今後は会社の設立が必須?インボイス制度を分かりやすく解説します

ビジネスマインド・ビジネス一般

こんにちは。司法書士の甲斐(@tomoya_kai)です。

2023年に始まる「インボイス制度」、フリーランス・個人事業主であれば一度は聞いた事があると思います。

ただ、

「始まるのが数年先だし、横文字で良く分からないし、ちょっと調べたらどうやら消費税の事のようで、税金の事で良く分からない・・・。」

と、良く理解ができずお困りではありませんか?

確かに、横文字だし税金に関連する事で少し難しいのですが、このインボイス制度は、フリーランス・個人事業主で、消費税の免税事業者の場合、大変重要になってくる制度です。

その為、今回はこの「インボイス制度」について、分かりやすくお話していきます。

1.インボイス制度を理解する上での前提「仕入税額控除」とは?

インボイス制度を理解する上で、「仕入税額控除」の理解が必要になってきますので、まずはこのお話をしましょう。

「仕入税額控除」とは、簡単に言えば、

・商品やサービスを販売した時に、お客さんから預かった消費税から、
・事業のために他の企業、個人事業主等から、商品の購入やサービスの提供を受けた時にあなたが支払った消費税を

控除する制度です。

分かりやすい例でお話します。

あなたは動画編集をしている個人事業主とします。

動画編集の仕事をしている為、仕事用のパソコンを家電量販店で20万円(消費税抜き)で購入したとします。

この時にあなたが家電量販店に支払う消費税は2万円です(消費税10%)。

そして、クライアントから依頼を受けて何本かの動画編集を行い、完成しました。

その時にクライアントに対し、動画編集報酬30万円+消費税3万円の合計33万円を請求し、無事に入金されました。

では、あなたが事業者として税務署に納めるべき消費税はいくらでしょうか?

クライアントから消費税として預かった3万円でしょうか?

実は、この3万円から、パソコンを仕入れた時にあなたが支払った消費税を控除する事ができるのです。

つまり3万円-2万円=1万円が、税務署に納付する消費税となります。

このように、クライアントから預かった消費税から、事業の為に支払った消費税を控除する事ができるのが「仕入税額控除」です。

詳細は国税庁のHPをご確認下さい。

仕入税額控除|消費税 |国税庁

2.インボイス制度に関係してくる免税事業者とは?

ここまでのお話で、こんな疑問を感じたフリーランス・個人事業主の方はいませんか?

「消費税?あれ、ウチ消費税を税務署に納めていないけど・・・?」

これは一体どう言う事か?

おそらくあなたは、消費税の「免税事業者」に該当するのでしょう。

「免税事業者」とは、ザックリと言えば、前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下の業者を指します。

あくまでザックリとした説明です。正確には、上記の他、いくつかの条件があります。

免税事業者に該当すれば、文字通り消費税の納税は免除されます。

つまり、上記の例で言えば、本来納税すべき1万円を納税しなくてもよい(そのまま自分の物にしても良い)事になります。

3.インボイス(適格請求書)制度とは?

では以上を踏まえた上で、インボイス制度とは何なのか?お話していきましょう。

インボイス制度とは、登録を受けた消費税の課税事業者のみが、法的効力のある「インボイス(適格請求書)」を発行できるという新しい制度です。

正式名称は、「適格請求書等保存方式」といいます。

インボイス(適格請求書)とは、仕入額控除ができる請求書のことです。

今までは、取引の相手方が発行した請求書等があれば、上記の「仕入税額控除」を行う事ができました。

しかし、インボイス制度では、課税事業者(消費税を税務署に収めている業者)だけが番号をもらい、この番号を書いた請求書が、法的なインボイス(適格請求書)となります。

つまり、このインボイスを貰わなければ、自分が事業の為に支払った消費税を控除できない事になります。

上記の例で言えば、(あなたが消費税の課税業者であれば)3万円-2万円=1万円ではなく、3万円をそのまま納税する必要が出てくるのです。

4.インボイス制度は、フリーランス・個人事業主とって死活問題

このインボイス制度、消費税の免税事業者のフリーランス・個人事業主には死活問題になると言われています。

なぜなら、あなたがクライアントに出した請求書がインボイスではなく普通の請求書だった場合、クライアントは仕入額控除が出来ません。

つまり、クライアントはそのまま消費税を納税する必要が出てくるのです。

クライアントとしては損をしますよね?

ではクライアントはどうするか?

「消費税の課税事業者と取り引きして、仕入控除ができるインボイスを貰うようにしよう」

と普通は考えるのではないでしょうか?

結果として、消費税の免税事業者であるフリーランス・個人事業主は取り引きを中止され、仕事を失う可能性があるのです。

5.インボイス制度下における、フリーランス・個人事業主の対応策

ではフリーランスや個人事業主を含む免税事業者は、インボイス制度導入後、どのような対応を行えば良いのでしょうか?

一つには売上が年間1,000万円以下の免税事業者も、あえて課税事業者になり、適格請求書(インボイス)発行事業者の登録番号をもらう、という方法です。

課税事業者になれば、インボイスを発行する事が出来ますので。

しかしこの方法は今まで納税していなかった消費税を納税する事になりますので、結果として売上が減る事になり、後ろ向きな対策なのであまりお勧めしません。

もう一つの方法は、頑張って売上をしっかりと1,000万円より多く作り、普通に消費税の課税事業者になる方法です。

この方法であれば、売上もしっかり確保した上で消費税を納税する事ができます。

また、年間1,000万円を超えた場合、一般的には所得税より法人税の方が安くなります。

その為、タイトルにもある通り、インボイスを発行できる事業者を目指すのであれば、株式会社等の法人化を行うのが必須と言えるでしょう。

6.まとめ

インボイス制度は今まで消費税の免税事業者であったフリーランス・個人事業主にとっては脅威になる可能性があります。

しかし、考え方を変えれば「売上をあげる」事が強制的に求められたとも言えます。

ピンチはチャンスではないですが、インボイス制度をきっかけにして、売上を作る事に真摯に向き合うのも良いかも知れません。

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