司法書士って何するの? -裁判所提出書類作成編-

法律知識一般

こんにちは。司法書士の甲斐(@tomoya_kai)です。

前回の司法書士って何するの? -不動産登記、商業登記(会社登記)編-の続きとなります。

司法書士って何するの? -不動産登記、商業登記(会社登記)編-
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司法書士は登記以外の業務として、「裁判所に提出する書類の作成」について、クライアントから依頼を受けて行う事が出来ます。

しかし、「裁判所に提出する書類」は非常に幅広い為、具体的にどのような手続きなのかが分かりにくい部分があります。

そこで今回は、数ある「裁判所に提出する書類」のうち、司法書士が良く行っている代表的なものを挙げてみたいと思います。

1.民事事件に関する事

① 民事訴訟 -訴状、答弁書、準備書面等-

裁判と聞いて真っ先に思いつくのが、原告、被告に分かれて争う民事訴訟ではないでしょうか?

例えば、あなたが友人に対してお金を貸したけれど返してもらえず、民事訴訟を行う場合、まず自分の法的主張をまとめた「訴状」を作成し、裁判所に提出する必要があります。

一方、訴えられた側にも様々な法的な言い分があると思いますが、その言い分については「答弁書」と言う書面を作成し、裁判所に提出する必要があります。

その後、さらに主張したい事があれば「準備書面」と言う書類を作成し、裁判所に提出します。

このように民事訴訟の手続きは訴状・答弁書・準備書面と言った書面のやり取りで進む事になるのですが、司法書士は当事者から依頼を受けて、これらの民事訴訟に必要な書類を作成する事が出来ます。

つまり、本人の訴訟を訴状等を作成してサポートすると言う役目があります。

② 民事保全

民事保全は上記の民事訴訟を行う前の手続きで、例えば民事訴訟を行ったとしても相手が財産を処分する恐れがある場合に、仮に財産を差し押さえる制度です。

民事保全は仮差押え、係争物に関する仮処分、仮の地位に関する仮処分がありますが、それぞれ申立書を作成し、裁判所に提出する必要がありますが、これらの申立書を司法書士が作成する事が出来ます。

③ 民事執行

例えば誰かにお金を貸していて、民事訴訟で相手に勝ったとしても、裁判所があなたの代わりに相手からお金を回収するわけでありません。

相手が任意にお金を支払わない場合、最終的には相手の財産を差し押さえる必要があります。

民事執行は民事訴訟の判決を実現する為の手続きで、その為には申立書を作成し、裁判所に提出する必要があります。

この申立書は、民事保全や民事訴訟と同様、裁判所に提出する書類である為、司法書士が作成する事が出来ます。

2.家事事件に関する事

① 相続放棄

続いて、相続に関連する手続きです。

相続放棄は初めから相続人では無かった事になる手続きですが、その為には相続放棄申述書を作成し、管轄の家庭裁判所に提出する必要があります。

また、相続人の事情によっては「上申書」と言った特別な書面を作成する必要があります。

家庭裁判所も裁判所である為、これら相続放棄に関する書類についても依頼を受けて作成する事が出来ます。

② 遺留分放棄の許可

兄弟姉妹以外の相続人には、最低相続分である「遺留分」がありますが、各相続人は相続が発生する前に裁判所の許可を得て、自分の遺留分を放棄する事が出来ます。

ただし、遺留分の放棄は事実上非常に厳格な手続きとなっており、家庭裁判所が遺留分の放棄が相当であると認めた場合、許可がなされます。

司法書士は当事者から「なぜ遺留分の放棄をしたいのか?」等ご事情を詳細にお伺いして、遺留分の放棄の許可に関する書面の作成を行う事が出来ます。

③ 相続財産管理人選任

亡くなった方に元々相続人がいなかった、もしくは相続人が全員相続放棄をして結果的に相続人がいなくなった場合、相続財産の清算の為に相続財産管理人の選任の申立てを行う場合があります。

この相続財産管理人選任の申立ても家庭裁判所に対する手続きである為、司法書士が作成する事が出来ます。

④ 遺産分割調停

調停は様々な形式がありますが、代表的なのが遺産分割調停です。

遺産分割調停は、相続において相続人同士の遺産分割協議が調わなかったり、そもそも協議が出来ない事情がある場合に、家庭裁判所を利用して遺産分割協議を行う手続きです。

遺産分割調停を行う場合、調停の申立書及びその他の書類を作成する必要がありますが、それらの書類を司法書士が作成する事が出来ます。

➄ 成年後見申立て

成年後見制度とは、認知症や知的障がい等の理由により、意思能力・判断能力が著しく低下した方の為に、家庭裁判所が選任した成年後見人が、本人の財産を保護したり、本人に代わって契約を行う制度です。

成年後見制度を利用する為には、成年後見の申立書やその他の書類を作成し、管轄の家庭裁判所に提出する必要がありますが、これらの書類を司法書士が作成する事が出来ます。

3.まとめ

以上、代表的な物を挙げてみましたが、裁判所に対して提出する書類はまだ沢山あります。

このように、「裁判所に対して提出する書類」であれば、司法書士はご本人の依頼を受けて作成する事ができます。

注意点としましては、書類は作成するけれど、手続きそのものはご本人が行う必要がある、と言う点です。

例えば、民事訴訟であれば、司法書士に訴状等を作成してもらい、裁判にはご本人が出廷する必要があると言う事です。

(もちろん、ご本人が裁判手続きを行えるよう、しっかりとサポートは行います。)

もし書類作成だけではなく、手続きそのものをお願いしたいと言うのであれば、認定司法書士(140万円までの請求)や弁護士にご依頼する必要があります。

そうではなく、あくまでご自身でこれらの裁判手続きを行いたい場合は、司法書士に書類の作成を依頼し、司法書士のサポートを受けると良いでしょう。

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