独立当初、売上や集客のためにBNIに入会すべきか?

マーケティング・営業

こんにちは。甲斐です。

独立した直後は「新規のお客さんをどうやって集客するのか?」と言う点について、常に頭を悩ます事になります。

既に十分なお客さんがいる状態で独立するのが理想ですが、そう上手くいかない事もあるでしょう。

売上の為に飛び込み営業を行ったり、ブログやSNSを利用したり、と様々な活動を行うべきですが、人脈を広げるため、異業種交流会に参加するのもアリでしょう。

僕自身も異業種交流会に良く参加するのですが、その中で「BNIって知っていますか?」と勧誘される事があります。

何らかの業種で起業した場合、高確率でこのBNIの勧誘がされる事があると思いますので、BNIとはそもそも何なのか?メリット・デメリットも含めてお話したいと思います。

1.BNIとは?

BNIはいわゆる異業種交流会で、「チャプター」と呼ばれるグループで毎週ビジネスミーティングを実施し、リファーラル(紹介)を提供し合い、ビジネスを生み出しています。

各チャプターは各専門分野より1名のみ参加でき、競合他社は参加できないルールとなっていますので独占的にビジネスできる形となっています。

簡単に言えば「グループ内で仕事を回しあいましょう!」と言う感じですね。

これだけ聞くと「参加すれば仕事がジャンジャン貰えるってすごい良いじゃん!同業他社はいないんだし、参加しない理由はない!」と思えそうですが、当然良い話しには裏があるのです。

2.BNIの本質は異業種交流会ではなく「会社」

いきなり本質的な話しをしますと、BNIは良く異業種交流会と言われてますが、実際はそうではなく、限りなく「会社」に近い存在だと言えます。

ある一つの事業目的を達成する為に、社長や副社長、経理や、新人会員のサポートや研修関連、その他の役割を持った人間がBNIのチャプターに存在し、それぞれがチャプター運営に関して何らかの義務を負っています。

まさに「会社」ですよね。

そして会社と違うのは、チャプターに参加しているのが基本的に個人事業主や会社経営者である事。つまり、本来は同じグループにいたとしても、何らの指示命令系統に属さない人達です。

それにも関わらず、BNI内で様々な役割をほぼ強制的にこなす必要があるのです。

元々自由になりたかったはずの起業家が、強制的に役割を与えられる。それは想像以上のストレスとなるのです。

3.BNIのデメリット

① 朝が早い

BNIは週に1回ミーティングを行うのですが、だいたい朝の早い時間(6時45分とか7時とか)に行っています。

その時間のミーティングに合わせるには当然早起きする必要があり、場合によっては朝の5時前に起きなくてはいけない事もあるでしょう。

それが週1回必ずあり、またハイテンションでハイタッチ等を行う、ある種の独特の雰囲気があるので早起きが苦手な人はそれだけでも億劫になります。

(なお、何回かミーティングを欠席すると除籍になる厳しさがBNIにはあります。)

② 初期費用が高い

年会費として10万円以上、毎回のミーティングに数千円かかります。

売上として確実に回収出来れば良いのですが、そうとも言えないケースもありますので、費用対効果の部分でも二の足を踏む人がいます。

③ リファーラルと言う見えない「ノルマ」がある

個人的にはこれが一番のデメリットだと思います(メリットでもあるのですが・・・。)

例えばチャプター内に美容師がいた場合、リファーラルを出す為にその美容師に髪をカットしてもらうと考えましょう。

それなりに金額はするのですが、どうしても自分のイメージ通りの仕上がりにならない場合、通常であればお店を変えますよね?

でも、BNIの場合、リファーラルを出す為には「多少質が悪くても」リファーラルのノルマの為には利用せざるを得ないんです。

普通はお互いの事を信用できて初めてサービスを利用したりお客さんを紹介したりするものですが、見えない「ノルマ」の為、結構ムチャなリファーラルを出したりします。

また、新規会員を増やすの事ノルマもありますので、勧誘が結構強引だったりします(僕の場合も強引でした。と言うより酷かったです・・・。)

④ 「他人の商品・サービス」を売る必要がある

これは上の「リファーラルのノルマ」にも関係したことです。

要は他人の商品・サービスを売るために、「他人の営業マン」としての活動が求められます。

これ、独立当初だったら非常に辛いことなんです。独立当初は通常、自分の売上の為に自分の時間を使いますよね?

自分の事で精一杯なハズなのに、他人の商品やサービスの為に誰かと話しをするなんて、心が折れてもおかしくはないでしょう。

4.リファーラルが義務であれば不正も出てくる

もう一つ、リファーラル関連でひどい話を聞いたのでお話します。リファーラルが「義務」であるが故のひどい話と言いますか・・・。

とあるチャプターの話なのですが、そこでは飲食店利用時のリファーラルの最低金額が決まっているそうです。仮に2000円としましょう。

当然2000円以上飲み食いすればリファーラルとして成立し何も問題はないのですが、その飲食店の方は他のメンバーから、「ジャスト2000円の料理・飲み物を出して」と言われたそうです。

リファーラルに必要な最低金額以上のサービスは受けないと言う姿勢です。BNIはメンバーのビジネスを応援しているのでは・・・?

ただ、実際にサービスを利用するのはまだ良い方で、お店を利用していないのに領収書を要求してきたメンバーもいたそうで。もうメチャクチャですね。

まぁ、一般企業でも厳しいノルマがあれば不正が横行する事がありますので、BNIに入会を検討してている人は注意が必要ですね。

5.BNIのメリット

① 売上につながる(かも知れない)

チャプターのメンバーが「あなたの営業マン」として動いてくれます。

その為、上手くいけばメンバー自身やメンバーの知り合いが、あなたのお客さんとなり、売上につながる可能性があります。

② プレゼン能力が身に付く

ミーティングでは数秒から数分ですが、自分のビジネスについてプレゼンを行う機会が与えられます。

これを何度も繰り返していると、短い時間で自分のビジネスの魅力を伝えるプレゼン能力が自然と身に着ける事ができます。

6.BNIに入会すると良いかもしれない業種

① 実店舗

飲食店や美容院等、一般的なニーズを満たす実店舗は、BNIにおいて非常に強いと思います。

BNIはリファーラルを出し合う関係上、無理やりにでもメンバーのサービスを利用しなくてはいけない場面が出てきます。

そんなときに

  • 「ランチにメンバーの●●さんのお店に行こう」
  • 「髪が伸びたので××さんのお店で切ってもらう」

と実際に行動すればリファーラルが成立するのです。

飲食店や美容院等の経営者は、チャプター内では非常に頼りになる存在なのです。

② 士業・コンサル系

誰かの悩みを解決する士業やコンサル系もBNIでは強い業種となります。

メンバー内もしくはメンバーの知り合いで困っている人がいれば、真っ先に声がかかる業種ですので、士業、コンサル系はBNIを活用しても良いかも知れません。

③ 仕事の流れが明確な業種

例えば不動産仲介会社と司法書士のような関係性です。

不動産の売買が行われた場合、必ずと言って良いほど登記申請を司法書士が行います。つまり、不動産仲介会社→司法書士と言った、仕事の流れが明確であり、同じチャプター内で繋がりがある業種の人がいれば入会するメリットがあるでしょう。

7.まとめ -BNIは良くも悪くも人的に縛られる-

BNIはチャプターと言う小さな組織で仕事を出し合うと言う関係上、良くも悪くも人的に縛られる仕組みです。

どうしても好きになれない人とでも毎週ミーティングで会う事になりますので、その辺りについてストレスを感じるようであれば、BNIは合わないかもしれません。

また、自身が参加したチャプターが消滅する可能性もゼロではないので、BNIに参加しつつ、新たな集客の仕組みを作る、と言う活用方法が最適解だと僕は考えます。

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甲斐 智也

甲斐 智也

AI時代を生き抜く営業力を提供する表現者。元舞台俳優。趣味はキックボクシングとランニング

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AI時代を生き抜く営業力を提供する表現者。元舞台俳優。 (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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