新しくビジネスを行う場合、必ず法令上の制限をチェック!

ビジネス法務一般

こんにちは。甲斐です。

「もの凄いビジネスのアイディアを思いついた!」

常にビジネスの事を考えている起業家や起業したい人は、ふいにビジネスのアイディアを思いつく事があるでしょう。

で、アイディアを思いついたら色々な行動を取ると思うのですが、忘れてはならないのが、

そのビジネス、法令(法律)上の制限ってどうなってるの?

と言う視点です。

「法律なんて面倒くさい!まずは行動あるのみでしょ!!」と言う気持ちは良く分かります。

でも、自分がやりたい事業について法令上どのような制限があるのかをちゃんとリサーチしなかった結果、本人が認識していなくても違法行為を行ってしまい、結果としてお客さんに迷惑をかける事があるのです。

で、この法令上の制限ですが、ザックリと3つのカテゴリーに分ける事ができます。

  • 法令上禁止されている業務
  • 法令上その資格があればやれる業務
  • 誰がやってもいい業務

今回は、この法令上の制限に関する基本的な知識のお話です。

1.法令上禁止されている業務

その業務を行う事が法令で明確に禁止されている業務の事です。

例えば、あなたが一般的な人材派遣会社を作りたい場合を考えてみましょう。

事業として派遣会社を行いたい場合、適切な許認可を取る必要があります(労働者派遣事業許可等)。

では適切な許認可を取ればどんな業務でも派遣社員を送り込む事が出来るのかと言えば、実はそうではないんですね。

例えば港湾運送業務。港湾運送業務とは、港湾における船内荷役・はしけ運送・沿岸荷役やいかだ運送、船積貨物の鑑定・検量等の業務の事です。

港湾運送業務はその業務の性質上(非常に危険が伴う事がありますので)、別のルールが導入されており、通常の人材派遣会社が人材を派遣する事が禁止されています。

このように、様々な理由から法令で明確に禁止されている業務があるのです。

2.法令上その資格があればやれる業務

これは僕が取得している司法書士が該当します。

他人から依頼を受け、登記申請や裁判所に提出する書類の作成が出来るのは、弁護士を除けば司法書士のみです。

このような資格制度が必要な理由は様々あるのですが、大きな理由が能力担保の為です。

その業務の性質上、一定の能力がない人間がその業務を行うと、一般市民に甚大な損害を発生させてしまう恐れがあります。

相続放棄を例に出して説明しますね。

相続放棄は文字通り相続を放棄する(相続人ではなくなる)手続きで、亡くなった方に借金があった場合等に取られる手続きです。

相続と言う偶然の結果から、莫大な借金を背負ってしまうのは大変な事になりますから。

相続放棄は家庭裁判所に対して申述書を提出して行う手続きなのですが、申述書の書き方が不適切な場合、相続放棄が認められない可能性も出てきます。

そうすると、相続人にとってみれば大損害を被ることになりますよね。

だからこそ、このような重大な結果が生じる業務について、一定の能力がある事を担保する為に、資格制度と言うのが存在しているのです。

3.誰がやってもいい業務

法令上の制限がなく誰も出来る業務のことです。

例えば、コンサルティング業務がこれに該当します。

一応、コンサルティング業務の資格として、「中小企業診断士」と言う資格がありますが、この資格を取らなくてもコンサルティング業務はできます。

4.まとめ

このように法令上の制限としてカテゴリー分けが出来るのですが、大切なのが、「なぜ法令上の制限があるのか?」と考える事です。

もう一度言いますが、その業務について法令上の制限がある理由は必ずあり、その理由をしっかりと理解しなければ独りよがりの仕事となって、お客さんに迷惑をかける事になります。

単純に法令上の制限を調べるだけではなくその理由にも気を配るようにしましょう。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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