会社の資本金はいくらにすれば良いのか?

財務・会計・税務

こんにちは。甲斐です。

株式会社や合同会社を設立する時に色々な事を決める必要があるのですが、その中の一つに「資本金」があります。

資本金は会社では大変メジャーな言葉なので知らない人はいないと思いますが、では資本金をいくらにすれば良いのか?と言う点で悩んでしまう場合があるんですね。

(会社設立を行う上で、特にこれと言ったルールはありませんので・・・。)

そこで今回は、会社設立の基本の一つである「資本金」を一体いくらにすれば良いのか?と言うお話です。

1.そもそも「資本金」って何ですか?

資本金と言う言葉は皆さん聞いた事があると思いますが、では「資本金」とはそもそも何なのでしょうか?

会社を作りたい!と思っても、資本金の言葉の意味を正確に説明できる人は少ないと思いますので、まずはこれを抑えましょう。

資本金とは、事業を円滑に進めるために株主が会社に出資した金額のことです。つまり、事業を行う上での元手ですね。

事業を行う上で当然様々なお金が必要になってきます。

オフィスを借りる資金であったり、パソコン等の備品の購入代金だったり、何かしらの仕入れが発生したり。

ビジネスを行う上で必ず元手が必要になるのですが、株式会社や合同会社ではこの元手を「資本金」として決めて、最終的に登記がされる事になります。

なので、「資本金をいくらにするか?」を考える一つの要素として、登記がされるので「第三者に見られる」事は絶対に意識しなくてはいけません。

それは初期投資がかからないスモールビジネスでも同様です。

2.資本金はいくらにすれば良いのか?

資本金については(融資を受けたり許認可に関連する事を除けば)ルールはありません。その為、資本金を「1円」にしても会社を設立する事は可能です。

ただ、ビジネスを行う上で絶対に忘れてはいけないのが、先程お話しました「お客さんや第三者の視点」です。

資本金1円やあまりにも低い資本金の会社と、取引したい企業ってあるでしょうか?

上記のとおり、会社の資本金は登記されますので、登記事項証明書を取得されれば自社の資本金は簡単に分かります。

銀行であれば定款まで要求してくる事もあるでしょう。

その時に資本金が1円とか数十万円だった場合、「この会社大丈夫?」と思われるでしょう。

さらに事業目的が20個も30個もあった場合、「この資本金の額でこんなに事業を行える訳がない。この会社、怪しくない??」とかなり疑われます。

こうなれば新規の取り引きはほぼ不可能でしょう。

「そんなばかな。登記事項証明書なんてそうそう見られないでしょ?」

と思われたあなた。それは認識が大変甘いです。登記事項証明書は誰でも簡単に取得する事が出来ますし、あなたが知らないだけで、取引先からは良く見られているのです。

ではそのような状況を踏まえ、資本金をいくらにすれば良いかですが、(融資や許認可の事を除けば)最低でも100万円は準備した方が良いです。

(欲を言えば300万円。昔の有限会社の資本金の額です。)

最近はSNSの普及や「会社設立は簡単に出来る」サイト等の関連で、簡単に起業(会社設立)をする事ができます。

しかし、会社設立が簡単である事と安易に起業する事は別のお話です。

この二つを良く理解せず誰かに言われるがまま起業してしまい、結局ビジネスが上手くいかずに廃業する人は星の数ほどいます。

だからこそ、資本金をしっかりと準備して安易な気持ちではなく真剣にビジネスに取り組む必要があります。

また安易に「会社設立は簡単に出来るサイト」は利用しない方が良いです。

全て自己責任の下、しっかりと勉強をして問題がない会社を作るのであれば良いのですが、そうではなく単なる「箱」として会社を作るのは大変危険ですので。

(このような認識では、ビジネス上のルールも法律も簡単に破る事になるでしょう。)

会社は作って終わりではありません。会社設立にはそれなりの手間と費用をかけ、専門家と相談し、行き当たりばったりではなく戦略的にビジネスを進めるようにして下さい。

3.まとめ

今回は資本金に関する事でしたが、会社の情報は登記事項証明書等から簡単に「見られている事」を常に意識するようにして下さい。

「常に見られている事を意識する」事が、自分本位の独りよがりのビジネスから脱却し、世の中に本当に求められているビジネスを行うスタートとなるのです。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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