こんにちは。甲斐です。
コンサルタントやコーチ、士業等、いわゆる対人支援ビジネスについて、「先生ポジションが大切だよ」と言われる事があります。
先生ポジションに関してはちょっと調べるだけで様々な企業やコンサルタントがセミナー等を行っており、対人支援ビジネスについて無視できない存在となっています。
なので集客に困っている・悩みがある対人支援ビジネスをしている人が、上記の「先生ポジションを取る為のセミナー」を良く受けているようで、これらのセミナーは繁盛しているようなのですが、先生ポジションにはちょっとした問題もあるのです。
今回は先生ポジションのセミナーの講師が言わない、対人支援ビジネスにおいて「先生ポジションを取ってはいけない理由」についてお話したいと思います。
1.先生ポジションとは?
先生ポジションとは、あなたと見込み客との間に「教えてくれる人(先生=あなた)、教えてもらう人(生徒=見込み顧客)」という関係性を築くことです。
まさに学校の先生と生徒の関係性を想像して頂ければ分かりやすいですね。
なぜ対人ビジネスで先生ポジションを取った方が良いかと言う理由ですが、端的に言えば「集客がしやすいから」です。
例えばあなたが見込み顧客から「高度な専門性がある人」「色々な事を教えてもらいたい。指導してもらいたい」と思えてもらえたら、売り込む必要なく簡単に契約を取る事ができるでしょう。
逆に先生ポジションが取れていなければ報酬について値切り交渉されたり、ちょっとした事でクレーマー化する可能性があります。
このように先生ポジションを取る事によって、高単価な仕事を受注する事ができ、顧客の質も良いと言った感じでストレスフリーで仕事が出来るのです。
・・・と言ってしまえば何も悪い事ないので、どんどん先生ポジションを取るべきだと思われるかもしれませんが、実はここに落とし穴があるのです。
2.先生ポジションを取ってはいけない理由
① 依存度が強いクライアントが集まってしまうから
先生ポジションを取ると言うことは、一種のインフルエンサーになる事と非常に似ています。ある意味あなたを信仰の対象として、クライアントはあなたの「信者」となるんですね。
この「信者ビジネス」のような展開を行った場合、集客は楽になりますがその反面、大きな問題が出てきます。
それは「依存度が強いクライアントが集まる」と言う点です。
コンサルティング等の対人支援ビジネスの最終目標は、クライアントが自走できるような状態にする事です。
ところが依存度が強いクライアントの場合、いつまでたってもクライアントが自走する事ができず、それどころか先生であるあなたと人間関係等でトラブルになる可能性も出てきます。
先生ポジションを取る事でストレスフリーで仕事をしたいと思ったのに、先生ポジションを取る事で逆にクライアントとの人間関係でストレスになる。
そんな笑い話にならない事にもなる可能性があるのです。
② そもそもクライアントは「生徒」ではなく、ビジネスパートナー
「先生ポジションを取りましょう」と言うコンサルタントが良く自分のクライアントの事を「コンサル生」と呼んでいる事があるのですが、これが正直非常に気持ち悪い。
例えば戦略ファームでバリバリ働いているプロのコンサルタントが、自分のクライアントの事を「生徒」なんて呼ぶでしょうか?そんなの聞いた事がありません。
クライアントはクライアントです。コンサルティングと言う仕事を行った結果、その報酬を頂いている関係性であり、言うなればビジネスパートナーです。そこには先生とか生徒と言ったポジション上の上下関係はありません。
それなのにクライアントを「生徒」のように振る舞うのは、クライアントを馬鹿にしているような感じで、非常に違和感を感じるのです。
3.まとめ
先生ポジションを取るのは「集客をしやすくする」と言う目的があります。ただ無理に先生ポジションを取らなくても集客を行う事は十分に可能です。
それはこのブログでも何度も出てきますが、ビジネスコンセプトを明確にする事です。
- どのような悩み・願望を持っている人に対して
- どのような方法で
- どのような未来に連れて行ってあげるのか?
あくまで相手視点で考える事により、先生と生徒と言った上下関係ではなく、お互い対等にリスペクトしあう関係性と言うのがあるべき姿ではないでしょうか?
先生ポジションと取ると言う事は、あなたがそう思っていなくても、クライアントを馬鹿にしている事にも繋がりかねません。
あなたが望んでいるクライアントは、あなたの事を何でもかんでも聞いてくれる、依存性が強い人ですか?それともお互いがその道のプロとしてリスペクトしあえる人ですか?