問題解決の基本。3つのステップで考える

コンサルティング・問題解決思考

こんにちは。甲斐です。

問題解決にはこの順番の流れでやると言った基本があり、その順番とは

  1. 問題を要素ごとに分解する。
  2. 真なる問題について、仮説・分析をする。
  3. 効果的な解決策を導き出す。

となります。

「それぞれ知っているよ!」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、この順番が重要である事はご存じではない方も多いと思います。

それぞれの事について知識があるとしてもその知識が繋がっていなければ全く意味はありません。いわゆる「体系的に理解する事」がポイントになってきますので。

それでは早速、問題解決の3つのステップについて、順番に分かりやすくお話していきたいと思います。

1.問題を要素ごとに分解する

なぜ問題を要素ごとに分解する必要があるのか?

問題は様々な要素が混然一体と複雑に絡み合ったモノです。その為、分解しないまま問題をいくら眺めてもワケがワカらないままで、効果的な打ち手を思いつくなんて、ほぼ不可能なんですね。

だからこそ、問題を分解し、問題の構造を理解する必要があります。

そして「本当に解決すべき問題(真なる問題)」を見付ける事が、問題を分解する目的です。

例えば、「月の売上をあと100万円増やしたい!」と言う問題(ギャップ)があったとします。

売上には様々な要素があるのですが、単に売上を増やすにはどうすれば良いか?と考えてはアレもコレも手当たり次第にやって、結果的に良く分からない状態になってしまいます。

それを防ぐには「売上」を構成する要素に分解し、売上の構造を理解する必要があります。

実際に売上を要素に分解すると

売上=顧客数×平均単価

となります。

で、この分解のポイントは「モレなくダブりなく」行う事です(いわゆる、MECE(ミーシー)ですね)。

分解が荒いと、本当に解決すべき問題が何なのかが分かりませんので。

では売上をもう少し細かく分解すると顧客数は

「顧客数=リード数×成約率×取引回数」

に分解する事ができます。つまり売上は

「売上=リード数×成約率×取引回数×平均単価」

になりますね。

こんな感じでどんどん分解していき、どの要素を改善すれば一番インパクトがあるのか?を検討します。

これが「本当に解決すべき問題(真なる問題)」に繋がるですが、これはロジックツリーを知っている人であれば常識ですね。

ただ、問題を分解してロジックツリーを作ってせっかく真なる問題を特定したとしても、実際に問題解決の為の効果的な打ち手まで考える事が出来ていない人は結構います。

それはなぜか?

そもそも問題を分解して真なる問題を特定したとしても、それが本当に解決すべき問題なのか?と言う検証をしていないからです。

問題を分解した段階では仮説にすぎません。だからこそ、冒頭でご紹介した「順番」が重要になってくるのです。

2.真なる問題(仮説)を分析・検証する

科学の分野にも通じることですが、仮説は本当に正しいのかどうかを検証する必要があります。

その検証方法ですが、「イシューツリー」を使います。

イシューとは検討課題、つまりここで言う「真なる問題」を出発点として、そこから導かれる要素について、その検討課題(仮説)が正しいかどうかを「YES/NO」で検討していくものです。

要素ごとに検討して全てが「YES」だった場合実行する、と言う流れになります。

例えば、街のパン屋さんが

「1日の売上をあと5万円増やしたい」

と言うのが問題だとして、その問題を分解した結果「新商品の販売」と言う真なる問題が出たとします。

これはあくまで仮説ですので

「新商品を販売すべきか?」と言うイシューに対し、様々な要素を「YES/NO」で検討します。

・予算はあるのか?
・新商品開発のノウハウはあるか?
・値段設定は妥当か?
・ニーズはあるのか?
・集客は可能か?
・費用対効果は見込めるのか?
・反応の検証は可能か?
・競合他社と勝てるのか?

等々と言った要素について「YES/NO」で検討し、全てが「YES」だったら実行します。

この要素のポイントですが、問題を分解するのと同様「モレなくダブりなく」行う事です。

この「モレなくダブりなく」を徹底しないと、やはり荒い分析になってしまいますので、「モレなくダブりなく」は徹底するようにしましょう。

なお、イシューはあくまで仮説なので、分析・検証を行っていく中で、イシューそのものの再検討が必要になってくる場合があります。

「せっかくイシューについて頑張って分析してきたのに、やりなおしかよ・・・」

とがっかりしてしまうかも知れませんが、それはきっちりとしたロジックで分析した結果あるべき方向が明確になったと言う事です。

なのでがっかりする必要はなく、あくまで喜ばしい事と思って下さい。

3.「空・雨・傘」で効果的な解決策を導き出す。

混然一体とした問題を分解し、仮定した「本当に解決すべき問題」(真なる問題:イシュー)について分析・検証する。

そして仮説が立証されれば効果的で具体的な解決策を導き出さすフェーズに移ります。

で、このイシューを分析・検証し解決策を実行するときに様々なデータや事実が集まってくるんですが、そのときに役に立つのが「空・雨・傘」のフレームワークです。

「空」とは現状はどうなっているのか?と言う事実(ファクト)。

「雨」とはその現状が何を意味するのか?と言う意味合い。

「傘」とはその意味合いから何をするのか?と言う解決策である打ち手を意味します。

「黒い雲が広がってきたなー」と言う事実。「雨が降るかも知れない」と言う意味合い。「だから傘を持って行こう」と言う行動。

当たり前と言えば当たり前の思考ですが、意外と出来ていない事があるので、ぜひこのフレームワークは意識してほしいんです。

例えば売上に苦戦している街のパン屋さんが「1日の売上をあと5万円増やしたい」と言う問題を設定。

現状の商品の売上を細かく分析・検証した結果、他のパンは売上低迷しているけど、野菜を豊富に使ったサンドイッチだけは売上を一定数キープしている事に気づく。

さらに観察していると20代~40代の世代で、体格が引き締まった人が買っている事が多いのに気づく。

そこから

「もしかしてコロナ禍で運動する人が増えてその際、食事にも気を付けるようになったのでは?」

と仮説(意味合い)を立てて、近隣のスポーツジムの会員数が増加しているのかを調べたりする。

その意味合いから

「栄養豊富で身体を引き締める事ができ、かつ空腹感も満たされる新商品(サンドイッチ)を開発しよう!」

と言う行動(解決策)に繋げる。

あくまで例ですが、こんな感じで「空・雨・傘」と一貫性を持って流れるように思考を巡らせるのがポイントです。

4.まとめ

おさらいですが、問題解決の基本パターンは

  1. 問題を要素ごとに分解する。
  2. 真なる問題について、分析・検証をする。
  3. 効果的な解決策を導き出す。

です。

基本はこの流れにそって問題を根本的に解決する事が重要になってきますが、現代社会は複雑になってきており、これだけでは問題を解決する事が難しい場合もあります。

しかし、何事も基本を押さえていないと応用が効かないので、きっちりと本質を理解するようにしましょう。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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