こんにちは。甲斐です。
令和の時代に突入してはや三年が経過しましたが、コロナ禍をはじめとする社会情勢が不安定の中、ビジネスパーソンが生き残っている為には競合他社との差別化である「コンサル化」がますます必要不可欠になってきます。
これは司法書士業務でもそうでありますし、司法書士が日常接している不動産会社でも無視はできません。
事実、公益財団法人不動産流通推進センターが公表している資料では、不動産業の法人数は、平成11年から右肩上がりに増加しています。
【2020 不動産業統計集 (3月期改訂)公益財団法人不動産流通推進センター】
一方、日本全体の人口は減少傾向にあり、また不動産の数は当然限界があります。
このように限られたパイを奪い合う、競争がますます激化する事が容易に想像できます。何もせずに「ボケー」としてたら、気が付いたら大変な事になっていた、なんて事もあるでしょう。
このように、不動産会社と言えど「コンサル化」が急務ですし、実際に不動産コンサルティングを行っている会社も増えてきています。
・・・が、コンサルタントは特に資格が必要なく、粗悪なサービスを提供し問題になっている場合が多いんですね(不動産業界に限らず)。
そのような自分の商品を売りたいだけの「なんちゃってコンサル」では当然競合他社との差別化なんて出来ませんし、お客さんに価値を提供するなんて夢のまた夢です。
では不動産会社が本当のコンサルタントになる為に必要な事は何なのか?司法書士として不動産会社の裏の裏側まで見てきた私が、じっくりとお話していきます。
1.まずは「怖い」「ガサツ」なイメージを払拭する「プロ」としてのマインドセットを
司法書士として不動産を「売りたい」「買いたい」お客さんに接していると、不動産会社に対するストレートで忌憚のない意見を聞く事が良くあります。
だいたい、こんな感じです。
- 体育会系で怖い。
- 元気はあるけど、丁寧じゃなくガサツ。
- ノルマに追われていつもイライラしている。
「自分はそんな事はない!」と思われた方もいらっしゃると思いますが、本当に自信を持ってそう言えますか?
人は自分の事を客観的に見る事が難しい生き物です。気が付かない内にお客さんに対して威圧感ある態度で接しているかも知れませんよ?
また、不動産業界について、そもそもこのようなニュースが定期的に流れてきますので、世間一般的に不動産会社のイメージとして、「怖い」と思われても仕方がないのです。
『中身入りペットボトルで頭を殴打、「死ね」「殺すぞ」「なんでできねえんだ」と恫喝指導――元社員が告発するオープンハウスの“オープンにできない”パワハラ職場環境』
『レオパレス21 家賃引き下げに一括借り上げ打ち切り、手抜き工事・・・「こんな会社があったんだ!」と言葉失うオーナー』
『顔面殴打、襟首つかみシャツ破る、30キロ超を徒歩で帰社命令――大東建託「猛烈パワハラ支店長」の甘すぎる処分に部下ら憤慨』
また、一昔前にあった「かぼちゃの馬車」の事件のように、不動産会社には「悪い事をされてしまうかも」と言うイメージも一般の人にはあるでしょう。
僕自身も不動産会社の正社員として勤務していた事もあり、不動産業界の内情は良く知っています。
体育会系と言えば言葉は良いかもしれませんが、要するにお客さんの事を「弾」と言ったり、ガサツで自分の事しか考えていない事、良くあるんですよね。
全部が全部じゃありませんが、これが一般の方からみた不動産業界のイメージです。
なので、不動産会社が本当のコンサルタントになる為には、このマイナスのイメージを払拭して、お客さんに対し、プロフェッショナルとして誠実に接するためのマインドセットが必要になってくるでしょう。
プロフェッショナルは感情をコントロールし、理性で行動する人です。専門性の高い知識とスキル、高い倫理観はもとより、例外なき顧客第一主義、あくなき好奇心と向上心、そして厳格な規律。これらをもれなく兼ね備えた人材を、私はプロフェッショナルと呼びたい。
(大前研一氏著書:ザ・プロフェッショナルより)
どうでしょう?客観的に見て、不動産会社の営業マンとは大きくかけ離れていると思います。しかし、この姿勢が本当のコンサルタントでありプロフェッショナルに求められる姿勢なのです。
今更と思われるかも知れませんが、まずはお客さんに対して誠実である事、今までとは全く異なる価値観を学ぶ事が、コンサルティングのスキルを身に着けるより最優先すべき事項なのです。
2.風上を抑えて企画力を鍛える
マインドセットを行った上で、初めてお客さんの問題解決ができる本当のコンサルタントとなり得るのですが、不動産業は仲介から始まり再販売や管理等、多種多様ですので、「どの仕事をすれば良いのか?」と言うのが一つの鍵になってきます。
この点に関してはどのビジネスでの王道になってきますが「風上を抑える」のが良いでしょう。
すなわち、地主に対するサービスですね。
地主は様々な問題を抱えています。有効活用できていない土地や相続対策等、場合によっては士業等の他の専門家と連携して地主の問題解決を行っていく、と言う流れです。
これは基本中の基本で「何を今さら」と言う感じでしょうが、ポイントは「難易度が高いものでもやる」と言う姿勢です。
都心の、すぐに買い手が付くような不動産の地主に取り入っても、競合他社との差別化はできませんし、「コンサルタント」を名乗る意味はありません。
そうではなく、例えば買い手が中々付かない、他社では問題解決が難しいような田舎の物件や法令上の厳しい制限がある物件を取り扱うのです。
その為には、不動産に関する各種法令の知識はもちろん、マーケティングや地方創生等、他社が思いつかないような不動産の活用方法に関する幅広い知識、考えを兼ね備え、かつ人脈を作る必要があります。
つまり、「問題解決の為の企画力」です。
この企画力があるかないかが、競合他社との差別化にとってのポイントになってきます。
3.まとめ
今後ありとあらゆる業界においてコンサルティング能力が必要になってくるのは必然ですが、そもそもコンサルタント、コンサルティングに関する正しいマインドセットが出来なければ、「コンサルタント」と名乗っても実際はただの「営業マン」に過ぎません。
口先だけの自分が売りたい商品を売りたいだけの「なんちゃってコンサル」になるのか?お客さんから本当に信頼されるエージェント的なコンサルタントになるのか?
競争がますます激しくなる不動産業界において、あなたはどう生きていきますか?
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