合弁会社とは?設立方法や注意点を解説します

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐(@tomoya_kai)です。

突然ですが、「合弁会社」と言うのをご存じでしょうか?

たまにこんな感じでニュースになりますね。

パナソニック株式会社とトヨタ自動車株式会社、街づくり事業に関する合弁会社の設立に合意 | プレスリリース | Panasonic Newsroom Japan
パナソニック株式会社とトヨタ自動車株式会社は本日、街づくり事業に関する新しい合弁会社の設立に向けた契約を締結しました。

簡単に言うと、別々の会社同士が同じ目的を持って事業を行う会社、みたいな感じなのですが、「合弁」と言う言葉がちょっと難しいので、知らない人にとってみれば良く分からないですよね。

ただ、この合弁会社は上手く活用すると「1+1=10」みたいな相乗効果が生まれ、起業家は知っておいて損はありませんので、今回はこの合弁会社について簡単に分かりやすくお話したいと思います。

1.合弁会社とは?

複数の異なる組織(企業)が共同で事業を興すことを「合弁事業」と言い、この合弁事業を行う為の会社が「合弁会社」です(ジョイント・ベンチャーとも言われています)。

企業が新規分野に参入する場合、通常は単一で事業を行うと様々なリスクがあります。

合弁事業は複数の企業が共同で取り組み、お互いの弱点を補ったり、長所を高めあう事でリスクを回避し、事業の成功確率を高める事が出来ます。

ザックリと言えば

  • ある事業を行う事を目的として、
  • 複数の企業が出資し(株主となり)、
  • 新しい会社を作る。

が、合弁事業であり合弁会社、と言う事になります。

2.合弁会社と合併、業務提携との違い

① 合弁会社と合併の違い

合弁会社は複数の企業が一つの新しい会社を設立するのに際し、合併は複数の企業が一つになると言う違いがあります。

例えばA社とB社があった場合、B社がA社に合併される事を「吸収合併」と言います。この場合、吸収されたB社は消滅する事になります。

また、A社とB社が新たに設立されたC社に合併される事を「新設合併」と言います。この場合、吸収されたA社とB社は消滅します。

このように、合併は必ず消滅する会社が出てくるのですが、合弁会社の場合、出資した企業はそのまま存続する事になります。

② 合弁会社と業務提携の違い

合弁事業では新たな会社を設立しますが、業務提携では新たな会社を設立する事はありません。

複数の企業がお互いに独立した組織として、ある事業を行う事を目的として、お互いの技術・人材等の経営資産を持ち寄って協力関係を築き、事業を行うのが一般的です。

文字通り「業務」を提携すると言う事です。

なお、一方の企業が提携先企業の株式を取得し金銭面で協力する「資本提携」と言う提携方法もあります。

3.合弁会社のメリット・デメリット

① メリット

合弁会社は複数の企業が関わる為、自社にはない、他社のノウハウやリソースを活用する事ができます。

また、それぞれの企業が出資して、新たな会社を設立すると言う手続き上の煩雑さがありますので、協力関係を簡単には解消できない、友好関係を維持したままの意思決定ができるというメリットがあります。

② デメリット

合弁会社は複数の企業がそれぞれ経営資源を提供する事になりますので、経営資源が必要以上に流出してしまうデメリットがあります。

また、出資している他社の社会的信用が低下すると、自社もそれに引きずられて影響が出てくる可能性もあります。

さらに、複数の企業が関係している為、意思決定のスピードが遅くなると言う点もデメリットでしょう。

4.合弁会社の設立方法

通常の会社設立と一部同じ部分があるのですが、異なる部分を中心にお話します。

まずは合弁契約内容を決め、契約を締結します。主な内容は下記の通りです。

  • 新会社の社名、事業目的、法人形態
  • 概要
  • 株式の保有比率
  • 役員
  • 利益の分配方法、経費負担、等

特にポイントのなるのは、以下の2点です。

① 株式の保有比率

株式会社の場合、会社の様々な事について株主総会で決める事ができます。

基本的な事項については過半で決める事ができるのですが、例えばA社とB社が出資し、その持株比率が50対50の場合、意見の不一致が発生したら何も決められなくなります。

その為、どちらかの会社が過半数を超える株式を取得するのかどうか、取得するのであれば株式保有率をどうするのか、事前に協議しておく必要があるでしょう。

② 撤退条件

合弁会社を作ったとしても、事業が当然上手くいかない事もありますので、撤退条件を予め定める必要があります。

一定期間を経過しても目的とした業績が見込めない場合や損失が発生した場合、経営権が移った場合、合弁契約に関する違反が発生した場合等がこの撤退条件に該当します。

これらの項目に注意し、合弁契約を締結後、新会社の設立を行います。

5.まとめ

合弁事業における合弁会社の設立の手続きそのものは、通常の会社設立と何ら変わりません。

しかし、事前に決めるべき合弁契約の内容は多岐に渡るため、出資する各会社の信頼関係がしっかりと構築できるよう、コミュニケーションを十分に取りながら諸条件を決める必要があります。

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