違法行為の指摘をTwitter等のSNSで相手に行っても良いのか?

法律知識一般

こんにちは。司法書士の甲斐です。

今回は、ちょっと前に話題になった、こちらのニュースを取り上げてみたいと思います。

菅首相の肝いりだったのに・・・新デジタル庁長官がまさかの画像パクリで謝罪&SNS閉鎖にネットあ然。

菅首相の肝いりだったのに…新デジタル庁長官がまさかの画像パクリで謝罪&SNS閉鎖にネットあ然 (2021年9月3日) - エキサイトニュース
また全国に「ズコーッ!」の声が響き渡った‼発足した初日となる1日にサイトがダウンして、〝国民総ズッコケ〟の事態を引き起こしていたデジタル庁が3日、今度は「デジタルコンテンツの無断使用」という笑えない事...

デジタル庁の事務方トップが写真ストックサイト「PIXTA」の画像を無断で使用した事が問題となった件です。

この件に関しては著作権法違反の可能性が高く、「デジタル庁の事務方トップが何をしてんの?」と言う呆れた感想はあるのですが、特にそれ以上の感想はありません。

ただ、この件は別の問題が指摘されています。

実は当の「PIXTA」の社員さんが、デジタル庁事務方トップの人に、Twitterで直接著作権法違反を指摘(リプライ)しているのです。

https://twitter.com/iRyooooo/status/1433568520533524487

この「違法行為をしている相手をTwitterと言う、誰もが見る事ができる公開な場で晒してしまった」事について、問題点が指摘されているのです。

その指摘とは、「普通は違法行為の指摘って、クローズドな場で、内々にやるものじゃない?」と言う点です。

今回のケースであれば、DM等で内々で指摘する等と言った方法を取るべきでは?と言う事ですね。

「違法行為しているんだから、相手が悪い。だから晒されても仕方ないでしょ?」

正義感が強い人はそう思うかも知れませんが、相手の悪い部分を公開の場で「晒す」と言う行為、実は色々と問題があるのです。

1.法的トラブルはわざわざ公開しないのが鉄則

基本的な考え方で言えば、違法行為はSNS等に晒すのではなく、非公開で通知するのが大前提です。

その理由は単純明快で、SNSで相手の違法行為を晒すことにより、その表現方法によっては逆に自分がやった事が違法行為に該当する可能性が出てくるからです。

また、表現方法そのものが違法行為や不法行為に該当しなくても、法的トラブルである事を公にさらす事そのものが、相手に対する違法行為になる可能性もあります。

その投稿を見た相手方の取り引き先が、相手方との契約を打ち切る事もあり得ますので。

さらに、相手方の「アンチ」と呼ばれる存在が相手を一方的に攻撃する事もあり得ます(逆もありますよ。相手の信者的ファンから攻撃されたり)。

加えて、SNSに投稿する事で、自社の評判・イメージを落とす危険性があります。自社のお客さんからみれば、「何かあったらウチも晒されるかも知れない!」と思われ、距離を置かれる危険性もあるでしょう。

このように、SNS等で違法行為をされている事を公開してしまった場合、面倒なデメリットが沢山あります。

その為、誰かと法的トラブルになった場合、水面下で粛々と対応するのが鉄則とも言えるでしょう。

(そもそも違法かどうかの最終的な判断は裁判所が決める、と言う事もありますし。)

2.それでもSNSに投稿したい場合

以上が大前提ですが、とは言え相手に対する厳しい態度を示すため、あえて公開の場であるSNSに投稿する事も考えられる思います。

また、それを行う事で自分のファンを獲得する事ができる可能性もあるので、そういう事もひっくるめて戦略的な視点で公の場で違法行為について指摘する、と言う事も考えられるでしょう。

「投稿した方がおいしいでしょ!バズる可能性あるし!」と言う考えた方ですね。

ではどうすれば良いのか?正直なところ、「自己責任で気を付けて下さいね」としか言えません。

表現方法を間違っても間違えなくても違法行為や不法行為になるリスクがありますので。

違法行為になったり、自社のブランドを毀損するリスクと、それでも相手の違法行為を公けに晒す事のメリット、双方を天秤にかけて自己責任でやるしかないでしょう。

ただ、これは法律的な知識を含めた高度な戦略的視点が必要になりますので、正直お勧めはできません。

相手方に揚げ足取られたり、裁判所の印象も悪くなる可能性がありますし。

「結果的に違法行為の指摘が問題にならなかった。」「結果的に自社のブランドが毀損されなかった。」

と言った「結果オーライ」では法的トラブルは危険なのです。

3.まとめ

インフルエンサーが訴訟合戦して、その内容をSNSに投稿してバズらせる、と言う手法を良くやっているのですが、それはインフルエンサーだから成立するのであって、一般人が同じ事を行っても正直あまりメリットはないでしょう。

また、自称「法律に詳しい人」ほど、法律や判例を自分勝手に解釈しがちになるので「これぐらいは大丈夫だろう」と言う表現方法が実はNGだったりするのです。

インフルエンサーの真似事なんて行わず、基本をしっかりと押さえるようにしましょう。

この記事の執筆者(文責)
司法書士 甲斐智也

起業支援と商品・サービスのコンサル化のお手伝いもする司法書士|マーケティング思考でコンセプトをしっかりと考えた会社設立します|2級FP技能士|たまに心理カウンセラー|某球団マスコットの中の人の経験あり

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