フリーランスは自分で裁判を行うべき!本人訴訟のメリット・デメリットとは?

法律知識一般

こんにちは。司法書士の甲斐(@tomoya_kai)です。

どこかのニュースで見たのですが、フリーランスの内7割の人が、報酬トラブルを経験された事があるそうです。

報酬が支払われない場合、最終的な解決方法は裁判となりますが、弁護士や認定司法書士に代理を依頼した場合、それなりの費用が発生してしまいます。

その為「裁判は自分で出来る!」系の書籍を参考にして、自分で裁判(本人訴訟)をやられた方もいらっしゃるはずです。

実際に自分で裁判を出来る場合があるのですが、そもそもフリーランスの方は、ビジネス上でも本人訴訟を行うメリットがあり、一度は自分で裁判を行った方が良いのです。

今回は、フリーランスが本人訴訟を行うメリットとデメリットのお話をして行きます。

1.フリーランスが本人訴訟を行うメリット

① 法的トラブルになった時の手続きの流れと大変さが分かるから

相手を訴えようとした場合、基本的な流れは、

① 内容証明郵便を送付
② 訴状及びその他の附属書類を作成
③ 訴状を裁判所に提出
④ 期日に出頭、結審
⑤ 強制執行

このようになります。

内容証明郵便の送付から強制執行を行うまで、早くても4ヶ月~半年ほどかかりますが、ご自分で裁判手続きを行う事で、その全体像と大変さを肌で感じる事が出来るでしょう。

そして裁判手続きの流れを経験し、全体像をおさえる事ができれば、

どのような点が法的トラブルになりやすいのか?

と言う事がイヤと言うほど理解できると思います。

その結果、今後のビジネスにおいて、

法的トラブルを未然に防ぐにはどうすれば良いか?

と言う点について、具体的な視点を持つ事が出来るようになります。

② 裁判官の考えが分かるから

裁判を行った場合、裁判官が最終的な判断を行うのですが、裁判官は原告や被告が主張している事の全てについて、実はひとつひとつ丁寧に判断しているわけではありません。

裁判官は判決を行う前段階として、原告・被告間の全ての情報から、「法的に意味のある情報」を抽出して判断を行っています。

その「法的に意味のある情報」を「要件事実」と言う論理構成を用いて、裁判官は原告と被告の主張、どちらが認められるのかの判断を行います。

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つまり、一度でも裁判を体験する事で、何でもかんでも主張してはダメだと言う事や裁判官の関心事が感覚的に分かるようになり、その後のビジネスにおいても「裁判官の頭の中」を意識しながら様々な取り引きを行う事ができるようになります。

③ 法的トラブルを「自分事」として認識できるから

これが私が考える本人訴訟の一番のメリットだと思います。

裁判の代理を弁護士や認定司法書士に依頼した場合、基本的にはこれらの専門家に手続きを丸投げすれば良いので、裁判手続きがどのように進み、相手方からどのような話があったのか等、その雰囲気感を肌で感じる事ができません。

つまり、自分の事なのに「他人事」になってしまいます。

その為、どんなに難しい局面があっても「なぜそんなに難しいのか?」と言う点が理解できず、弁護士や認定司法書士とトラブルになる事があります。

しかし、本人訴訟は自分で裁判を行いますので、全て「自分事」として責任をもって取り組む事ができます。

自分事、つまり「自分の問題」として真剣に法的トラブルについて考える事になります。

だからこそ、上記でお話したように、今後のビジネスにおいて健全な「法的トラブル防止」の視点をしっかりと持てるようになるのです。

2.フリーランスが本人訴訟を行うデメリット

① 法律知識の勉強が必要になる。

裁判手続きは、民事訴訟法と言う法律に基づいて行う必要があります。

また、手続き面だけではなく、そもそもどのような法的な主張を行えば良いか?と言う点についても勉強する必要があります。

上記でお話したとおり、何でもかんでも主張すれば良いと言うわけではなく、あくまで裁判官の関心事である「要件事実」を適切に主張する必要があるのです。

② 本業との時間管理が大変

裁判に関する勉強をする時間もそうですし、訴状を作成するのにも時間がかかります。

その為、既存のクライアントに絶対に影響を与えないように、時間の管理を行う必要があります。

3.そもそも、本人訴訟をやらない方が良いケースがある

実は「そもそも本人訴訟をやらない方が良いケース」と言うのも存在します。

この事もキチンとお話していきましょう。

① 本人の「能力」に関する事

法律知識を取得するのにはそれなりの地頭の良さが必要になります。

普段から論理的思考を駆使して仕事を行っている人であれば大丈夫かと思いますが、そうではない場合、勉強しても中々頭に入ってこないかも知れません。

また、裁判官が何を言っているのかを良く聞き理解する事が出来る「コミュニケーション能力」も必須でしょう。

普段から「あなたは人の話しをちゃんと聞いていない!」と怒られている方は、本人訴訟は難しいと思います。

② 事件の「内容」に関する事

事件の内容が複雑であったり、比較的簡単な内容でも決定的な証拠が無い場合、本人訴訟を行うのは難しいかも知れません。

事件の内容も、本人訴訟が行えるか否かの重要な要素になります。

4.まとめ

フリーランスにとって自分で裁判を行う最大のメリットは「自分事として、ちゃんと問題に向き合う事が出来る」点です。

しかし、本人の能力や事件の内容から考え、本人訴訟を行わない方が良いケースもありますので、ご注意下さい。

なお、「本人訴訟を行うべきか否かが分からない」と言う事もあると思いますので、その場合はお気軽にご相談下さい。

私自身、司法書士として訴状の作成を含めた本人訴訟支援を何件か行っていますので、現状分析の上、適切にアドバイスをさせて頂きます。

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