他人のツイートをスクショして投稿したら著作権侵害?

法律知識一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

先日、「他人のツイートをスクショして投稿したら著作権侵害?」と言う裁判が話題になりました。

(判例の全文はこちらです。)
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/826/090826_hanrei.pdf

Twitterで他人のツイートをスクショして、その画像を添付してコメントを載せてツイートしている人を見たことはありませんか?

誰かのツイートを引用リツイートしたいけど、その誰かにブロックされているので、該当のツイートを裏垢等でスクショして、その画像を添付、コメントしてツイートをする方法です。

この投稿方法が「著作権違反」を理由として、相手を特定する為にプロパイダに対して原告が発信者情報開示請求をしたのが今回の事案の内容です。

結果を先に言いますと、裁判所は他人のツイートをスクショして投稿するのは著作権侵害として原告の開示請求を認めました。

1.事件の概要

AとBがX(原告)のツイートのスクショを貼り付けてツイートし、XがA,B両名と訴訟するためにNTTドコモに対し発信者情報開示請求を行いました。

XのツイートはXの「著作物」にあたり、その著作物をA及びBが侵害した、と言う内容です。

なので今回の争点は下記のとおりです。

  • Xのツイートは著作物にあたるのか?
  • AとBの行為は著作物の「引用」に該当するのか?
    (引用に該当した場合、著作権法違反にはなりませんので。)

2.裁判所の判断

裁判所は

  • Xのツイートは「著作物」である。
  • AとBの行為は著作物の「引用」に該当しない。

と判断しました。

著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」です。

そして著作権とは、「著作者が自分が創作した『著作物』の利用を認めたり禁止できる権利」の事です。

今回のケース、Xは様々なツイートをしていますが、例えば、

『去年の今頃,「@E 」とかいう高校3年生の維新信者に絡まれて勝手にブロックされて「何したいんだ,このガキ?」って事がさっき、あのガキのツイートが目に入ったんだけど受験に失敗して浪人するわ都構想は否決されるわで散々な1年だった様だ「ざまあ」以外の感想が浮かばない(笑)』

と言うツイートをしていますが、このツイートに対して裁判所は

『140文字以内という文字数制限の中,かつてツイッター上で特定のユーザーとトラブルとなった経緯のほか、その後,当該ユーザーの政治的主張が採用されなかったこと,当該ユーザーが大学入試に失敗したことを端的に紹介した上で,当該ユーザーが不幸に見舞われたことを「ざまあ」の三文字で嘲笑するものであり,その構成には作者である原告の工夫が見られ、また、表現内容においても作者である原告の個性が現れているということができる。そうすると、原告投稿3は,原告の思想又は感情を創作的に表現したものであり,言語の著作物(著作権法10条1号)に該当するものと認められる。』

と判断し、原告Xのツイートを著作物と認定しました。

なお、ある程度の長さの文章はツイートでも著作物にあたると判断される事が多いです。

3.著作物の引用に該当するか?

AとBの行為が著作物の「引用」にあたる場合著作権法違反に該当しません。しかし、裁判所はAとBの行為を著作権法上の引用とは認めませんでした。

面白いのが、その根拠としてTwitterの規約を持ち出した事です。

他人の著作物は,公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評,、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われる場合には,これを引用して利用することができます(著作権法32条1項)。

そしてツイッターの規約は、

ツイッター上のコンテンツの複製、修正、これに基づく二次的著作物の作成、配信等をする場合には、ツイッターが提供するインターフェース及び手順を使用しなければならない。

と規定されています。

つまり、

  • ツイッターは、他人のコンテンツを引用する手順として、引用ツイートという方法を設けていることが認められる。
  • でもAとBは引用リツイートによる方法による投稿をしていないので、公正な慣行に合致するものと認めることはできない。(その他の著作権法上の引用の要件も満たしていない。)

と言う判断がなされ、裁判所は著作権法上の引用を認めませんでした。

4.まとめ

今回の事案はAとBに対する訴訟ではなく、あくまでその前段階としての発信者情報開示請求における訴訟の中での判断です。

その為、他人のツイートをスクショして投稿したら全て著作権侵害になるのか?と言う点はまだハッキリしていませんし、実際の損害賠償請求ではどう判断されるのか分かりません。

しかし、このような判例が出た以上、スクショ画像を貼り付けてツイートするのは気を付けた方が良いかも知れませんね。

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熱き志を持つ起業家を法律とマーケティングで支援する司法書士。趣味はキックボクシングと朗読。

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