司法書士の報酬はなぜ高いのか?(会社設立編)

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

司法書士の代表的な仕事が登記です。

登記には主に不動産登記と商業登記(会社に関する登記)があり、商業登記で代表的なのが「会社設立」です。

会社設立は司法書士の代表的な業務なのですが、実際に司法書士に会社設立を依頼を行い、その見積もりをご覧になられて

「え、こんなにするの?高い!ボッタくりじゃないの?」

と思われた方も少なくないはず。

さらに、ネット上で、

「設立代行0円!」

なんて歌っている会社設立代行業者もいますので、司法書士の見積りが際立って高く見えるでしょう。

そこで今回は、この『会社設立における司法書士の報酬』について、じっくりとお話していきたいと思います。

1.そもそも、実費(登録免許税、定款認証手数料)が高い

上記が司法書士が使用している会社設立登記における一般的な見積書の形式です。

合計で31万1,600円と、この見積だけを見ますと司法書士は非常に儲かっているように見えますね。

でも、実際にこの金額が全て司法書士の手に渡るわけではありません。

司法書士の登記の見積もりはほとんどの場合、登録免許税等の「実費」を合算して算出しています。

この登録免許税を合算したトータルの金額だけを見れば『高い』『ぼったくり』と思われるかも知れませんが、この登録免許税は、誰が(司法書士以外でも)登記手続きしても、絶対に発生する、金額の変化が有り得ない『税金』です。

そのため、司法書士の報酬が『高い』『ぼったくり』との議論を行うのであれば、この登録免許税を除いた金額で議論をする必要があります。

上記の見積で言えば「報酬額」です。この金額が他の司法書士事務所と比べてどうか?と言ったお話しをする必要があります。

それでは、会社設立登記における適正な司法書士報酬の額はどれくらいなのか?と言うお話しですが、各司法書士事務所が自由に報酬を決めて良い事になっていますので、それは司法書士によって異なります。

会社設立であれば

① 定款に必要な事項のヒアリング
② 定款作成、公証人の認証
➂ その他、登記申請に必要な書類の作成、登記申請

と言う流れになりますが、純粋な司法書士報酬は、だいたい10万円前後ぐらいだと思います。

2.司法書士の報酬の本質とは?

そもそも司法書士の報酬とは何なのでしょうか?

昔は単純に手続き報酬の意味合いがあったのですが、最近の登記申請における司法書士報酬の本質とは、『責任に対する対価』とされています。

司法書士は、単純に登記手続きを行うだけではありません。

会社設立では、会社経営者が後から困る事がない「間違いがない」会社を設立する責任があります。

登記申請におけるルールを定めた商業登記法上は勿論、実体法でもある会社法上で問題がない会社を設立する事について、司法書士は責任を負っているのです。

3.「会社設立代行0円業者」の真実

先程も少し触れましたが、最近はインターネットで検索すると

「会社設立を0円で代行します!」

と言う業者の広告が大量に出てきます。

「何だ。会社設立は0円で出来るんじゃん。だったら司法書士なんかに依頼しなくても良いよね。」

と思ったあなた、その考えは大変危険です。

そもそも誰かの代わりに手続きを行うのに、「0円」なんてのはあり得ません。

これにはちゃんと裏があるんです。

「会社設立代行0円業者」はほとんどのケースで税理士事務所が行っています。

その理由は、会社設立は0円でやってあげるけど、その代わりに税務の顧問契約をしてね、と言うやり方なんです。

これが「会社設立代行0円」のカラクリです。

さらに、税理士はそもそも会社設立を行う事は法律上できません(違法行為で刑事罰の対象になります)。

その為、「会社設立代行0円業者」の広告を見て、「会社設立はもっと安くなるでしょ!」と言うのはあまり参考にならないのです。

4.まとめ -それでも司法書士報酬が高いと思ったら?-

会社を設立すると言う事は、様々な人とビジネスを行うと言う事です。

新規の取り引きを行う場合、その企業の登記事項証明書を取得するのは、取り引きリスクを考える上で常識になっています。

新規の取引先企業があなたの会社の登記事項証明書を取得した時、登記上問題があるようであれば「ちょっと取引するのは止めておこう。」と思われるかもしれません。

司法書士はそのような事がないよう、あなたの今後のビジネスの為に、見た目も中身もしっかりとした会社を作ります。

その責任の対価が、10万ぐらいです。

これでも、司法書士の報酬は『高い』でしょうか?『ぼったくり』でしょうか?

ぜひ本質を見極めて、じっくりと議論して頂きたいと思います。

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