公証人手数料の振り込み

定款認証の手数料と振込先がメールされてきますので、手数料を振り込みます。

⑤ テレビ電話のURLが送られてくる

上記の手数料を振り込むと、テレビ電話用のURLがメールで送られてきます。

⑥ テレビ電話による定款認証

予約した日時に上記URLをクリックし、公証人とテレビ電話による定款の認証手続きをします。

ブラウザによっては上記のURLが開けない場合があるようですのでご注意下さい。

身分証明書をパソコンのカメラに向けて、アップで表示するという本人確認を行い、5~10分程度で終了します。

⑦ 定款のCD-R等の返送

公証役場に書類を送った際のレターパック等の返信用封筒にて、定款のデータが入ったCD-R、定款の謄本、原本還付をした発起人の印鑑証明書、領収書が返送されてきます。

3.まとめ

正直、テレビ電話方式による定款の認証制度は非常に便利な制度です。

今まで遠方の地を本店所在地とする株式会社や一般社団法人の設立は、定款認証に面倒な点がありましたが、今後はその問題を全てカバー出来そうです。

ただし、原本を確認を要する書類を郵送する必要がある為、通常の設立手続きより少し時間がかかってしますのがデメリットです。

しかしながら、突然思い立って会社設立をする事はそう無い事ですし、遠方の公証役場に行く事なく、定款認証を行う事ができますので、あまり大きなデメリットにはならないと思います。

今後はこのテレビ電話方式による定款の認証がスタンダードになっていくかも知れません。

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