株式会社の設立時に定款の認証はなぜ必要なのか?

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

株式会社を設立する際の最初の難関は定款の作成です。

会社法上、決める事は様々あり、この段階で非常に苦労される起業家の方が沢山います。

苦労して定款の作成が終了したら、今度はその定款について、公証人の認証を受ける必要があります。

定款の認証とは、「定款が法律に規定されたルールに従って作成された事」を公証人が証明してくれる制度ですが、そもそもなぜ「公証人による定款の認証」が必要なのでしょうか?

今回はその理由についてお話します。

1.定款の認証が必要な理由

定款の認証とは、公証人が、発起人(もしくはその代理人)が作成した定款について、正当な手続きにより作成されたことを証明する事を言います。

株式会社を設立する際、定款を作成する必要があります(この最初の定款の事を「原始定款」と呼びます)。その原始定款について、法律上(会社法)、公証人の認証が必要とされています。

法律上の義務となっていますので、公証人の認証を受けていない定款は効力を生じません。

定款について公証人の認証が要求されている理由は、主に下記の2点です。

  • 発起人(もしくはその代理人)が原始定款を作成した事を証明。
  • その内容の明確性を確保し、後日紛争になったときにその内容を確実に証明し、不正行為を防止すること。

公証人の定款認証は、

「発起人が定款を作成したのか否か、その内容がどのようなものかということについて後日争いになったときに、その会社の定款がどのような内容であるかを一切確定することができないという不都合が生ずることを回避するため、その原始定款の内容を後日確実に証明することができるようにするために制度」

とされています(新・会社法千問の道標)。

「会社を取り巻く利害関係人は沢山存在し、その利害関係人の後日の紛争を未然に防止する事」が法律で定款認証を行う事を求められている最大の理由です。

2.定款認証の具体的な流れ

① まずは公証役場に電話し予約を行う

定款を作成したら、管轄の公証役場に電話をし、定款認証の予約を取ります。

管轄の公証役場は、会社の本店の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の所属公証人となります。

公証役場は下記のホームページから確認する事が出来ます。

予約が完了したら、当日持参する必要がある書類と発生する費用も聞いておきましょう。

② 定款を事前にチェックしてもらう

定款認証の予約を行ったら、作成した定款をFAXもしくはメールで事前にチェックしてもらいましょう。

事前にチェックする事で当日は認証のみを行えば良いだけになります。

公証人の定款チェックは、あくまで会社設立における法的な不備はないか?と言う点のチェックです。それ以外のチェック(例えば事業年度が適切か?等)についてはチェック外になりますのでご注意下さい。

③ 定款認証をしてもらう

予約した当日、必要書類と費用を持参し、公証役場に行きます。

定款の認証は10分~20分程度で終了します。

3.合同会社はなぜ定款の認証は必要ないのか?

このように株式会社は定款の認証が必要になってくるのですが、合同会社では定款の認証は必要はありません。

その理由ですが、定款の認証は上記の通り「後日の争い」を防止する為に行うのが目的です。

ここでいう後日の争い、多くの場合は会社(経営者)と株主の争いです。

株式会社は、基本的には「所有と経営」が分離しています。つまり、株主と経営者が分かれていることを前提とした会社形態です(同じ場合もありますが)。

そして定款にはこの経営者と株主に関するルールが沢山ありますので、一旦争いになってしまうと、定款を巡っての争いに発展しかねません。

その為、公証人が定款を認証し、「間違いなく定款が法律上適切に作成された事」を証明する必要があるのです。

それに対して、合同会社は出資者と経営者は同一です。

つまり、株式会社のような、出資者と経営者の争いは起こり得ないのです。

その為、公証人と言う第三者の認証が無くとも、任意の定款でも設立が認められているのでは、と考えられているのです。

4.まとめ

定款の認証についてのポイントは、ずばり、公証人による定款の事前のチェックでしょう。

この段階で公証人から様々な手直しが要求されると思います。

その手直しについて理解が出来れば良いのですが、初めて定款を作成し、難しい法律的な言い回しに頭を抱える事もあると思います。

その場合はぜひ司法書士にご相談して下さい。

当事務所でもご相談は随時受け付けております。お気軽にお問い合わせ下さい。

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熱き志を持つ起業家を法律とマーケティングで支援する司法書士。趣味はキックボクシングと朗読。

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