金銭以外の財産を出資したい場合(現物出資とは?)

会社設立・商業登記

こんにちは。司法書士の甲斐です。

株式会社を設立する場合、発起人は株式を引き受けるのと引き換えに、財産を株式会社に出資する必要があります。

財産の多くは「金銭」ですが、実は金銭以外の財産も出資する事が可能です。

ただし、金銭以外の財産の出資の手続きに関しては、少し難しい部分がありますので、本ページでその概略を分かりやすく解説していきたいと思います。

1.現物出資の方法

まず、大前提として、現物出資を行う場合は定款にその旨を記載しなければ効力が生じません。

定款には

  • 金銭以外の財産を出資する人の氏名
  • 出資の目的たる財産
  • 財産の価額、割り当てる株式、等

を記載する必要があります。

ちなみに、現物出資する財産は、どのような財産でも良いのでしょうか?

結論から先に言うと、貸借対照表に資産として記載する事が出来る財産であれば大丈夫とされています。

具体例は下記の通りです。

  • 自動車やパソコン
  • 不動産
  • 特許権などの権利
  • 工業技術上の知識経験(ノウハウ)
  • 営業の全部または一部

なお、現物出資した場合、その財産は会社の物になりますので、会社設立後に速やかに会社名義にしましょう。

2.現物出資の注意点

会社設立で現物出資をする場合、その財産や価額が適切かどうか、裁判所に検査役を選任してもらい、その検査役による調査が原則として必要になってきます。

しかし、検査役の選任を裁判所に申し立てたり、検査役の調査が終わるまで何だかんだと数カ月かかるので、非常に手間と時間がかかります。

その為、下記の検査役の選任を必要としない例外の方法をとる会社が多いです。

⑴ 定款に記載され、又は記録された価額の総額が500万円を超えない場合。

⑵ 市場価格のある有価証券について定款に記載され、又は記録された価額が当該有価証券の市場価格として法務省令で定める方法により算定されるものを超えない場合。

⑶ 検査役による調査に替えて、現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士(外国公認会計士を含む)、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(現物出資財産等が不動産である場合は、当該証明及び不動産鑑定士の鑑定評価)を受けた場合。

設立する会社の規模にもよりますが、スモールビジネスの場合、資本金もあまり大きい金額ではなく、必然的に⑴になるケースがほとんでしょう。

ちなみに、⑶を選択した場合は当然証明してもらう弁護士等に費用を払う必要があります(弁護士等もリスクがありますので)。

なお、検査役の調査が必要ないと言っても、その財産の価額が相当かどうかは発起人の責任のもと判断しなければならないので、その点は十分ご注意下さい。

3.取締役の調査

会社設立時に、発起人が検査役の選任が必要とされない現物出資を行った場合、設立時の取締役(取締役会設置会社は取締役及び監査役)は下記の調査を行う必要があります。

  • 500万円を超えない現物出資、有価証券の場合
    →その価額が適切かどうか?
  • 弁護士等の証明
    →その証明が相当であるかどうか。

4.まとめ

現物出資の場合、検査役の選任を必要としない「例外」の方法を選択する会社がほとんどです。

ただし、それでも現物出資する財産の価額の判断について発起人は責任を持つ必要がありますので、価額を算定した根拠となる資料等を残す等の対応が重要になってきます。

その手間を踏まえれば金銭による出資の方が楽なのですが、それでも現物出資を行いたい場合は、司法書士にご相談した方が良いでしょう。

当事務所でも随時、ご相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡下さい。

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この記事の執筆者(文責)
司法書士 甲斐智也

起業支援と商品・サービスのコンサル化のお手伝いもする司法書士|マーケティング思考でコンセプトをしっかりと考えた会社設立します|2級FP技能士|たまに心理カウンセラー|某球団マスコットの中の人の経験あり

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