サラリーマンが副業で会社設立した場合、勤務先にバレるのか?

起業・副業

こんにちは。甲斐です。

日本政府が2017年3月に発表した「働き方改革実行計画」の中に、「副業・兼業の推進に向けたガイドラインや改訂版モデル就業規則の策定」という項目があり、日本政府が副業・兼業の普及促進を図ることが明らかになりました。

実際に副業を解禁している企業も少しずつ増えてきており、今後もその流れは加速していく事になるはずです。

サラリーマンが副業を行う場合、いわゆる個人事業主として活動するケースが多いと思うのですが、中には今後の展開を考えて株式会社等の会社を作る人もいると思います。

ただ、中には副業を禁止している企業もあり、そのような状況で副業の為に会社を設立した場合、「勤め先にバレてしまうのでは?」と心配になるかもしれませんね。

そこで今回は、「サラリーマンが副業で会社設立した場合、勤務先にバレるのか?」と言うお話をしたいと思います。

結論を先に言いますと、

そんな心配をゴチャゴチャとする暇があれば、副業をする許可を勤務先から正々堂々ちゃんと貰えば良い

です。

1.副業している事が勤務先にバレたらどうなる?

先にそもそも論の話しをしますね。

勤務先が副業を禁止していて内緒で副業をした事がバレた場合、何らかのペナルティがあるのか?と言うお話です。

結論は、「法的な責任を取る必要があるかもしれないし、必要がないかもしれません。

サラリーマンと会社は労働契約を締結しています。サラリーマンは会社に対して労働力を提供し、会社は労働力の対価としてサラリーマンに給料を支払います。

で、その契約の中に副業禁止の規定があったにも関わらず副業を行った場合、法的に見れば契約違反になるんですね。「副業をしない」と言う約束を破ったわけですから。

最悪、懲戒解雇になるでしょう。

ただ、裁判で解雇の無効を争う事はできます。事実、解雇が無効と判断された裁判例がありますので。

とは言え、解雇が無効かどうかの判断はケースバイケースなので、絶対に解雇が無効となるわけではありません。

内緒で副業をすると、このような法的リスクがあるのです。

2.副業で会社設立した事が勤務先にバレる場合

自分で副業をしている事を言わなかったり、会社の登記事項証明書を取得されなければバレる事はないでしょう(登記事項証明書を取得する人はそうそういないハズですし)。

SNSで不用意な発言をせず注意して運用すれば、バレる可能性も少ないと思います。

バレる可能性があるのは住民税関連と社会保険料に関する通知です(例外的に所得税からバレる事もあるようです)。

会社を設立すると社会保険に加入する必要があります。

勤務先と自分の会社の2か所で社会保険に加入したら、その両方の会社の給料合算額に対する保険料を会社ごとの報酬月額で案分し、各会社の給料から天引きすることになります。

つまり、勤め先の会社で支払う案分した金額は、勤め先の給料に対する社会保険料と異なるので、勤め先に副業がバレるのです。

また、副業で儲かると住民税が高くなり、その金額が勤め先に知られ「あれ?給料と比較して住民税高くない?」と言う感じで副業がバレる事になります。

3.副業で会社設立した事が勤務先にバレない方法

① 役員報酬を受け取らない

住民税や社会保険関連から副業がバレるのは、副業で収入がある為です。

その為、役員報酬を「ゼロ」にし、売上を会社に留保する事で勤め先にバレる事を防ぐ事ができます。

② 配偶者を取締役にして、配偶者に役員報酬を支払う

あなたと配偶者を取締役として、あなたは役員報酬を受け取らないけど、配偶者の方に役員報酬を支払うと言う方法があります。

この方法でもあなたは役員報酬を受け取っていないので、社会保険や住民税から副業はバレる事はありませんし、配偶者に役員報酬を支払う事で家計に収入が入ることなります。

4.とは言え、最適解はやはり「副業の許可を得る事」

と、ここまでは色々なサイトに書かれている一般論ですが、それでも問題はあります。

配偶者を取締役にする事は確かに一つの方法ですが、取締役と言うのは法律上、様々な責任を負う事になります。

その事をきちんと説明、理解しているのであれば良いのですが、勤務先にバレない為に配偶者を取締役にすると言う事は、完全にネガティブな理由です。そんなの、配偶者がきちんと納得するでしょうか?

さらに、そもそも副業を行いたいと言う事は、本業の給料+αの収入が欲しいと言う理由もあるでしょう。

それなのに利益を全て会社に留保して報酬を受け取らないと言うのは、起業に対するモチベーションが続くでしょうか?(なお、全額を会社の売上とした場合、当然法人税の負担も大きくなってきます)

このように副業が勤務先にバレない方法はありますが、テクニカルすぎて本人も配偶者も良く分からずにやってしまい、後から困った事になるかも知れません。

多分、副業が勤め先にバレない方法を解説している記事を書いている人達は、実際にこの方法を使った経験はないハズです。

そうであれば、正々堂々勤め先に副業をやりたい事を説明するのも一つの方法ではないでしょうか?

副業が当たり前になりつつ今であれば、勤め先としっかり話し合う事が出来るかも知れません。

「バレないように副業する」ではなく、まずはきちんと説明する事から初めても良いと思います。

副業が禁止されているにも関わらず内緒でやれば懲戒解雇のリスクもありますし、それを法的に争うか争わないかと言った面倒な事に発展する可能性もありますので。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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