司法書士が見た会社設立トラブル10選

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

先日、Twitterで「司法書士が見た会社設立トラブル10選」と言うのをツイートしたら、ちょっとバズってしまいました。

これ、とある方がやっている企画のパクリなのですが(その人は司法書士ではありません)、非常に分かりやすいと言う事で好評を得ました。

ただ、スペースの都合上詳しい事が書けなかったので、ブログにて各項目の詳細な内容についてお話していきたい思います。

なお、ツイートもしていますが各順位はテキトーですのでご了承下さい。

1.法務局で何でも相談できると思っていた。

登記と言えば法務局ですので、「法務局と言う『役所』に聞けば何でも丁寧に教えてくれる!」と思っている方が多いのですが、まずこれが間違いです。

法務局って、申請された登記の内容を審査する行政組織なんです。

これが区役所・市役所とは大きな違いであり、審査が必要な事項について親切丁寧に教える事はあり得ないんですね。

何故なら、他の人との関係で不公平になるからです。

例えば補助金について、行政側が審査が通るような書類の書き方を教えるのはNGだって事はすぐにイメージできますよね?

法務局の審査もそれと同じ事なので、登記について親切丁寧に教える事はできないのです。

もし、「あそこの法務局では親切丁寧に教えてもらった!」と言う経験がある方は、その法務局が単にルールを破っているだけです。一般論ではありません。

2.役員の任期をテキトーに決めてしまった

良くある「自分で会社設立ができる」サイトやソフトの役員任期は、初期設定で「2年」となっている場合が多いです。

これは一人会社の場合は一般的に短すぎるので10年に変更する場合がありますが、10年にしてしまったら任期を忘れてしまい、いわゆる「みなし解散」の危険性もあります。

また、取締役を複数にした場合、任期を良く考えて決めなければ何かあったときに事実上解任が難しくなる事もあります。

正当な理由なく取締役を解任した場合、任期までの報酬を損害賠償として支払わなくてはいけない可能性が出てくるからです。

3.定款のデータをどこかに失くした

定款は会社の基本的なルールを定めた重要なものです。

会社設立後に何らかの登記申請を行う場合、定款をチェックする必要が良くあるので、この定款(のデータ)を失くしてしまうと、登記申請に支障をきたす場合があります。

4.許認可の要件を確認していない

飲食店等、許認可を必要とする事業を行う場合、事業目的や資本金等に要件が定められている場合があります。

この要件を満たしていない場合、変更登記等を行う必要があり、手間と時間とお金がかかってしまいます。

5.商号調査をしていない

自分が使いたい会社名について、他の人が商標登録している場合、その会社名を使用出来ない事があります。

商標登録をチェックせず会社設立をしてしまった場合、後々トラブルになる可能性があるので必ずチェックするようにしましょう。

商標登録は下記のサイトで確認する事が出来ます。

6.事業年度の設定ミス

会社は登記を行う事で成立し、そこから事業年度がスタートします。

ただ、中には「登記が完了した日」を最初の事業年度のスタートと勘違いをされていた方がいて、会社成立→即事業年度終了、と言う冗談のような事になってしまった会社もあります。

また、事業年度は消費税の免税に関する期間にも影響がありますので、事業年度はしっかりと考えて設定する必要があります。

7.事業目的の詰め込めすぎ

一部の起業コンサルタントが

「事業目的は将来行う予定のモノも含め、沢山入れておきましょう。後で変更すると費用がかかりますので」

と言っている場合がありますが、とは言え20個も30個も関連性がない事業目的を入れるのはやりすぎです。

銀行は法人口座の開設時、このような部分を見て口座開設の拒否の判断をしている事もあるのです。

8.持ち株比率が全員同じ

複数の人間と会社を立ち上げ、出資比率を全て同じにしたケースです。

会社の経営に関する重要な事は株主総会で決める必要がありますが、その際株主が2人で同じ株式数を保有している場合、経営に関する意思決定ができず、会社の経営に支障をきたす事があります。

9.司法書士以外に会社設立を依頼

会社は登記を行う事で成立しますが、この登記は司法書士(と弁護士)以外は出来ません。

税理士や行政書士、その他良く分からないコンサルタントが本人申請の体で会社設立を行う場合がありますが、これは違法行為であり、設立行為が無効になる危険性があります。

会社設立は丸ごと司法書士にご依頼して下さい。

10.費用をケチって会社設立(起業)をしてしまう

株式会社を設立する際の実費は約20万円(公証人手数料5万、登録免許税15万円)、司法書士報酬はだいたい10万円前後です。

最近は「0円で会社設立できる!」と広告している士業がいて、この合計30万円前後の費用をケチって会社設立をしようとする人がいます。

ハッキリ言ってこの程度の金額をケチるようでは、ビジネスは上手くいきません。ビジネスはそんなに甘い世界ではありませんし、そんな甘い考えではすぐに廃業してしまうでしょう。

なので、厳しい言い方ですが、この程度の金額をケチるようではすぐに失敗しますので、起業はしない方が良いでしょう。

11.まとめ

ザっと挙げるだけで、会社設立に関するトラブルはこれだけあります。

勿論、freeeやマネーフォワードや会社設立ひとりでできるもん等を利用して、ご自分で会社設立を行っても全然良いでしょう。

しかし、このようなトラブルが実際にある以上、「会社設立は簡単」ではない事はご理解下さい。

もし少しでもご不安だったり、ちゃんとした会社を設立されたい場合は、お気軽に当事務所までご相談下さい。

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