株主名簿の作成方法と管理方法【株式会社は必須です!】

法律知識一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

株主名簿」ってご存じですか?

文字通り株主に関する名簿なのですが、実は株式会社であれば必ず作成しなくてはいけない書類の一つなのです。

会社設立時って一人若しくは数人での起業ですので、株主も数名程度で少ないはずです。

だからあまり意識される事はないのですが、とは言え、株主である事には変わりはありませんので、作成は必須です。

今回はその「株主名簿」の書き方等について、詳しくお話していきます。

1.株主名簿に記載すべき事項

株主名簿に記載すべき事項は、下記の通りです(会社法第121条)。

・株主の氏名又は名称及び住所
・株主の有する株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
・株主が株式を取得した日
・株式会社が株券発行会社である場合には、株式(株券が発行されているものに限る)に係る株券の番号
・非常にシンプルな内容ですが、一つずつ見て行きましょう。

① 株主の氏名又は名称及び住所

個人であれば「氏名」、法人であれば「名称」を記載します(法人も株主になれます)。

なお、相続等で株式が共有状態になる事がありますが、その場合は全員の氏名を記載した上で、「誰が株主としての権利を行使するのか?」と言う情報があれば記載します。

「住所」は、株主が個人の場合には住所を、法人の場合には本店所在地を記載します。

② 株主の有する株式の数

株主が所有している株式の数を記載します。なお、種類株式を発行している場合は、株式の種類と種類ごとの数を記載します。

「種類株式」と言うのは株式の内容が異なる2種類以上の株式の事で、例えば株主総会で議決権が行使出来ない株式とか、配当を普通の株式と比較して多くもらえたりする株式の事です。

種類株式を発行している場合、その種類株式ごと記載する必要があります。

③ 株式を取得した日

これは要注意で、この「株式を取得した日」とは、会社に対して株主名簿の名義書換請求がなされ、会社がこれを受理した日です。

会社法上、株式の譲渡を会社に対抗するには、会社に対して株主名簿の書き換えの請求を行う必要があります。

譲渡日と書換請求日が何年も離れていると「その当時やった株主総会の効力はどうなるの?」と言う問題が発生する為、実務上、株主名簿の書換請求がなされ、会社がそれを受理した日になっています。

④ 株券の番号

現在の法律(会社法)では株券不発行が原則なのですが、例外的に株券を発行している場合、株券の番号が記載事項になります。

2.株主名簿のサンプル

株主名簿
株式会社ヤマダコーポレーショ

(株主)
住所:東京都新宿区新宿町一丁目2番3号
名前:鈴木 一郎
所有株式数:1300株

所有株式数取得株式数喪失株式数取得又は喪失年月日受付年月日備考
500令和2年4月1日令和2年4月1日設立時取得
20001500令和2年7月11日令和2年7月11日募集株式発行
1300700令和2年9月20日令和2年9月20日佐藤太郎へ譲渡

3.株主名簿の管理、保管方法

株主名簿は、原則として会社の本店に置き、保管する必要があります(例外的に株主名簿管理人と言うのを定めた場合は、その営業所に備え置くことが出来ます)。

【株主名簿管理人】
会社から株式の管理を委託された信託銀行や証券代行会社のことです。

管理の方法ですが「名簿」なので紙媒体で保管しなくてはいけないようなイメージがありますが、エクセル等作成し、そのファイルを保存しておけば大丈夫です。

4.閲覧謄写請求について

株主や会社に対する債権者は、その会社の営業時間内に限り、株主名簿の閲覧やコピーを請求する事ができます。

会社がこの請求をされた場合、原則として応じなければなりませんが、会社が不利益を被る可能性がある場合などは例外的に拒むことが可能です。

5.記載事項の変更

株式が譲渡され株主が代わった場合等、株主名簿の記載事項に変更があった場合、株式名簿の情報を新しく変更する必要があります。

実際には株主からの名簿書換請求がなされた後に、会社が対応する事になります。

株主名義の書き換えは、通常株主が会社が任意に定めた「名義書換請求書」を提出して行います。

6.株主リスト

株主名簿とよく似た書類で「株主リスト」というものがありますので触れておきましょう。この二つ、記載事項にはよく似ていますが、その目的は大きく異なります。

株主名簿は株主を管理する為に用いるのに対し、株主リストは役員変更等、会社の何らかの変更登記を行う際に、株主総会議事録を添付する場合に添付します。

その株主総会における株主のリストを添付する事で、その株主総会が適法に開催された事を証明する意味合いがあります。

株主リストの記載事項は以下のとおりです。

  • 株主の氏名又は名称
  • 住所
  • 株式数(種類株式発行会社は種類株式の種類及び数)
  • 議決権数
  • 議決権数割合

議決件数と議決件数割合を記載事項としている点が特徴になります。

7.まとめ

株主名簿の作成は会社法上の義務であり、その義務を怠ると100万円以下の過料が課せられる事があります。

「あれ?ウチ作っていたっけなぁ・・・」と心当たりある会社は、大至急対応しましょう。

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