株券発行会社の定めを廃止する場合の登記手続き

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

僕は会社の登記をメインに行っているのですが、会社の登記は会社設立だけではなく、その後の手続き、例えば役員変更や資本金の増加等も発生します。

その為、創業から何十年も経過している、実績がある会社からの登記の依頼も良くあります。

その中で対象の会社の登記事項証明書を取得した際、今ではあまり見ない「株券発行会社の定め」が規定されている事があります。

現在は株券は原則不発行となっているのですが、旧商法では事情が違っていましたので株券発行の規定の登記がそのまま残っている会社が結構あります。

ただ、実体に即していないケースもあるので、その場合は当然この「株券発行会社の定め」を廃止した方が良いのです。

そこで今回は株券発行会社の定めを廃止する登記手続きの一連の流れを解説します。

1.株券とは?

株券とは、株式会社の株主が持つ有価証券のことです。かつては印刷された紙の株券が利用されていましたが、上場会社の株券については、平成21年1月5日より電子化されています。

上場会社の株式に係る株券については、平成21年1月5日より電子化されています。

また、旧商法においては株式会社は株券を発行することが原則とされており、定款や登記事項に株券について何も記載されていなければ、その会社は株券を発行する会社(株券発行会社)であったところ、会社法施行日以降は、株式会社は株券を発行しないことが原則となっています。

会社法施行日以降に設立された会社はほぼ株券不発行の会社である為、株券そのものを見た事がある人は少なくなってきていると思います。

ただ、上記のとおり旧商法では株券を発行するのが原則であった為、未だに株券発行会社である登記がされている会社も多いのですが、実体は異なっているのが現状の会社が多いのです。

2.株券発行会社の定めを廃止する手続き

株券発行会社が株券を発行しない会社にする場合、実際に株券を発行している会社か、株券不所持の申出等により株主に株券を交付していない会社かによって手続きが若干異なります。

(株主が株券を紛失したままである場合は、「実際に株券を発行している会社」に該当します。)

① 実際に株券を発行している会社の場合

実際に株券を発行している会社の場合、その株券の効力を失わせる手続きが必要になってきます。

  1. 株主総会で、株券を発行する旨の定めを廃止する定款変更の決議(特別決議)を行う。
  2. 効力発生日の2週間前までに公告し、かつ株主等に個別に通知する。
  3. 効力発生日から2週間以内に、管轄の法務局へ「株券を発行する旨の定め廃止」の登記申請を行う(登録免許税は3万円)。

② 添付書類

実際に株券を発行している会社が株券を発行する旨の定めを廃止する場合の登記申請の添付書類の一例は次のとおりです。

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 変更後の定款
  • 公告をしたことを証する書面(官報等)
    ※株主全員が株券不所持の申出をしたことにより公告をしなかったときは、株式の全部について株券を発行していないことを証する書面
    (株主名簿に、代表者の証明文を付したもの等)

③ 実際に株券を発行していない会社の場合

株券を実際に発行していない会社の場合、上記の公告等の方法が少し異なります。

  1. 株主総会で、株券を発行する旨の定めを廃止する定款変更の決議(特別決議)を行う。
  2. 効力発生日の2週間前までに公告し、または株主等に個別に通知する。
  3. 効力発生日から2週間以内に、管轄の法務局へ「株券を発行する旨の定め廃止」の登記申請を行う(登録免許税は3万円)。

※公告または個別の通知ですので、どちらかを行えば良い事になります。

④ 添付書類

    • 株主総会議事録
    • 株主リスト
    • 変更後の定款
    • 株式の全部について株券を発行していないことを証する書面
      (株主名簿に、代表者の証明文を付したもの等)

3.まとめ

株券を実際に発行している会社であれば公告は必須、実際に発行していなくても各株主等への個別の通知が必要になりますので、それなりに時間はかかります。

手続きは余裕を持って行うようにしましょう。

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熱き志を持つ起業家を法律とマーケティングで支援する司法書士。趣味はキックボクシングと朗読。

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