
こんにちは。司法書士の甲斐(@tomoya_kai)です。
突然ですが、「司法書士」ってどんな仕事を行うか具体的にご存知ですか?
マイホームを購入した人であれば、99%の確率で司法書士と接したはずですので、何となく司法書士の仕事内容は分かると思います。
ただそれ以外の人は「何だろう?弁護士みたいな人?」みたいな感じだと思うんです。
そこで今回は、司法書士の仕事の代表的なもの、不動産や会社に関する「登記」についてお話ししたいと思います。
1.そもそも「登記」とは?
そもそも「登記」とは何なのでしょうか?
辞書的に言えばこのような意味です。
例えば、不動産の登記であれば、不動産の所在地や面積といった外形上の状態、所有者は誰か?、抵当権が設定されていないか等の権利に関する事です。
会社の登記であれば、会社の名前や所在地、代表取締役が誰か、と言った情報ですね。
不動産や企業間の取引において、第三者に不測の損害を被らせない為、公開された帳簿に記載する事が登記の制度趣旨になります。
(なお、現在は帳簿ではなく、全てデータ化されて管理されています。)
そして、司法書士はこれらの登記手続きについて、依頼者から依頼を受けて代理する事が出来るのです。
なお、単純に登記申請を行うだけではなく、登記申請を行う上で前提となる権利関係がきちんと発生したのかの確認と、その為に必要な書類の作成も行います。
不動産の売買であれば、不動産の契約書やそれに代わる書類(登記原因証明情報)、相続・贈与であれば遺産分割協議書、贈与契約書等です。
このように、単純に登記申請だけを行うのではなく、前提となる権利変動が問題なく発生したのかを確認する事で、不動産や企業間の取り引きについて、安全かつ安心して行えるようにする事が司法書士の仕事です。
2.不動産に関する事 不動産の名義(所有者)変更、抵当権設定等
それでは、具体的な登記手続きの内容について見て行きましょう。
まずは不動産に関する事です。
司法書士は不動産の「権利」に関する登記手続きを代理する事が出来ます。
例えばマイホームを購入した際、不動産の所有者は売主から買主に変更されます。
相続が発生した場合、不動産の所有者は亡くなった方(被相続人)から遺産分割協議を経て、相続人に変更されます。
このような、不動産の名義人となっている所有者の変更を、当事者の依頼を受けて司法書士は行う事が出来ます。
その他、
- 住宅ローン等の利用した事による抵当権設定
- 登記されている不動産の所有者の住所の変更登記
このような登記申請も司法書士が行えます。
3.会社に関する事 株式会社の設立、その他変更登記
会社を設立する為には、設立登記が必要になってきます。
司法書士はこの設立登記までの一連の流れを行う事が出来ます。
② その他、登記手続きに必要な書類の作成
③ 会社設立の登記申請代理
また、会社の登記は設立時だけではなく、例えば役員の変更があった場合等、既に登記されている事項に何らかの変更があった場合、司法書士はその変更の登記申請を行う事が出来ます。
なお、当事務所の会社設立手続きに関しては、下記のページをご参照下さい。

4.登記手続きは自分でも出来るのか?
「登記手続きを自分でやりたいのですが、それは可能ですか?」
沢山の事からこの質問を頂くのですが、私は良く、
「しっかりと勉強をして、リスクを十分に理解した上であれば、チャレンジしても良いと思います。」
と回答しています。
登記申請を本人で行うリスクとは何なのか?例えば不動産の売買であればこのような点が挙げられます。
このような状況になった場合、不動産の代金は支払ったとしても、不動産登記の名義を変更する事はほぼ不可能でしょう。
登記は不動産売買だけではなく、相続でも会社の登記でも、想像が出来ないリスクが孕んでいるのです。
良くインターネット上で
「登記は簡単。自分は出来た。だからあなたもやれば良い。」
と吹聴する人が良くいますが、これは、たまたま問題なく登記が完了しただけです。
登記申請をご自分で行うのであれば、結果だけを見るのではなく、潜在リスクをしっかりと理解し、全ては自己責任の上で行うようにして下さい。
5.まとめ
今回は司法書士の代表的な仕事である「登記」についてお話しました。
登記と聞くと何だか難しいと思われるかもしれませんが、司法書士は不動産や会社に関する手続きを行うんだなーと思って頂ければ大丈夫です。
実は司法書士の仕事は登記以外にも「裁判」に関する仕事もあります。
次回はこの裁判に関する事をお話したいと思います。