マイホーム購入時には司法書士の見積りの登録免許税に気を付けて!

不動産登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

最近とある事情で他の司法書士の登記の見積りを見る機会があるのですが、たまに「??」と思う事があります。

それは「登録免許税の金額おかしくないか?」と言う点です。

数百円とか数千円とかだったら分かるんです。計算間違いとか見解の相違ですから。

でも数十万単位で違っていると

「これってわざと多く請求して、自分の懐に入れていたり、不動産会社にキックバックしてんじゃないの?」

と勘ぐってしまうんですよね。

特にマイホーム購入時は大きな金額が次々と出ていきますので中々気が付きにくい部分ですが、だからこそ注意すべき「登録免許税のお話」が今回のテーマです。

1.登録免許税とは?

登録免許税は登記の申請時に納付が必要になってくる税金の事です。

マイホーム購入時であれば、通常、不動産の残金決済が行われた当日に登記申請を行います。

マイホームを購入された方は経験済みだと思いますが、残金決済時に司法書士に支払った費用の中に「登録免許税」と言う項目があったはずです。

これは文字通り司法書士が登録免許税を預かり、登記申請時に依頼者の代わりに登録免許税を納付しているのです。

良く「司法書士の報酬は高い」と言う声を耳にしますが、実は司法書士が提示した見積りの大部分がこの登録免許税であり、登録免許税を司法書士報酬と勘違いしているケースがほとんどなのです。

なので、司法書士の報酬が高いかどうかは、登録免許税等の実費を除いた、純粋な司法書士報酬で判断すれば良いことになるのですが、最近は依頼者の無知につけこみ、本来の登録免許税に数十万上乗せして請求している司法書士がいるようなのです。

2.不動産の登記の登録免許税の計算方法

① 売買による土地の所有権移転

計算方法は「課税価格」×「税率」です。

課税価格は固定遺産税の評価額、税率は1.5%(令和3年5月1日現在)です。

例えば固定遺産税の評価額が3,000万円の土地を売買で取得する場合、

3000万円×1.5%=45万円

になります。

なお、固定遺産税の評価額(評価証明書)上の土地の面積と、登記事項証明書上の土地の面積が異なる場合、1㎡辺りの評価額を計算して、登記事項証明書上の面積をかけて課税価格を計算します。

また、私道持分やマンションの敷地権と言った「持分」を取得する場合、固定遺産税の評価額に持分をかけて課税価格を計算します。

このように、「課税価格=固定遺産税の評価額」なのですが、単純にイコールとならないケースも多々あります。

② 売買による建物の所有権移転(所有権保存)

土地と同様「課税価格」×「税率」で、課税価格は固定遺産税の評価額となります。

税率は「住宅用家屋証明書」が使える場合とそうではない場合とで異なります。

・新築物件で住宅用家屋証明書が使える場合 0.15%
・中古物件で住宅用家屋証明書が使える場合 0.3%
・それ以外の場合 2%
(全て令和3年5月1日現在)
新築の住宅用家屋証明書のご案内

③ 抵当権設定登記

マイホームを購入する場合、住宅ローンを利用される方が多いと思いますが、その際にマイホームに抵当権を設定することになります。

抵当権設定登記の登録免許税の計算方法も「課税価格」×「税率」なのですが、抵当権設定登記の「課税価格」は、抵当権を設定する債権の金額(住宅ローンの金額)になります。

税率は建物と同様、住宅用家屋証明書が使えるかどうかによって異なります。

・住宅用家屋証明書が使える場合 0.1%
・それ以外の場合 0.4%
(全て令和3年5月1日現在)

3.登録免許税を上乗せして請求する司法書士への対応方法

このように登録免許税の計算方法は登記申請を常に行っている司法書士ではなければ分かりづらい面があり、一般の方ではパッと見ただけではその金額が本当に正しいのかどうかを判断するのは非常に困難です。

その為、大体数の司法書士はちゃんと正しい金額を請求しているのですが、一部の司法書士は「どうせ分からないだろう」と正しい金額に数十万上乗せして請求しているケースもあるのです。

(過去のケースで言えば、本来の登録免許税は約28万円だったところ、80万円を請求して懲戒処分になった司法書士がいました)。

では、このような詐欺的な行為を見抜く方法はあるのか?

事前にご自身で計算したり、他の司法書士に登録免許税の計算をお願いすると言った方法以外に、登記完了後ですが正しい登録免許税を確認する方法はあります。

それは「登記完了証」に記載されている登録免許税の金額を確認する方法です。

登記完了証は登記手続きが完了したときに法務局が発行してくれる、文字通り「登記が完了しました。」と言う書面なのですが、その書面に実際に納付された登録免許税の金額が記載されています。

つまり、司法書士から発行された請求書に記載されている登録免許税と、登記完了証の登録免許税の金額に差異があれば、その差異分について司法書士が自分のお金としている可能性が高いのです。

4.まとめ

繰り返しますが、ほとんどの司法書士は正しい登録免許税の金額を請求し、真面目に仕事をしています。

しかし、残念ながら、中には悪意を持ってあなたを騙そうとしている司法書士もいる事は事実です。

その為、司法書士に何らかの不動産の登記申請を依頼した場合、登記完了証の登録免許税の額を確認した方が良いでしょう。

この記事の執筆者(文責)
司法書士 甲斐智也

起業支援と商品・サービスのコンサル化のお手伝いもする司法書士|マーケティング思考でコンセプトをしっかりと考えた会社設立します|2級FP技能士|たまに心理カウンセラー|某球団マスコットの中の人の経験あり

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