「批判するなら代替案を」と言う考え方がダメな理由

ビジネスマインド・ビジネス一般

こんにちは。甲斐です。

今回は『「結果が全て」が口癖の人がダメな理由』の第2弾です。

会社や組織に属していると、役職が上の人から、一度はこのような事を言われた経験があると思います。

「批判するなら代替案を出せ!」

僕もサラリーマン時代に良く言われましたね・・・。

政治の世界でも「野党は与党の批判だけではなく代替案を出して建設的な議論を」なんて言われる事があり、「ただ批判するだけの人が間違っている」なんて認識になりがちです。

でも、この「批判するなら代替案を出せ!」が口癖になっている人って、実はちょっとマズいかも知れません。

僕の経験上ですが、これを口癖にしている人は人間として最悪で、セクハラやパワハラは普通にやるし、基本的に他人を自分の奴隷か何かと勘違いしている人が圧倒的だったんですね。

一見常識的に見える「批判するなら代替案を」ですが、なぜこれが口癖になっている人がヤバイのか、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

1.「批判」することは間違いではない

まずハッキリとさせなければいけない事を先にお話します。

「批判をする事=悪い事」と認識している人が少なくないのですが、本当に批判=悪い事、やってはいけない事なのでしょうか?

この疑問を解決する為には批判の言葉の定義を正確に捉える必要があります。

批判とは辞書によると、

1 物事に検討を加えて、判定・評価すること。「事の適否を―する」「―力を養う」
2 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し、正すべきであるとして論じること。「周囲の―を受ける」「政府を―する」
3 哲学で、認識・学説の基盤を原理的に研究し、その成立する条件などを明らかにすること。

goo国語辞書から引用

となっています。

言葉の意味を見る通り、誰かに対して悪口や誹謗中傷を行うのではなく、むしろ物事を良い方向へ進める為の手法が「批判」であると解釈できませんか?

それではなぜ批判がネガティブな意味に捉えらるのか?実はこれは「批判をするなら代替案を出せ」と言う側の姿勢に少なからず問題があるのです。

2.「批判するなら代替案を」と言う側の問題点

① そもそも、なぜ批判されるのかが分かっていない

なぜ批判されるのか?その理由の一つは上記の批判の定義の中にある「 人の言動・仕事などの誤りや欠点を指摘し・・・」の部分です。

つまり、批判されると言う事は自分が出した意見について誤りや欠点、何らかの問題点があり、それを指摘されているだけなんですね。

と言うことは、「批判するなら代替案を」と言う前に、まずはその問題点を修正する事の方が先ではないでしょうか?

それを行わず「代替案を」と言うのはある意味逆ギレであり、正直言って大人の対応ではないんですね。

② そもそも人として信頼されていない

例え批判と言う言葉・行為にネガティブな印象があったとしても、信頼関係が構築された人達の批判であれば、「批判するなら代替案を」と言う言葉はでてこないはずです。

信頼関係があれば、結果的に批判がなされたとしても自然な形で代替案がなされますので。

つまり、それがなされずに「批判するなら代替案を」と口癖のように言ってしまう人は、そもそも他の人から信頼されていない事になります。

この状態でどんなに「代替案を!」なんて言っても、まともな意見なんて出てくるわけはありません。

つまり、代替案を求める前に他人から信頼される言動、振る舞いを行うのが先なのです。

3.「批判するなら代替案を!」への対処方法

正直、この口癖を連発する先輩や上司は非常に面倒ですよね?

とは言え会社の人事異動等がない限り、このような人達とは常日頃接する必要があります。

では、このような「面倒な人」にどう対応すれば良いのでしょうか?

まぁ、問題点を敢えて指摘しないと言う方法もありますが、あまり前向きな考え方ではありません。また、代替案を実際に出しても99%受け入れてくれないでしょう(だったら逆ギレしませんし)。

僕も実際に行った事がある現実的な対処方法としては、「味方になって機関として機能させてあげる」のがベターだと思います。

「代替案を出せ!」と言う人は立場上、問題点ばかりある話しをせざるを得ないのかもしれません。その背景事情について理解をしてあげて、問題点があれば一緒に考えてあげる、と言うスタンスで接するのです。

上司(先輩)と言う会社の機関について、足りない部分をサポートするとも言えますね。

「素晴らしい案だと思います。後はこの点とこの点について、より実現ができるよう考えたいのですが、良いアイディアがあれば教えて頂けますか?」

こんな感じです。

確かに、上司(先輩)側に問題があり、感情的になってしまうのは理解できます。ただ、感情的になったとしても会社が行うべき事が前に進みません。

だから、あくまで上司(先輩)は会社の機関であると思い、その機関について足りない部分をあなたがサポートしてあげるのです。

相手を人間と思わず(失礼ですが・・・)、あくまで「機関」と思って接すれば、あなたが感情的になるのもある程度防ぐ事ができるのではないでしょうか?

4.まとめ

他人から信頼されている人であれば、何か意見を言ったときに

「良いと思うんですが、ただそれは●●と言った問題があるので、△△にした方が良いんじゃありませんか?」

と言った感じで自然に代替案が出てきます。

つまり、このような代替案が周りから自然に出ない、自分の意見を反対された結果「批判するなら代替案を!」が口癖になっている人は、人格的にマズい状態になっている可能性があります。

この言葉が口癖になっている人、周りが「YESマン」ばかりになっていませんか?

もしそうだとしたら、まずあなた自身が変わるべきだと思います。

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル。趣味はキックボクシングとランニング

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甲斐 智也

甲斐 智也

表現者。元舞台俳優。演劇を活用した論理と感性のハイブリッドコンサル (詳しい自己紹介は画像をクリック!)。

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