ブランディングを意識した会社設立。当事務所の面談風景を再現してみました

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐(@tomoya_kai)です。

「会社設立を司法書士に依頼したいけれど、どんな感じで面談が進むのか分からない。知らない人だし、難しい専門用語を連発され、高圧的に話をされたらどうしよう。」

人は知らない人と話すと怖いし緊張もするもの。

まして相手が司法書士と言った「士業」であれば尚更でしょう。

実際に私の事務所に会社設立の依頼で来所された方も、最初は大変緊張されていました。

司法書士と依頼者の面談風景と言うのは他の方には当然分からないものですが、だからこそ敷居が高いと感じるし、分からないものには不安を感じて当然でしょう。

そこで今回は、私が会社設立の依頼を受けた際の実際の面談風景を再現してみました。

ポイントは「あなたがお客さんにどのように思われたいか?コンセプトを明確にする、ブランディングを意識した会社設立」です。

これはあくまで私の面談方法であり、他の司法書士事務所では当然別のやり方になります。

とは言え雰囲気は体感できると思いますので、参考にしていただければと思います。

1.依頼者の情報

まずは分かりやすく、依頼者の方の情報を設定しましょう。

名前:山田 香織
年齢:27歳
仕事:チラシやポスター、名刺等を作成する会社のデザイナー。

このような依頼者がやってきたと想定して、面談の様子を会話形式にしてみます。

2.コンセプトの明確化

山田さん初めまして。司法書士の甲斐と申します。よろしくお願いします。

初めまして。よろしくお願いします。あの・・・士業の方とお話するのは初めてで、緊張してて変な事を喋ってしまうかも知れませんが・・・よろしくお願いします。

そうですよね。常日頃から士業と接している方って少ないと思いますから。緊張するは当然です。専門用語を極力使わず分かりやすい表現でお話しますので、ご安心下さい。

はい。ありがとうございます。

それではまず、会社を設立して行いたい事業を聞かせて頂いてもよろしいですか?

はい。実は今までチラシや名刺を作る会社に勤務していて、そこでデザイナーをしてたんです。主にパン屋とかケーキ屋さんと言った個人店舗が主なお客様です。それで、そのデザイナーとしての経験を生かして独立したいと思っています。

では同じように、チラシや名刺等の作成を行うのですね。

はい。後、Wordpressを使ったWebサイトの作成の経験もありますので、それも考えています。

分かりました。ところで事業の「コンセプト」はもうお決まりですか?

コンセプト、ですか?

はい。簡単に言えば、
・どのような事に悩んでいる人に(誰に)
・どのような手段で(方法)
・どのような未来に導くのか?(結果)
と言う事です。

ビジネスを行う上では何よりもこの「コンセプト」が重要になってきて、これが不明確だと独りよがりになり、結果としてビジネスが上手くいかない、と言う事もあるのです。

そうなんですね。全く考えていませんでした。

もしよろしければ、このコンセプトを少し一緒に考えてみませんか?

はい。お願いします。

ではさっそく。まず「誰に」の部分を考えてみましょう。今までチラシや名刺のデザインを依頼した人は、どんな悩みを抱えていましたか?

そうですね・・・集客に関する一般的な悩みを抱えていたと思います。あ、そう言えば、「他の会社にチラシを作ってもらったけど、全く効果なかった」と言うお店が結構ありました!

その悩み抱えている企業って結構多いと思いますよ。私もそうです(笑)そのような悩みを抱えている人に、どのようなアプローチが出来そうですか?

そうですね・・・。私、デザインの打ち合わせの段階で、お客様の事業の内容を細かくヒアリングするんです。起業した経緯とかお店の商品に関するこだわりとか、お店に来るお客様とどのような話をしているのか、等です。

なるほど。お客さんの仕事に対する考え方、こだわりや文化等をキチンと理解しようとしているのですね。

はい。そうすると、「他の会社にチラシのデザインを依頼した時よりも集客できた!」と喜ばれたりしました。

他には何か言っていませんでしたか?

そう言えば、クレームが少なくなったって良く言われましたね。何でだろう?

山田さんがお店の考え方やこだわりをキチンとヒアリングして、チラシのデザインに反映させたからだと思います。だからこそ、その考え方やこだわりに共感した人しかお客さんにならなかったんですね。

なるほど!

今までの話しで少しコンセプトが見えてきましたね。例えば

・「誰に」他の会社にチラシ等をお願いしたけれど、全く集客できなかったお店。
・「方法」お客さんの仕事に対する考え方、こだわりをしっかりとヒアリングして、それをデザインで具現化して
・「結果」集客するのは勿論、お店にとってお客さんになって欲しい人を集客する。

こんな感じはどうでしょうか?

勿論、もっと深く考えてブラッシュアップをする必要はありますけどね。

ありがとうございます。何か色々見えてきました!

会社と言うのはあくまで「箱」に過ぎません。ビジネスを行う上では、「そもそも何をやるのか?「「コンセプトをどうするのか?」と言った事が重要になってきますので、当事務所ではコンセプトについて、このようにしっかりと話し合う事があります。

3.会社名(商号)を決める

続いて、定款に記載が必要な事項を決めていきましょう。「定款」と言うのは会社の基本的なルールを定めたもので、会社設立の際に必ず作成するものです。最初は会社名を決めましょう。ちなみに会社法上では会社名の事を「商号」と呼びます。既に何か良い名前を考えていますか?

実はまだぼんやりとしか考えていなくて。会社名も一緒に考えて頂いても大丈夫ですか?

勿論です。例えば、山田さんの「仕事に対するこだわりやポリシー」って何でしょう?

そうですね・・・「情熱をもって仕事をする」逆に言えば、情熱を持てない仕事はしない(笑)

情熱をもって、その結果お客さんにどうなって欲しいですか?

うーん・・・お客さんにも情熱をもって仕事をして欲しい!!・・・すみません、こんなテキトーな回答で良いんですか????

全然大丈夫ですよ。素晴らしいポリシーだと思います。そうですね、例えば山田さんの情熱とお客さんの情熱を掛け合わせて、より良い未来を目指すと言う意味で「パッションクロス」と言うのはどうでしょう?「株式会社パッションクロス」です。

おお!良いかも!!候補にしても大丈夫ですか?

勿論です。ではこれを候補として、あとは注意点をお話しますね。

【会社名を決める際の注意点】
・同一所在地で登記できる会社名は一つ。
・商標登録がされている場合は使用できないことも。
・既にブランドとして確立している会社名を使う場合、法的リスクあり。

4.会社の事業目的を決める

では続いて事業目的です。これも定款に記載する必要があります。会社は定款記載の目的の範囲内でしか活動する事ができないので、記載方法には注意が必要です。

なるほど。結構厳しいんですね。

まぁ、幅広い活動を行えるように、ある程度抽象的な記載にするのが一般的です。例えば、山田さんの事業であれば「広告物の制作」ですが、少しだけ具体例を挙げて、「パンフレット、名刺、ポスター等各種広告物の企画、デザイン並びに制作」こんな感じですね。

おお!分かりやすい!

あとは、この事業を基本として行う予定がある関連する事業目的を記載するのが良いと思います。この事業を軸にして、何かやってみたい事はありますか?横展開みたいな感じです。

そうですね。今はやりのセミナーとかやってみたいですね。あと、集客に関するコンサルティングとか。オンラインサロンの運営とかもやってみたいかも。

なるほど。ところで、山田さんは仕事を通じて叶えたい「夢」ってありますか?

え?それも会社設立に関係してくるんですか?

会社設立はこれから事業を行う「夢」のある手続きですから、テンションが上がっている今こそ、考えた方が良いんです。

なるほど。うーん・・・「デザインの楽しさを子供たちに伝えていきたい。」かな。

凄く良いと思います。それも目的に追加しませんか?

良いアイディアですね!俄然やる気が出てきました!!

第〇条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
1.パンフレット、名刺、ポスター等各種広告物の企画、デザイン並びに制作
2.WEBサイトの企画、制作、構築及び運営
3.広告、集客に関するセミナーの企画及び運営並びにコンサルティング業務
4.オンラインサロンの企画及び運営
5.子供向けのデザインに関する教室の企画及び運営
6.上記各号に附帯関連する一切の業務
会社の目的はインターネットでデータベース的な物があり、そこからコピペして作る事も可能ですが、それでは他の会社と同じでオリジナリティがない物になります。法律上適切な目的にするのは勿論ですが、相談者の方が愛着を持って仕事ができるような目的をご提案しています。

5.まとめ

会社設立を行う上で決める必要がある事はまだまだ沢山ありますが、長くなりそうなので、取りあえずこの辺りで止めます。

このような感じで、私は一つ一つの事について丁寧に会話をしながら決めるようにしています。

これはそれなりに時間が掛かる事なのですが、ビジネスとして継続できる会社を作るためにはそれなりに丁寧に作りこむ必要がある為、私はこのスタンスで会社設立に取り組んでいます。

雑に作った会社は、経営者自身も思いれがありませんし、長くは続きませんからね。

司法書士に会社設立を依頼する最大のメリットは、この「一緒に考えながら色々な事を決める事ができる」ではないでしょうか?

司法書士は会社設立の最初から最後までの手続きを行う事ができ、また、会社設立を通じて様々な起業家を見て来ています。

その経験から様々なアドバイスが出来るのが、司法書士に会社設立を依頼する最大のメリットです。

「ちょっと相談したいかも」と思われた方は、お気軽にお問い合わせください。

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