こんにちは。甲斐です。
今回は起業家のうつとかメンタルヘルスとか、ちょっと気が滅入るようなテーマを取り扱うので「夢見て起業するのに何て事を言うんだ!」と怒る方がいるかも知れません。
しかし、起業家とメンタルヘルス、うつの問題は非常に密接なものであり、起業家であれば誰にでも関係するものです。
みなさんはどうでしょうか?完全に「うつ」とは言い切れないけど、振り返ってみればうつっぽかったなーと思う時期が思い当たるのではないでしょうか?
僕自身もそのような時期はありました。
このように起業家とメンタルヘルスの不調の問題は切っても切れない関係にありますし、だからこそ、自分自身が理想とする人生を歩みたいのであれば、起業家はメンタルヘルスの問題とも向き合わなくてはならないのです。
1.どうして起業家はうつになりやすいのか?
そもそも起業家と言うのはメンタルの不調を抱えやすい職業と言われています。
実際、カリフォルニア大学バークレー校が以前、「起業家の約50%が、生涯に一度はメンタルヘルスの問題を抱える」という調査結果を発表しています。
良く「10年で9割の会社が倒産する」と言われており、起業するのは簡単になりましたが、安定的な収入を得て継続させる事は未だ難しいと言えるでしょう。
また、日本は失敗する事に寛容ではない空気感があります。起業に失敗した場合、あたかも「人生の失敗者」のようなレッテルを張られる事もあり、そのような様々なプレッシャーが起業家を追い込む事もあるでしょう。
また、起業家は「自責」を求められます。何があっても「自分の責任」と思うマインドセットですね。
有名な例で言えば、「郵便ポストが赤いのも自分の責任」と思うぐらいじゃなければ、起業家のマインドとしては不適切とか何とか。
起業する上で自責思考は非常に重要です。最終的に決断し行動するのは起業家自身ですので、厳しいマインドが求められるのは当然です。
このような厳しい「自責思考」でも、仕事が上手く行っていれば何も問題ない。むしろビジネスがさらに飛躍する為のブースター的な役割となってくれるでしょう。
しかし、起業家自身の責任が全くないにも関わらず、頑張っても頑張っても集客ができず売上が上がらなかったり、そこまで高くない報酬を値切り倒されたり、会話がかみ合わないクレーマー気質のお客さんとの対応に精神を削られたりする事は実際にあります。
このような状態って、相手からリスペクトされていない状態であり「自分が世間から必要とされていない。馬鹿にされているように思える」と言う感覚になってしまうんですね。
そのような困った状態になっても誰にも相談できず弱音を吐く事も許されず、「自責思考」が求められる。
そんな状態が長く続いたら、うつになっても何ら不識じゃないでしょう。
2.起業家はもっと他人を頼ろう
① 「自責思考」を正しく理解する
では、起業家がメンタルヘルス不調に陥らずに、自分が理想とするスタイルのビジネスを行うにはどうすれば良いか?
一つは正しく「自責思考」を理解する事です。
先程お話したとおり、起業家は「自責」の姿勢が求められます。ただ、現実問題として起業家の責任とは到底言えない出来事が沢山あるのもまた事実です。
そのようなときでも「自責」として捉えた場合、精神が崩壊する事だってあり得ます。
自責思考によって自分を追い込まない、正しい自責の捉え方は「客観的には自分の責任ではないけど、それでも改善点があるとすればどこだろう?」と物事を客観的に考える事です。
ある意味、他人事として考えると言いますか、そのような感覚の方が自分の心を守る事にも繋がります。
② 起業家仲間を見つける
「起業家は孤独」なんて良く言われますが、ちょっとした相談や弱音を語り合う事ができる起業家仲間を見つける事で、当然ながらこの孤独感を回避する事ができます。
一人で悶々と考えるよりも同じ境遇の誰かと話す事は意外とスッキリとしますし、違った視点のアドバイスから解決策が見つかる事があります。
馴れ合いの関係になる必要はありませんが、適切な距離でリスペクトしあえる関係性の仲間は見つけた方が良いでしょう。
③ メンタルヘルスの事を相談できる専門家を見つける
メンタルヘルスと聞くと精神的に弱った時に相談をするようなイメージがありますが、何でもないときにこそ相談した方が良いです。
何でも「予防」が大切ですし、事が大きくなったからでは対応が大変になる事がありますので。
「メンタルヘルスの専門家」と一口に言っても様々で、心理カウンセラーから下記の厚生労働省のHPで紹介されている精神保健福祉士や公認心理士等があります。
ご自分の状態等にあわせて、適切な専門家のカウンセリングを受けると良いと思います。
3.まとめ
起業家は、
- 「いつもポジティブに」
- 「コミュニケーション能力高く社交的に」
- 「弱音を吐いてはいけない」
等々、起業家としての「あるべき論」が沢山あります。
起業家として成功するには必要なマインドかも知れませんが、それが時には自分を苦しめ、メンタルヘルスの不調をもたらす原因にもなります。
年がら年中弱音を吐くのは問題ですが、弱音を吐きたいときはちゃんと吐きましょう。吐いてスッキリしたら、また仕事を頑張れば良いのですから。