資本金の額の減少(減資)の手続きと登記申請

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

最近、コロナ禍の影響か減資を行っている大企業が多いとニュースになっています。

減資(資本金の額の減少)を行う事で様々なメリットがあるのですが、減資は会社法に定められた手続きですので、そのルールに則る必要があります。

また、資本金は登記事項ですので登記手続きも必要になりますので、今回は減資の手続きと登記申請の方法をお話ししたいと思います。

1.減資とは?

減資とは、会社の資本金を減少させる手続きです。

資本金は会社の登記事項証明書に記載されていたり、貸借対照表(BS)に計上されている数値です。

この数値を減らすのが資本金の額の減少の手続きで、様々な目的で利用されています。

資本金の額によって税率が変わり、最近のコロナ禍で利用されている減資の目的がまさにこの「税金の為」と言うケースが多いでしょう。

なお、減資のその他の目的として累積赤字の補填や、資本金を資本剰余金として株主に配当する等があります。

2.減資の手続き

① 株主総会の決議

資本金の額の減少をする場合、原則として株主総会での特別決議が必要になってきます。

【特別決議】
・その株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、
・出席した株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数決で行う決議。

なお、株主総会では、次の事項を決める必要があります(会社法第447条)。

  • 減少する資本金の額
  • 減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額
  • 効力発生日

原則は株主総会の特別決議ですが、定時株主総会において減少する資本金の額が定時株主総会の日における欠損の額を超えない場合は、普通決議でOKです。

【欠損】
会社の純資産額(資本総額−負債総額)が、資本金と法定準備金(資本準備金と利益準備金)との合計額を下回っている状態。

② 債権者保護手続き

資本金の額を減少するときは、1ヶ月以上の期間を定めて債権者保護手続きが必要になってきます。

債権者保護手続きは下記の内容について、原則として官報に公告する必要があります。

  • 資本金の額の減少の内容
  • 計算書類に関する事項
  • 債権者が一定の期間内に異議を述べることができること

なお、知れている債権者に対しては公告だけではなく、個別に債権者保護手続きに関する催告(通知)を行う必要があります。

ただし、官報の他、定款の規定に従って二重に公告する場合、上記の各別の催告は必要ありません。

資本金の額の減少の株主総会の決議より先に債権者保護手続きを行うことも可能です。

③ 登記申請

資本金の額の減少の効力発生日から2週間以内に本店所在地を管轄する法務局に対して登記申請を行います。

株式会社変更登記申請書

1.会社法人等番号 0000-00-000000
フリガナ     ヤマダショウカイ
1.商 号    株式会社ヤマダ商会
1.本 店    東京都町田市〇〇一丁目2番3号
1.登記の事由  資本金の額の減少
1.登記すべき事項
令和●年●月●日次のとおり変更
資本金の額 金●万円
1.登録免許税    金3万円
1.添付書類
株主総会議事録 1通
株主リスト   1通
債権者に対する公告、催告を証する書面 ●通
異議を述べた債権者はいない

上記のとおり登記の申請をします

令和●年●月●日
申請人  東京都町田市〇〇一丁目2番3号
株式会社ヤマダ商会
東京都港区港123番地456
代表取締役 山田 太郎 (会社実印)
連絡先の電話番号 〇〇〇ー〇〇〇ー〇〇〇〇

〇〇法務局 御中

3.まとめ

資本金の額の減少は債権者保護手続きが必要になり、最低でも1ヶ月は必要になってきます。

その為、スケジュールに関しては綿密に計画するようにしましょう。

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