株式分割とその登記手続きを解説します

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

「株式分割」は株式会社で行われる株式を「分割」する手続きです。

ホリエモンが社長に就任していた「ライブドア」が行っていた手法なので、「何だか違法チックな手法」と言うイメージを持たれている方がいらしゃいますが、株式分割は会社法に規定された普通の手続きです。

株式分割は上手く活用する事でメリットがありますので、本記事では株式分割とその登記手続きについてお話していきます。

1.株式分割とは?

株式分割とは、既に発行済みの株式を「決められた割合に株式を分ける事」です。

例えば発行済み株式が100株、Aさんが60株、Bさんが40株を所有している会社があったとします。

この会社の株式を1株を5株の割合に分割した場合、AさんとBさんの保有している株式はそれぞれ300株と200株になり、発行済み株式の総数は500株となります。

このように一定の割合で株式を分割するのですが、あくまで株式を分割するだけであり、その全体の価値については何も変更はありません。

100株で1000円の会社の場合で株式分割で1株を5株にした場合でも、500株で1000円となります。

(1株10円の会社が上記の株式分割を行えば1株2円になります。500株×2円=1000円です。)

2.株式分割のメリット・デメリット

① 株式分割のメリット

株式分割のメリットは、投資家が株式を購入しやすくなる事にあります。

株式分割を行っても発行済み株式全体に対する価値に変化はありません。しかし、1株当たりの株価は安くなり、少ない投資金額で株主になる事が可能になります。

また、少ない金額で株式が購入できるようになると、市場参加者の増加が期待できます。

市場参加者はキャピタルゲイン(売買益)狙い、配当狙い等、さまざまな目的があり、売買高が増えて値段がつきやすくなるなど、流動性が高まります

株式分割そのものでは株式の価値に変化はありませんが、流動性が高まる結果、株式の価格が上昇する可能性はあります。

② 株式分割のデメリット

株式分割のデメリットは、上記の「流動性が高まる」と言う点です。

流動性が高まる事で株主になる人物が増える可能性があり、経営陣である取締役にとっては多くの株主の意見に振り回される可能性があるのがデメリットと言えます。

3.種類株式の分割

種類株式を発行している株式会社では、特定の種類の株式だけを分割することや種類株式ごとに株式分割比率を変えた株式分割を行うことが可能です。

普通株式500株、A種類株式100株を発行している会社が、

・普通株式についてのみ1株を10株に分割。
・普通株式については1株を10株に分割、A種類株式については1株を5株に分割。

このようなケースも可能です。

なおこの場合、基本的にはA種類株式に損害を及ぼすおそれがありますので(相対的にA種類株式の発行割合が減る事になりますので)、A種類株主によるA種類株主総会の特別決議が必要となります。

4.株式分割の決議機関、承認内容

① 株式分割の決議機関

株式分割を行う場合の決議機関は下記の通りです。

  • 取締役会設置会社
    →取締役会の決議が必要です。
  • 取締役会非設置会社
    →株主総会の決議(普通決議)が必要です。

② 株式分割の決議内容

会社法上、下記の決議内容が求められています(会社法第第183条2項)。

  • 株式の分割により増加する株式の総数の、株式の分割前の発行済株式(種類株式発行会社にあっては、分割する株式の種類の発行済株式)の総数に対する割合
  • 株式分割の基準日
  • 株式分割の効力発生日
  • 分割する株式の種類(種類株式発行会社の場合)

5.株式分割と発行可能株式総数

株式分割を行うと言う事は、当然発行株式総数が増えると言う事です。

株式会社には「発行可能株式総数」と言う規定があり、発行する株式総数がこの「発行可能株式総数」を超える事は当然出来ません。

発行可能株式総数は定款の記載事項ですので、これを変更する場合、原則として株主総会の特別決議が必要になります。

例外として、株式会社は株主総会の決議を行うことなく、

・株式分割の効力発生日における発行可能株式総数を、
・その日の前日の発行可能株式総数に株式分割の比率を乗じて得た数の範囲内で増加する定款の変更をすることができます(会社法第184条2項)。

株式分割の比率を乗じて得た数の範囲内であれば、取締役や取締役会の決議で発行可能株式総数における定款の変更が出来るという事です。

種類株式を現実に発行している会社で、発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加しようとする場合は、原則通り株主総会の特別決議(種類株主による種類株主総会も場合によっては必要)によって定款変更をする必要があります。

6.株式分割と基準日

株式分割をするときは、定款に基準日等定めがあるときを除いて、株式分割に係る基準日を定める必要があります。

【株式分割の基準日とは?】
どの時点の株主が、分割で増加した株式の割り当てを受けることができるか決まる日です。

なお、基準日を決めたときは、その2週間前までに基準日及び分割比率などを公告する必要があります。

官報公告の場合、公告が掲載されるまでは申込から日数がある程度必要になってきますので、株式分割のスケジュールを組むときは注意が必要です。

7.株式分割の登記に必要な書類等

株式分割の登記はか株式分割について決議した株主総会議事録(種類株主総会を行った場合は、種類株主総会議事録も必要)及び株主リストです。

当事務所にご依頼頂いた場合、これらの書類は全て作成致します。

なお登録免許税は3万円です。

この記事の執筆者(文責)
司法書士 甲斐智也

起業支援と商品・サービスのコンサル化のお手伝いもする司法書士|マーケティング思考でコンセプトをしっかりと考えた会社設立します|2級FP技能士|たまに心理カウンセラー|某球団マスコットの中の人の経験あり

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