Webサイト・ブログの売買(M&A)を行う場合の法律知識と注意点

法律知識一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

ビジネスでは様々な物や権利が売買の対象になる事がありますが、実はWebサイトやブログも売買(M&A)の対象になっているのをご存じでしょうか?

随分前ですが、アフィリエイトサイトが6億円を超える金額で譲渡がされたと言うニュースがあり、売買対象物としてのWebサイト、ブログのニーズは確かにある事が証明されています。

まぁ、6億はちょっと突き抜けた金額で、実際は数十万~数百万円と言った価格で取り引きがされている事が多いのですが、Webサイトを売買する上でも様々な注意点があります。

今回はその「Webサイト・ブログを売買(M&A)する場合の基本知識や注意点のお話をしていきたいと思います。

1.Webサイトを購入するメリット

そもそも、Webサイトを購入するメリットは何なのでしょうか?

実はWebサイトはどんなにseo対策を行ったとしても、立ち上げ当初からPVを稼ぐ事は非常に難しく、それなりの期間がかかります。

なので、「新しい事業を行い、すぐにWebサイトから集客したい!」と考えても苦戦する可能性があるのです。

そのような時に「同じ事業で既に開設され実績があるWebサイト」を購入する事により、上記の期間を短縮することができ、スピーディーな事業展開を行うことが出来るのです。

2.Webサイトの売買の基本的な流れ

個別具体的な状況によって違いはありますが、Webサイトの売買の基本的な流れは、会社のM&Aと同様の流れになります。

  • 秘密保持契約(NDA)の締結
  • 基本合意書の締結
  • デューデリジェンス
  • 最終契約書の締結
  • クロージング

サイトの規模によってはデューデリジェンス等が省略されることがありますが、とは言え、買主の方でサイトの調査(PV数、UU数等)はある程度行う必要があるでしょう。

3.Webサイトの譲渡方式

Webサイトの譲渡の方式は主に「単独譲渡」「事業譲渡」「法人の買取(M&A)」があります。

「単独譲渡」はWebサイトを単独で譲渡する、「事業譲渡」はWebサイト含む事業を丸ごと譲渡する方式、「法人の買取」はWebサイトだけではなく、法人を丸ごと買い取る方式です。

「単独譲渡」「事業譲渡」は譲渡対象となる権利、債権債務関係を個別に選択するメリットがありますが、逆に言えば個別に選択しなくてはいけないデメリットがあります。

一方、「法人の買取」は個別具体的な選択は必要がありませんが、債権債務をすべて承継する事になりますので、潜在的なリスクが高まります。

その為、法人の買取方式の場合は、綿密なデューデリジェンスが必要になってくるでしょう。

4.Webサイトの売買の注意点

① 譲渡する物を具体的にし、権利関係を明確にする

一口に「Webサイト」と言ってもその内容は幅広く、ドメインやテキスト、デザイン、写真、動画等の権利関係が複雑に絡み合っていることがあります。

特にデザインや写真、動画等はWebサイトの権利者が著作権を保有しているとは限らず、著作者からその使用を許可されているだけの可能性があります。

その為、これらの権利関係がどうなっているか?Webサイトが譲渡された場合、その権利関係がどうなるのか?の調査が必要になってくるでしょう。

また、現在のWebサイトは継続的にコンテンツを追加していく事が前提となっており、Webサイトの権利者が外注先を継続的に利用している可能性があります。

その為、Webサイトの譲渡を受けた際、それらの外注先と言ったリソースを利用できるのかどうか?と言う点も調査が必要でしょう。

② Webサイトの価値は適切か?

Webサイトの価値、つまり「売買価格」の事です。

売買価格の算出にはコンテンツの内容、PV数、UU数、収益性(アフィリエイトサイトの場合)等、総合的に判断して決定されます。

売買価格は上記を元に売主と買主の交渉で決定されますが、いわゆる「ブラックハットSEO」等で不正にPV数を稼いでいないか?と言った点もチェックが必要になってくるでしょう。

➂ 競業避止義務について

Webサイトの売主は今までそのサイトを制作、利用することで事業を展開していたので、同様のサイトを制作、運用するノウハウを当然持っているはずです。

その為、もし売主が譲渡したサイトと同様のサイトを制作した場合、買主にとっては脅威になる為、買主としては売主に対して、譲渡対象サイトと同様のサイトを制作、運用することを禁止することを検討する必要があるでしょう。

5.まとめ

最近はWebサイトのM&Aについて仲介を専門としている会社があります。

これらの会社を利用するのは当然良いのですが、仲介はあくまで仲介ですので、売買対象のWebサイトは買主側で行う必要があります。

ここは人任せにせず、しっかりと調査するようにしましょう。

この記事の執筆者(文責)
司法書士 甲斐智也

起業支援と商品・サービスのコンサル化のお手伝いもする司法書士|マーケティング思考でコンセプトをしっかりと考えた会社設立します|2級FP技能士|たまに心理カウンセラー|某球団マスコットの中の人の経験あり

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