株式会社や合同会社、その他持分会社の違いを分かりやすく解説します

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐(@tomoya_kai)です。

個人事業主が売り上げを順調に上げていくと、ある時点で法人化した方が税金面で優位になる時があります。

その為、「じゃ株式会社を設立しようか・・・。」と普通は考えますよね?

しかし、会社は株式会社だけではなく、合同会社や合名会社、合資会社と言った会社形態がある事をご存知でしょうか?

今回は個人事業主が法人化する際に参考にしてほしい、株式会社とその他の会社の違いを分かりやすく解説していきます。

1.株式会社

株式会社は会社形態としてはオーソドックスですので、「知らない」と言う人はまずいないでしょう。

株式会社は、株式を発行し、それを取得する株主から資金を調達して、株主から委任を受けた経営者が事業を行い、利益を株主に配当する仕組みの会社です。

「一人で会社を作ろう!」と思った場合は自分で株式を引き受ける事になりますので、代表取締役=株主となります。

なお、株式会社の機関として、株主総会、取締役、取締役会、監査役等が会社法上定められています。

① 株主総会

株式会社の最高意思決定機関で、定款変更や取締役・監査役の選解任等、株式会社の組織・運営・管理等、株式会社に関する一切の事項について決議を行います。

なお、取締役会が設置されている場合は、会社法に規定する事項と定款で定めた事項に限り、決議をする事が出来ます。

② 取締役

取締役は株主から委任を受け、会社の業務執行を行う機関です。

取締役は原則として全員株式会社を代表しますが、別途、代表取締役を定めた場合は、その者が会社を代表する代表取締役になります。

③ 取締役会

3人以上の取締役によって構成され、代表取締役の選定等、重要な業務について意思決定を行う機関です。

なお、会社法に定められた一定の要件に合致する株式会社は、取締役会の設置が必須となります(会社法第327条)。

④ 監査役

取締役等の職務の執行を監査する機関です。

その他、監査役会、会計監査人、会計参与等の機関があります。

2.合同会社

合同会社は2006年に新たに誕生した「持分会社」と呼ばれる会社形態です。

株式会社との大きな違いは、「株式」が存在せず、出資した割合で「持分」と言う社員としての地位を取得する事になります。

社員:ここで言う「社員」は従業員と言う意味ではなく、「会社に出資した者」と言う意味があります。株式会社で言う「株主」です。

株式会社と比較して簡易に設立をする事ができ、日本では少しずつその数が増えています。

その他の違いとしては、株式会社は経営者と出資者は分離しているのが前提、つまり代表取締役は株主で無くても良いのですが、合同会社では経営者は必ず出資者である必要があります。

ただし、「出資するだけで経営に関わらない人」と「出資も経営もする人」に分けることはできます。

なお、合同会社の機関は、

  • 社員総会(株式会社で言う株主総会)
  • 代表社員(株式会社で言う代表取締役)
  • 業務執行社員(実際に経営に参加する社員)

となります。

3.合名会社、合資会社

合名会社と合資会社は合同会社と同じ様に「持分会社」なのですが、非常にマイナーな存在な会社形態の為、簡単な内容に留めておきます。

合名会社は無限責任を負う社員のみから構成される会社形態です。

株式会社の株主や合同会社の社員は、引き受けた出資の範囲内で会社債権者に対する責任を負います。

つまり、最悪、出資したお金が戻ってこない状況だけを考えれば良く、別途自分の資産で会社債権者に対して責任を負う必要はありません。

しかし、合名会社の場合は社員全員が会社債権者に「無限責任」を負いますので、会社の資産で債権を支払う事が出来ない場合、社員個人の資産で支払う必要があります。

なお、合資会社は有限社員と無限社員が混在した持分会社になります。

4.株式会社と合同会社、結局どちらが良いの?

合名会社と合資会社は非常にマイナーな為、会社を作る際の悩み所は「株式会社と合同会社、どちらにすべきか?」と言う点に集中するでしょう。

「設立手続きは合同会社の方が簡単ですが、合同会社なんてまだまだ知らない人も多いし、変な誤解を受けないかな・・・?」

なんて心配されるかもしれませんね。

結局どちらかが良いのかは、会社を作る目的や周りの環境によって変わってきます。

① 株式会社が良い場合

株式会社の場合、株式を発行する事で投資家から広く出資を募る事が出来ますが、合同会社の場合、それが出来ません。

その為、金融機関からの融資だけではなく、投資家から広く出資を募りたい場合は株式会社を設立した方が良いでしょう。

また「将来的には上場したい!」と言う目標がある場合は、当然ながら株式会社である必要があります。

② 合同会社の方が良い場合

何らかの理由で法人格が必要な場合や、個人事業主が税金対策の為に取り敢えず法人化する場合は合同会社の方が良いでしょう。

また、株式会社を設立する場合、実費だけでも最低20万円かかりますが、合同会社の場合は最低実費は6万円です。

その為、設立手続きに手間やお金をかけたく無い場合、合同会社でも良いでしょう。

5.まとめ

繰り返しになりますが、会社形態をどうするかの決め手は、会社を作る目的です。

この目的をしっかりと考える事によって株式会社にするのか、それとも合同会社にするのかを意思決定すべきでしょう。

なお、組織変更と言う手続きを行う事で合同会社から株式会社へ会社形態を変更できます(その逆もOK)が、組織変更は手続きが非常に煩雑な為、やはり最初の段階で目的にあった会社形態にした方が良いでしょう。

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